谷山浩子 『HIROKO TANIYAMA ’00s』を聞いた

タイトル:HIROKO TANIYAMA ’00s(ヒロコ タニヤマ ダブルオーズ)
アーティスト:谷山浩子(たにやま・ひろこ)
レーベル:ヤマハミュージックコミュニケーションズ

谷山浩子の年代別コレクション、2000年代バージョン。
ダブルオーズって…ガンダム00かよ、と思ったのは私だけではないと思う。
ニセンティーズと呼ぶ人もいるようですが、アルバムに書かれている公式の読み方はダブルオーズだそうです。

基本的に新しいアルバムほど手元にあるので、このアルバムに収録された曲はどれもすでに持っているのですが、悩んだ末に買っちゃいました。あまぞんでぽちっとな。
そしたら3月2日発売って聞いてたのに、3月1日に届きました。大阪から出荷されたので到着が早かったようです。ありがとうあまぞん!

収録曲

  • 向こう側の王国 (from 『翼』)
  • 意味なしアリス (from 『宇宙の子供』)
  • 電波塔の少年 (from 『翼』)
  • さよならのかわりに (from 『心のすみか』)
  • 素晴らしき紅マグロの世界 (from 『テルーと猫とベートーヴェン』)
  • よその子 (from 『宇宙の子供』)
  • まもるくん (from 『フィンランドはどこですか?』)
  • 洗濯かご (from 『翼』)
  • 人魚は歩けない (from 『フィンランドはどこですか?』)
  • 神様 (from 『宇宙の子供』)
  • 終電座 (from 『フィンランドはどこですか?』)
  • かおのえき (from 『テルーと猫とベートーヴェン』)
  • 仇 (from 『心のすみか』)
  • アトカタモナイノ国 (from 『月光シアター』)
  • テルーの唄 (from 『テルーと猫とベートーヴェン』)

歌のよさについて今さら書くだけではアレなので、それぞれの歌にまつわる自分自身の思い出などもつづってみよう。
…つづってみたら長くなりました。

「向こう側の王国」

2007年の猫森のあとで行われたファン同士のオフ会にて、ゆいちゃんと知り合いました。
同時に、会うのが2回目だったきのぽんさんと意気投合。
その後、この3人だけで東京に集まって遊んだりするほど仲良くなったのですが、そのきっかけとなったオフ会でした。

その時のオフ会は大部屋に20人くらい(それ以上?)が集まって、ひとりずつ谷山浩子の歌を入れて、オールで延々と合唱するものでした。
で、その歌のリクエストが3巡目くらいになった時に、順番の回ってきたゆいちゃんが、この歌をリクエストしたと思います。「へえー、ここで来たか」と思ったのを覚えてる。

「意味なしアリス」

歌を初めて聞いた時、すげー!とひっくり返った。
いかにも不思議の国のアリスっぽい言葉遊びというか、意味が意味をなさないような世界、ナンセンスな情景をくり広げたあとに、「いやこれ実はね」というオチ。今までの全部が意味ねーのかよ!と。
今までに何度もアリスをモチーフにした歌をつくってはったけど、これはファンタジーに現実逃避することも許してくれない冷めた感じ。それが面白かった。

「電波塔の少年」

きのぽんさんと、「この切ない感じが、あの漫画のキャラクターに合うよね」みたいなやりとりをした思い出のある歌です。
今までのライブで3回くらい聞いた、私にとって遭遇率の高い歌。
「悲しみの深さなんて 何の力にもならない 心は武器にならない」という歌詞が胸に刺さった。

「さよならのかわりに」

なんでやろう、まったく何も思い出とか残ってへん…。

「素晴らしき紅マグロの世界」

この歌が収録された『テルーと猫とベートーヴェン』で、ゲド戦記にまつわる一連の歌が続いたあとに突然割りこむかのように始まるのがこの歌。
繊細そうな、重厚そうな、シリアスな雰囲気の歌ばかりだったのに、唐突にジャンジャンジャジャーンジャン!と始まる超ご機嫌でアホな歌。それまでの流れをぶった切って「さあ次はアタゴオルの歌だよ!」と激しく主張。この曲順に脱帽したものです。
高校時代の知人と約8年ぶりに会ってカラオケに行く機会があり、よりによってこれを歌ったので、「世の中にはいろんな歌があるんだね…」と呆然とされた。

