Kindle書評『天皇陛下の全仕事』から『雷神とリーマン』まで8冊

最近あまり本を読んでいないのですが、それ以上にブログを書いていないため、Kindle書評が溜まってまいりました。
簡潔に、まとめていってみよー!

最近読んだ本

山本雅人『天皇陛下の全仕事』


実際にこういう仕事してるのか!とか、えっこれ誰かに肩代わりさせたほうがよくない…?とか、面白さや驚きの連続でした。

中でも「ただ天皇が目を通して署名もしくは判を押さねばならないというだけの事務仕事」は、これ本当に必要なの…?って気持ちでいっぱいになった。
地方に外泊してる時も、職員が専用の箱に書類を入れて飛行機で持ってって、その日のうちに天皇の判をもらうという…。
(ペーパーレス化やデジタル化と1番遠い世界だな、と思った)

この書類作業に対して天皇の意志は存在せず、判を押したくないと拒んだりすることは許されていない。
そのかわり、判を押したことについて天皇は責任を負わずに済む(内閣の責任になる)

つまり天皇は判を押す機械も同然ではないですか…。
毎年何千枚も、目を通して判を押す…当然ながらめっちゃ時間かかる…。

あと、海外の王族から御所を清掃するボランティアの人々まで「人と会う」イベントが頻繁にあって、もちろんそれとは別に天皇家として行わねばならない数々の祭祀(別の日に移すとかできない)があって、読んでるだけでもストレスで体壊しそう。

それ以外にも、天皇が自ら行きたいと望んで被災地を見舞いに行ったりして、イベントはどんどん増えていきます。
ちょっと前の本(2009年)なので3.11の話は出てきません。

今年は異例のイベント「生前退位譲位したいという天皇陛下のお気持ち表明」がありましたね。
そりゃ普通の人が引退してる年齢で仕事し続けるのはしんどいよなぁって思ってたんですよ。
だって80代ですよ。うちの祖父母の痴呆が始まりかけてた年齢ですよ。

しかも皇太子は50代。世間では定年が近づきつつある年齢です。なのにまだ即位してません。
通常では仕事を辞めて引退するはずの年齢になってから、この膨大な仕事量を引き継いで、天皇としてふるまわねばならないというのは、だいぶ過酷な条件ですよね…。
そういう意味でも、確かに早いとこ地位を継承したほうがいいのでは、と思える。

余談ですが、母はこんなことを言ってました。
「昭和天皇とちがって、今の天皇さんは最初から国の象徴やろ。今のスタイルを確立するまで、それはもう苦労してきはったと思うで。そういうのには時間がかかるからなぁ…」

川北稔『イギリス 繁栄のあとさき』


イマニュエル・ウォーラーステインの世界システム論を引き合いに出しつつ、大英帝国の繁栄とゆるやかな「衰退」を語りつつ、同じように全盛期を終えて下り坂にある日本はどうすべきかの方向性を示そうとした1冊。

ただ、なんというか、全体的に古い本だなという印象を受けました。
森薫『エマ』の時代背景に思いを馳せながら読んだ。大学の時の授業が懐かしい。

黒田龍之助『語学はやり直せる!』


語学は身構えずにやればいい、続けることが大事なのだ、でも続けるためには「勉強だ!」と意気込まないように楽しむことが必要だ。
というわけで、その方法論をわかりやすく語る1冊。

特に日本では語学といえば英語の一辺倒になりがちだけど、ここはいったん英語以外に目を向けてみてはどうだい?
って著者が誘うんだけど、私も同じ気持ちです。
あえて縁のない、学業成績や昇進とも関係のない言語を選んだほうが、趣味や楽しみとして長続きしそうよね。

後半は語学教師としての心得じみた内容なので、そういうのを志してない人にとってはちょっと退屈かも。

でも、なんか楽しい気持ちになれたし、読み終わった時はなぜかアラビア語に興味が出てきました。

吉野茉莉『トクシュー! 2 ‐特殊債権回収室‐』


続刊が出たぜ!やったぁ!でもこれで完結だってさ。

1巻目は東京に住んでいる弟も買っていたことが発覚して、「示し合わせたわけじゃないのに趣味が一部かぶるとは…兄弟…あなどれねえ…」と思ったものです。

さて、前回はマネーロンダリングでしたが、今回は仮想通貨の話が出てきます。

ブロックチェーンという言葉は、実際にビットコイン関連のスタートアップの記事で見たことあったけど、こういう意味だったのか。

あと、別に腐男子でもなんでもないはずの犬子さんが、この小説について「BLだった」という感想をツイートしていたので、一部の方は参考になさって下さい。
馬酔木と栴檀か、栴檀と蘇合か。うーん、沈水はちょっと弱いかな…。

