Kindle書評『SEX PISTOLS ファンブック 妊娠・同性婚マニュアル』と『なちゅらる どぎぃず だいありぃ Petit』

今回は、寿たらこ(BL漫画家)のファンブックを2本立て。
いってみよー。

寿たらこ『SEX PISTOLS ファンブック 妊娠・同性婚マニュアル』


先日、最新の9巻が紙で出たばかりの『SEX PISTOLS』のファンブック。
Kindle版も同発だといいんだけどなぁ…どうもビーボーイ系は電子化が遅れるんだよな。もともとBLって同発じゃないレーベルのほうが多いけど。

男同士も女同士もアリです

この漫画は「人類の中に、実は動物の魂を持った斑類(まだらるい)という種類がある」というSF設定のお話です。

斑類は普通の人類(猿人と呼ばれる)と異なり、繁殖力が弱く、生まれながらの血筋(自分がどういう動物なのか)が非常に大きな意味を持つ世界に生きています。
そのため、男同士や女同士での結婚・繁殖も可能だったり(そういう技術がある)、昼ドラのようなお家騒動があったり、恋愛・結婚がバリバリの格差社会だったりするという、実にいろいろなドラマを描きやすい設定になってるんですよ。

このファンブックでは、今までのカラーイラストや、主要登場人物の情報をまとめた紹介ページ、斑類の種類や特徴をまとめたページ、描き下ろし短編漫画、女性誌のように編集した学校紹介コーナーなどが収録されています。

「えっ、誰それがあんなことになってたのは、こういう意味だったの?本編の描き方ではふわっとしてたよね。このファンブック読んでへんかったら意味わからんやろ!」
というのが正直な感想です。
特に6巻以降の展開(特に人魚のくだり)…。

しかし、「ファンブック読むまでわからんかったわ!」というツッコミ以外は楽しく読めました。
『SEX PISTOLS』が好きな人にはおすすめしたい。好きな作品の世界に浸れるの、単純に楽しい。

斑類の特殊な設定ゆえ、BLではイレギュラーなことですが、女性同士のカップルも主要キャラとして登場します。
斑目巻尾(まだらめ・まきお)×渡嘉敷(とかしき)カレン。

何年も読み返してきたせいか、ファンブックを読んでいて1番楽しかったのが、この女性同士のカップルでした。
(年齢的にも、他のキャラとちがって恋愛真っ盛りでお花畑!みたいになってないし)

でもこれ、女性同士だけど百合じゃなくてBLになってるんですよね。ふたりの関係性がBLなの。
私が本当に読みたいのは、BLな関係を持った女性カップルの話なのかもしれない。
(百合も好きだし読むけど、いまいち読む気が起こらない…)

寿たらこ『なちゅらる どぎぃず だいありぃ Petit』


こちらは『NATURAL DOGGY’S DIARY』の番外編的な1冊。
ミニサイズの画集+ファンブックみたいな内容です。薄いけどフルカラー!

まるで絵本(ふきだしも色ついてる)

フルカラーの漫画(コマが大きいので絵本っぽい)と、主要登場人物の紹介ページ、今までのカラーイラストやカラーページ(台詞抜き)を収録しています。

漫画は基本的に、主人公の飼い犬の視点で展開するから、本当に絵本みたいでかわいい。

『NATURAL DOGGY’S DIARY』はゆっくりした展開の漫画で、2巻まで出ている現在も本格的なエロシーンはありません。
(あそこにさわるシーンはあるけど服で隠されてる)

動物病院を経営する長兄。
そこでトリマーとして働く次兄。
建築の専門学校に通いつつ動物病院の受付も手伝っている末っ子。彼が主人公。

長兄と次兄は血がつながってますが(フランス人?)、末っ子だけちがうんですよね。
どういう経緯で兄弟になったのかは明らかにされてない。

この動物病院に、遊び人の社長や、弟の高校生がよく飼い犬を連れてくる。
主人公は社長の弟に片思いしてるんだけど、社長の弟が一目惚れしているのは主人公の次兄。でも次兄が好きなのは主人公。

この次兄が恐らく本編の中で1番重要な(そして何をするかわからない)キャラなんですよね。
子どもの頃から溺愛してきた血のつながらない弟(主人公)が、他の誰かにとられそうになって、本編の2巻目では猛烈な追い上げを開始。
つ、続きが気になる…。

と思いつつ、次兄が弟にこっそり手を出すシーンも、ここではカラーで収録されていて(本編とは別の角度になってる)、それだけでも買ってよかったです。

ただまぁ、現実には、主人公のように「僕なんて…」が口癖になってる(自分を常に卑下してる)子は、モテないと思うけどね。
この漫画で主人公がなんだかんだ愛されてるのは、ひとえにかわいいからだろうなー。

なんか、本編の漫画と、今回のフルカラーの番外編と、両方の感想が混じっちゃった。