豊かな国の幼き子らよ 登場人物一覧

自分でもわからなくなってきたので、一覧にまとめました。 第六章の終了時点まで。 名前 性別 髪 瞳 属性 爽太 男 黒 黒 水の王子のオサナゴ ケイナ 男 金 灰色がかった青 国王のオサナゴ アンディ…

豊かな国の幼き子らよ 06

第六章 禁じられた書物  爽太が感情を爆発させて中庭から逃げ出したため、テオと従者たちは「王宮の外へ出したり、ひとりにしたりすることはできないが、もう少し他の人とふれあう機会を与えたほうがいいだろう」…

砂漠の虜囚とか冗談じゃないし

 あっこれ見たことあるわ。見たことあるというより読んだことあるわ。これはいわゆるテンプレとか王道とかお約束とか、そういう展開でしょ?  問題は、それが自分の身に起こってる現実のイベントらしいってことな…

体内時計工房

 昔、ある村に、姉と弟が暮らしていた。十二歳の姉はジマナ、十歳になったばかりの弟はテバという名前だった。  他に兄弟がいなかったので、ふたりは毎日一緒に遊んでいた。たまにそれぞれ女の子たちや男の子たち…

星降る帰り道

 地平線の果てまで続く青空と麦畑の中を、私たちは歩いている。どこまで歩いても変わらない景色の中を、私たちは歩いて、家へ帰ろうとしている。  私と彼女、青空と麦畑には不似合いな銀の髪を風にゆらゆらなびか…

豊かな国の幼き子らよ 05

第五章 中庭  今の自分が十歳の子どもになったと仮定してみよう。  爽太はペンの先で、ノートの白いページを軽くおさえる。実際、どれくらいの年齢の子どもになってしまったのかはわからないけど。  大人にな…

レトロスケープ

 子どもの頃、私の家族は郊外の団地に住んでいた。人見知りで臆病な子どもだった私は、あまり遠くへ行こうとしなかったため、広大な団地の地理すらもろくに把握できないまま小学生になった。  ある日曜日の午後、…

歪んだ王国に生まれなかった私たち

「白馬の王子様なんて、いないんだよ。でも、その人は王子様なの。白馬もお城も宝石も持ってなくて、どこかに幽閉されてるんだけど、王子様なの。その人がね、私を愛してくれるの。偽りの愛だけど、私たちにはそれし…

世界は砂色の墓標

 僕はもう自分の名前を忘れてしまった。  だから出せない手紙のように、ただ言葉だけをここに刻もう。  名前さえも忘れてしまうほど、僕はずっと砂色の墓の中にいる。  生きたまま。 *  砂色の世界で彼女…

豊かな国の幼き子らよ 04

第四章 王の幼き子  一週間ほどたつと、従者が何冊かの新しいノートを持ってきた。ボールペンに似た筆記具も添えて。 「はいこれ、爽太にあげる」  夕食から戻ってきたばかりの爽太に、テオがそう言ってノート…