Kindle書評『春の呪い』と『北欧神話と伝説』

Kindleストアで大規模なポイント還元セールが始まりましたね。
20%、30%、50%と本によってけっこうバラバラ。
(まったくポイント還元ついてない本も、もちろんある)

どの本を買えばいいのかわからなくなりますが、ひとまず読み終えた本の感想いってみよー。

小西明日翔『春の呪い』1巻


そんなに絵がうまいって印象はないけど、なんかすっきりしてて見やすいかもしれない(特にスマホで)と思いつつ、ぽちってみた漫画。

読み返すほどに「あっ…」てなる(表紙も)

こ、これは…!
続きが気になるで…!
(カスタマーレビューによれば、2巻目で完結する模様)

主人公の夏美は、妹の春が誰よりも好きだった。
でも、誰にもそんなこと言えないし、自分でもこれが恋愛感情なのかどうかわからない。

春には冬吾という婚約者がいた。
家同士の取り決めでお見合いして、つきあい始めた相手。

冬吾の両親は最初から春を嫁候補として気に入っており、夏美のことは完全に無視している。
そして、特にやりたいこともなく、親の言うがままの人生を歩んできた冬吾は、親の言葉どおりに春とつきあっていた。

しかし、19歳の若さで春は病死。
誰よりも愛する妹を失って絶望している夏美に、冬吾が「僕とつきあいましょう」と言いだす。

本当に血筋目当てのお見合いだったんだな、と思いつつ、夏美はこう答えてしまう。
「わかりました。そのかわり、春と一緒にデートした場所へ連れていって下さい」と。

そこから始まるこのお話…。
というわけで夏美は常に追いつめられてます。

大好きな春を冬吾に奪われてしまっただけなら、まだよかった。

春の死後、夏美は(生き残ってしまった家族にありがちですが)「春が死んだのは私のせいなんじゃないか」と苦しむ。
それ以上に、春があれほど大好きだった婚約者の冬吾と自分がつきあっているという事実に苦しむ。

つきあうといっても、春と冬吾の思い出の地をめぐるだけなんですけどね。
それでも夏美は、冬吾とデートに出かけ、春との思い出を冬吾に語ってもらい、春への罪悪感で死にそうになりながら、生前の春の様子を少しでもトレースしようとする。

一方の冬吾は以前から、親に言われてつきあっていた春よりも、明るいキャラクターの裏に暗い何かをかかえている夏美のほうが気になって仕方ない。
でも、当の夏美は春にしか興味がなくて、春の死後は罪悪感でボロボロ。

う、うわー…ふたりとも、なんて苦しそうなんだ…。
普通の顔して会話してデートしてるけど、均衡が崩れた瞬間に、もう。

そんなに表情豊かな絵ではないなーと思って読んでたら、ふとした拍子に夏美や冬吾の見せる表情がものすごくいろいろなものを物語っていて、いい意味で裏切られました。

ヴィルヘルム・グレンベック『北欧神話と伝説』


誰が誰だかわからなくなるくらい、たくさんの話が入ってた。

剣と黄金(そればっか)

いやー本当に殺しあいの話ばかりです。

侮辱されたので殺した。
宝物を奪うために殺した。
復讐のために殺した。
求婚して断られたので殺した。

お、お前ら…!

出てくる単語も「ベルセルカー状態(殺戮をくり返す狂兵士の状態)」とか、「バイキングに出かけた(よそで略奪しまくる)」とか、そんなんばっか。

ギリシャ神話は恋愛・性愛の話が非常に多かったんですけど、そういうの、ほっとんどない。
家のために、名誉のために、あるいは欲望のために戦いを挑み、殺し殺される話のオンパレードです。特に神様の出てこない話は戦争だらけ。

ハムレットの元ネタになったとおぼしき話では、オフィーリアのような娘は登場せず、ただ父を殺された復讐を遂げる話になってる(つまり殺人に対する殺人)

ロミオとジュリエットみたいな話も出てくるんですよ。
でも、シェイクスピアのロミジュリでは「愛しあう若いふたりの心中によって、両家は和解した」でしょ。
北欧神話では「ふたりの心中ののち、両家はさらに対立を深め、互いに殺しあったので、両家ともほぼ断絶した」ですよ。
殺伐としてる!

ちなみに殺戮だらけなのは男性の専売特許ではありません。
子どもの頃から武器に親しみ、戦場に出て暴れたり、男装してバイキングに加わったりする女性も何人か登場します。

正直、あまりにもそんな話ばかりなので、読むのやめようかなって何度も思った(げっそり)
神様も殺戮エピソード多いですよ?