Kindle読書録『自生の夢』から『In These Words』まで18冊(実質35冊)

また大量に溜めこんでしまった。2ヶ月くらい書いてなかったから…。

最近読んだ本(非BL)

飛浩隆『自生の夢』


表題作の短編は『NOVA』で読んでたんですよ。その時点ですっごく好きだったんだけど、それにつらなる短編を集めたのが今回の1冊。
この本、スマホやPCで小説を書いてる人とか、ネットで小説を書いたり読んだりしてる人に読んでほしい…皆がどんな刺激を受けるのか、すっごく気になる。

世界中のありとあらゆる作品(小説だけでなく映像も含む)をネットに集め、それを参照しながら個人が書記ツールを使って、まったく新しい作品を生み出せるようになった近未来。
その中でも特に才能のある人間だったアリス・ウォンの生まれる少し前から、彼女が異才を発揮し、やがて死ぬまで、そして死んだあと。彼女の生み出した膨大な作品群が暴走する空間。
めっちゃ面白くない?!

大森望、ゲンロン『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』


毎回、受講生の人たちの作品が実際に載っててなかなか面白いです。
へえー、こんな発想アリなんだ!とか、なんだか坂田靖子のファンタジー漫画みたいな雰囲気だなぁとか楽しみながら読んだ。
あと毎回変わる講師の人の話も面白くてハイライトつけまくりましたよ。
とりわけ印象に残ってるのは藤井太洋と新井素子です。

萩尾望都『ポーの一族 ~春の夢~』


まさか、21世紀になってから『ポーの一族』の新作が読めるなんて…!
決してハッピーな終わりではないんですけどね。でも考えてみたら『ポーの一族』ってそういうお話ばかりだった気がする。

高河ゆん『LOVELESS』1〜13巻


まだ1〜2巻しか出てなかった頃、試しにちょっとだけ読んでみて、なんか合わないなーと思ってそれきりになっていた作品。
今なら楽しめそうな気がすると思って大人買いしてみたんですけど、予感的中でした。面白い。

なんで登場人物が猫耳?なんて深く考えてはいけない。子ども(初体験がまだという意味)のうちは猫耳がついているという世界観なのです。それだけ。

主人公の立夏(りつか。りっかではない)の家族は、だいぶ病んでいて我が子を虐待するお母さん、あまり家に帰ってこないお父さん、そして凄惨な死に方をした兄の清明。
ある日、兄の清明の関係者だった男性が立夏に接触してきた。
「戦闘機」と呼ばれる人と「サクリファイス」と呼ばれる人がペアを組み、言葉を用いた謎の戦闘をするという流れの中に、立夏も巻きこまれていく。

途中で「実は兄の清明が生きているらしい(じゃああの死骸は誰だったんだ)」という展開になるんですけど、清明が大変やばいキャラクターでした。
弟の立夏以外を人間扱いしておらず、立夏を溺愛する一方で「自分が何をしても許して受け入れろ」と立夏に強要する兄。怖い。

明治カナ子『坂の上の魔法使い』全3巻


めっちゃくちゃ大好きなファンタジー漫画が、とうとうKindle化されたー!!
『坂の上の魔法使い』『無二の王』『黄金の川岸』の全3巻です。

なんと続編も連載してるらしい…1話ずつ配信中。

水城せとな『世界で一番、俺が〇〇』1巻


3巻まで出てます。
幼なじみの20代男性が3名、「この中で1番不幸になるのは誰か」を賭けて勝負することになる…というお話。

賭けが始まり、キャッキャしてる3人に、発端となった女性が「皆さんは不幸になりますよ」って宣告する台詞、重かった。
これはただの賭けだよー、不幸になる競争だから自分で適当に調節して不幸になろうとしてるだけだしー、みたいなスタンスとってても、不幸になろうと意識してしまったら本当に不幸になっていくよ、っていう言葉に聞こえた。

最近読んだBL

市梨きみ『さよならアルファ』


オメガバースのオムニバスで半分以上読んでたBL漫画。

誰もがアルファだと思っていたキラッキラの生徒会長が、自分の運命の相手である小学生の男の子と出会って発情してしまい、「自分はオメガだったのか…!」と気づくところからスタート。
アルファのほうが年下すぎるという設定なので面白いです。オメガだと判明した主人公はたいへん苦しむわけですけど…。

砂『お兄ちゃんのいうとおり』


両親の再婚で兄になった相手が手を出してくるという展開のBL漫画。
主人公(弟)がめちゃくちゃ弱そうで幼くて、典型的な「嫌と言えずに流される系」でした。小動物っぽいというか。

森世『みっともない恋』


暴力・束縛・監禁などを平気でかましてくる、だいぶやばい先輩に言い寄られて、なし崩し的につきあっちゃう主人公のBL漫画。シリアス。
だいたいこういう場合、やばい攻めには家庭環境に原因があるのですが(そしてそのとおりの設定ですが)結局は受け入れて育て直そうとしちゃうんだよなぁ…主人公って…。

他にも何本か短編が入ってます。なんか、全体的に怪我してる男の子が多い。

森世『ロマンティック上等』


オメガバースでBL漫画。
「オメガなんだから、とっとと素敵なアルファ捕まえたいよねー」と玉の輿志向の女性みたいなことを考えている主人公。
でも出会ったアルファはエリートによくいるタイプ(金も権力もあるから何股もかけてて、つがいにしてるオメガが何人もいる)で、発情期のたびに自分の相手をしてくれるのは気心の知れたベータで…。

