Kindle書評『ひだまりが聴こえる』と『ひだまりが聴こえる-幸福論-』

本日はBL漫画2本立て(でもエロくないよ!)です。
ロロさんのツイートを見て、興味が出たのでぽちりました。

いってみよー。

文乃ゆき『ひだまりが聴こえる』


BLですが、エロスは出てこないです。ランチを食べるお店で読んでても大丈夫です(お昼に読んだ)

BLというよりも人間関係のお話

食い意地が張ってて、明るくて元気で一直線な大学生の主人公。
病気で難聴になって、普段は周りの人の唇を読むことで聞こえにくさを補っているイケメンの大学生。
このふたりが知り合って仲良くなるんだけ、ど…。

生まれつき耳が聞こえにくい場合と異なり、途中から難聴になった人が味わう苦労。
周りの人には「面倒くせえな、じゃあ手話覚えろよ」なんて言われるけど、唇を読むほうが早い。声だって聞こえる。生まれつき聞こえない聾者の人たちのグループには入りづらい。

でも、聞こえるといっても、声質や話し方によっては全然聞こえないし、聞きまちがいやすい。
「うちのじいちゃんも耳が遠いんだよ」なんて言われて、耳元で大声を出されたりしてしまう。そんな大声を出さなくても、滑舌をよくして、通りやすい声で話してくれればいいのに。

そういう、毎日積もり積もっていく疲労や、難聴の人の存在を初めて知った主人公の変化を描写しつつ、ふたりの距離が縮まっていくお話。

そういえば就活してた時、「片耳だけ聞こえないんです」という学生さんに出会ったことがありました。
いつも聞こえるほうの耳を向けようとするため、首をかしげたような姿勢になりやすいって。でも言われるまで全然気づかないし、わかんないんですよね。首かしげてるなぁとは思っても。

あとがき漫画によると、編集さんに「これBL雑誌なんで、ボーイズがラブしていただけると…」って言われたそうですよ。
確かに友人以上、恋人未満みたいな距離感・空気感のストーリーなのよね。
BLというより、よく通る声を持った学生と、難聴の学生との人間関係を築いていく話なんですよ。

文乃ゆき『ひだまりが聴こえる-幸福論-』


こっちは続編。
こちとら幸福論と言われると椎名林檎が出てくる世代ですが、ストーリーとは全然関係ない(当たり前だ)

自分が変わるきっかけを与えてくれた(お互いに)

おだやかな関係のまま、いったん落ち着きかけたふたりですが、そうもいきません(だってまずほとんどBLになってないし)

続編では、あまり深くものを考えていない主人公の痛いところをビシバシ突きまくる難聴の女の子が登場。
反論しきれず、ぐぬぬ状態になりながら、主人公は「俺、何がしたいんだ?」と自分を見つめる。

難聴の学生と仲良くなったことがきっかけで、主人公の「したいこと」が見えてきて、彼は思わぬ進路を歩むことに。
最後は両思いになる…けどやっぱりエロスはありません。でもそれでよかった気がする。

ゆっくりとお互いを信頼してくっついたふたりが、ここで体をつなげようとしたら、さらにもう1冊分のストーリー描写が必要だと思いますし…。

あとがき漫画によれば、担当編集さんは「さらに続編を出しましょう!」と乗り気なようです。楽しみですね。

書き忘れてたけど、この人の絵、好きです。