「よその子」

ぱいのみ林檎さんが、カラオケで鬼束ちひろの「月光」を歌いながら、
「浩子さんがすごいと思うのはね、『よその子』をつくっちゃうところだよ」
と言ってました。

確かに歌を聞いてると、「月光」も「よその子」も似たような路線。
でも、「よその子」が徹底的にちがうのは、居場所がないとか救ってくれとか言うだけで終わるのではないこと。
哀れな弱者としての立場でありながら、

「それでも僕は 全ての家の 全ての人の幸せを
祈れるくらいに強い心を 強い心を 僕は持ちたい」

と歌って、家々の窓を開かせること。
自分の苦しみばかりに目を向けていては、この歌は歌えない。と、自戒をこめて思った。

「まもるくん」

歌をまったく知らずにライブで初めて聞いて、「家族は気絶」のところで思わず吹き出しそうになった1曲。
実際に歌ってみると音程とりにくい。
でも楽しい。

「洗濯かご」

浮気相手に男をとられた女の歌かなぁ、と思って、そういう妄想をして楽しんだ歌です。
もし自分がそんな目にあったら、ただじゃおかねえ。なめた真似しやがって…!とドロドロの心境を妄想して面白がってました。悪趣味なとりさん。

「人魚は歩けない」

特に好きで印象に残ってるのが、この歌詞。

「ここが海なら 困るのはわたしじゃない ここが海なら あなた溺れて死ぬでしょう」

人魚だから足がなくて歩けないのに、人間の彼にあわせて街を歩く主人公。
うろこがボロボロになっていく。でも、「もしここが海だったらあなたは死ぬじゃない」と。
主人公の健気さや一途さに心を打たれたわけではなく、「ここが私のホームグラウンドだったらあなたは死んじゃうじゃない」という内容にどこか突き放したものを感じて、それが好きなのです。やっぱり悪趣味なとりさん。

「神様」

好きだけど自分が歌うと音の高さがちょうど歌いにくくて泣く泣く歌うのを断念する、そんな歌。
友達に、「この歌はこんなイメージなんだよね」という話をされてから、ずっと印象に残ってて、そのイメージを基にした小説を書こうとしてるんですが、なかなか進んでません。

「終電座」

この歌が歌われた2010年の猫森Bプロに行きたかったです。
すごく聞きたかったのに。ホール全体で合唱する演出とか、もう、そこにいたかったのに、もう!
好きなので、わざわざリビングのステレオを借りて、この歌だけくり返し聞いたりしました。

「かおのえき」

2010年の猫森Dプロのアンコールがこの歌で、浩子さん、AQさん、ゲストのみのすけさんが、それはもうノリノリで「全ての人の 願いはひとつ!」と歌ってはったのがすごく楽しそうでした。
彼氏とカラオケ行った時に、いっぺんこれを歌ったのですが、いつものように彼氏のテンションは低かったです。
「なにこれ」みたいな反応だったと思います。歌ってる私は楽しかったです。

「仇」

林檎さんちで、RARARUさんが出してる仇特集の谷山浩子ファンブックを読んで、「まるごと1冊が仇!すげー!」と大喜び。
その後、冬コミでRARARUさんのスペースに買いに行ったけど、手に入りませんでした。
今サイトの在庫案内を見てみたら、すでに売り切れた様子。あー…。

「アトカタモナイノ国」

収録されてる『月光シアター』を買ったあと、やたらと歌ってました。お皿とか洗いながら気がつくと歌っちゃってた。そんな歌。
この歌をモチーフにした小説書いて、ファンブックに収録して出しました。

「テルーの唄」

オフ会にて、この歌をテンポ上げながら再生して歌ってるお姉さんがいました。
こぶしがきいてて、まるで演歌にしか聞こえませんでした。あれは衝撃的だった。
もともと自分では歌ったことのない歌だったんですが、演歌テルーがあまりにも面白かったために、ますます自分では歌わなくなりました。私が歌っても演歌にならない!

CDをわざわざ買うのはちょっと…という人には、iTunesからも発売されると思うので、そっちで試してみてね!(情宣と布教のお時間)
初心者の人には、「よその子」、「神様」、「終電座」あたりがおすすめです。
ちょっと変な歌も好きかも、というあなたにはぜひ、「意味なしアリス」、「まもるくん」、「かおのえき」。
ますむらひろしが通じるサブカル派には、「素晴らしき紅マグロの世界」を!
…よし、宣伝したぞ。終わりにしよう。