ぴい『パラダイムシフト』


オメガバース。ベータだったのが突然オメガになってしまう系のBL漫画。
そこに「実は昔あなたに出会って運命の相手だと思った、ベータだと言われてもそんなはずはないと思ってた」みたいなアルファがやってくるぞ。

お察しのとおり、オメガバースを集中的に読んでいた時期がありました。

彩枚サトル『アルトルイスト』


オメガバースでBL漫画。表紙は3人いるけど、3Pではない。
これも変わり種というか、アルファとオメガがくっつかない展開です。

アルファの長男の嫁にするため、施設から富裕層の家へ引き取られたオメガ。
でも、肝心のオメガはベータの次男に恋をして、長男を拒んでしまったため、家を追い出されたという過去が…。

その次男坊のベータとオメガがくっつくまでの話を、ふたりと同じ大学にいて、たまたまベータに目をつけられてオメガの発情期の相手をさせられたアルファの男の子の視点から描いてる。

かわい有美子『いとし、いとしという心』


めっちゃ好きなBL小説。まさかKindle化されるなんてー!うれしい!

京都の旧市街地(洛中)が舞台です。
京都弁は、うん、あの、京都市といっても地域や職業によって多少変わってくるので、私や私の祖母のなじんだ言葉と同じってわけではないんですけど、今まで読んだ京都弁の作品の中では1番すんなり読めました。

老舗の紙屋の息子で、美貌で奥手な主人公は、おとなりさんである老舗旅館の長男にずっと片思いをしていた。
長男はノンケの男だったので、主人公は1度も自分の思いを伝えたことがない。
一方、その老舗旅館の次男は、主人公のことをずっと好きだった…という三角関係が子どもの頃からあるわけですよ。

跡取りではないからという理由で、兄に比べて格差のある育て方をされてきた次男は実家に反発し、大学進学とともに東京へ出てしまい、京都には全然帰ってこない。

しかし、亡き父の跡を継いで旅館の旦那となった長男が若くして病死し、次男が京都に帰ってくる。
次男は実家に対する長年の恨みつらみがあって、長男が亡くなってしまったから旅館の跡を継いでくれと言われても聞く耳を持たない。
仕方がないので、周囲の人々は主人公に「あの子を説得してやってくれ。幼なじみだし、若い者同士で話をしたほうが耳をかたむけてくれるだろう」と頼みこむ(というか圧力をかける)

片思いの相手(長男)の死で落ちこんだまま、主人公が次男にその話をしに行くと、主人公のことをずっと好きだった次男は「お前が自分に抱かれてくれるなら、旅館の跡を継いでやる」と言い出す…。

あとは実際にぽちって読んで下さい。挿絵も収録されてます。好きな話なのでめっちゃ長々と書いたね!
個人的には、主人公だけでなく、場面によっては次男の視点から書かれてる部分がけっこう多いのもうれしかったです。

かわい有美子『いとし、いとしという心2』


続編だよ!

主人公と次男のあいだで、高校時代に何があったのか、という過去編が前半。
後半は、旅館の跡を継いだ次男と、関係を持ち続けている主人公のその後。やっと主人公が次男を本当に受け入れてくれるまで。にこにこ。

かむ『君島兄弟の本懐』


BL漫画。タイトルでおわかりのように兄弟。弟✕兄。
言い寄ってくる女を抱いては捨てる兄と、兄の捨てた女を片っ端から味見する弟。

しかし、こういう設定の話を読むたびに「どんだけ入れ代わり立ち代わり、都合よく新しいセフレ候補が出てくるんだよ…そんなに全校生徒の数が多い学校なの?」と思ってしまう。

森嶋ペコ(原作:姉村アネム)『静寂の月』上下巻


BL漫画。
何でもできる優秀な双子の弟に、何もかも奪われ続けてきた兄が、弟目当てで近づいてきた駄目な男を好きになってしまう話。

弟は弟で主人公のお兄ちゃんをめっちゃ大好きという設定があるんですけど、そのへん活かしきれてない感じだった。3巻くらいで描いたほうが、そのへんもっと盛りこめたのかもしれない。

はらだ『にいちゃん』


愛とは、異常とは何なのか?と問いかけるBL漫画。
ふたりに深くかかわってくる女の子がすごくいい味を出してますね。
主人公と「にいちゃん」の関係が途中でひっくり返るところ、すごくよかった。

Guilt|Pleasure『In These Words』1〜3巻


めっっっちゃ続きが気になるBL漫画。
アメコミで活躍している咎井淳(Jo Chen)とナルキッソスというふたりのユニット?が手がけるお話。
BLというよりもサスペンス色が強いかな。
キーワードは連続殺人犯、精神科医、監禁、流血、悪夢、記憶。

2巻以降は、限定版がついてるバージョンと、ついてないバージョンがあります。私はついてるバージョンを買いました。

その他

いろいろ続きものの漫画も新刊が出てるし読んでるけど、ちょっと時間切れ。
『さんかく窓の外側は夜』5巻が、うわわわわわ!って感じでした…あの…ほんと…続き…読みたい…。