つづ井『腐女子のつづ井さん』1〜2巻


以前からネットで読んでいた漫画。
1巻目はけっこう絵が崩れていますが、2巻目はだいぶよくなってます。

個人的には「腐女子あるある」はほとんど感じなかったけど、突き抜けてる人のエッセイは楽しいから安心して読めるね。
寝る前にぼーっと読むのにちょうどいい。

ただ、私がまったくもって感情移入できなかったものがあって、それは主人公たち(恋愛経験のない腐女子)が自分の恋愛について言及するシーン。

合コンの感想を聞かれて、「でも、かわいい男の子は皆、他の男に抱かれてるからさ」って答えちゃうところとか。
「もし彼氏ができたら土下座して頼みこんで、お互いの彼氏同士でキスするとこ見せてもらおうぜ」って言っちゃうところとか。

これは笑えへんな…と真顔になりました。

なんていうか、女性と縁のないオタクの男性も似たようなこと言うよね。
どうせ中古女だろと嘲ったりとか、ちょっと男の子と仲良く会話してただけでビッチ呼ばわりしたりとか、それと似てるやん、この台詞。

目の前の相手を、感情や意思のある生身の人間だと思ってないんじゃないか?
男(BLの対象)という記号でしか見てないのでは?
って感じる瞬間があるよ。

ひとりでも楽しく元気に生きてるぜ!ってのはいいことなんだけど、うーん、もうちょっとバランスよくなれればいいのにな…って思った。

あと、月を見た老婦人がそらんじる和歌に対して、「え、今の何?百人一首?」なんて言うあたり、確かに無教養ではある。
中学レベルやん…。

同じように月の和歌を返そうぜ!阿倍仲麻呂とか!

…えらそうなこと言ったけど、私も数学や物理あたりを出されたら、ただの無教養なオタクと化します。
すみません。中学レベルも危ういです。

RENA『雷神とリーマン』1〜2巻


社畜ライフを送る無趣味で孤独なサラリーマンのところに、ある日、「人間になりたい」という雷神がやってきて、なんじゃこれー!ってなりながら同居生活が始まるお話。

とてもいい漫画だ…早く続きが読みたい…。
(高校に入るエピソードは別にいらないのでは、と思ったけど)

一応BLですけど、今のところエロ描写とか全然ないのでBL読まない人にもおすすめ。
恋愛の話というより、「孤独を癒やされた」「生きてても楽しくないと思ってたけど、生きるのが楽しくなっていった」というのに近いかな。

関西弁の台詞、テンポよく畳みかけてくるボケとツッコミ、そしてじんわり泣かせるシーンの緩急がいいですねー。
1巻を読んだあと、すぐさま2巻もぽちってしまった。

読みかけの本

木下是雄『理科系の作文技術』


ずっとKindle化するのを待っていた1冊。
私は理系でも学生でも研究者でもないけど、「相手に伝わりやすく簡潔に文章を書く」ことはすごく大事だし、もっと学校で教えてくれ!って思ってる。
ふわふわした読書感想文の書き方よりも、よっぽど実用的じゃないですか。

つーか、大学の入試や、大学のゼミで毎週出すレポートにおいて求められた「規定文字数の中で、テキストの要約とそれに対する自分の意見を簡潔にまとめる」っていうスキル、ぶっちゃけ私、学校で習った記憶ないよ?!独学だよ!おかしくない?

これから読む予定の本

森博嗣の新刊が出ましたよ。
このシリーズはとってもSF風味なので好きです。ミステリは興味がないのです。

しばらく気になっている本

さすがに2000円前後のお値段になってくると、今でもためらってしまう。
無料サンプルは読んでみたんだけど、面白そうだったんだけど…!