Kindle書評『言いなり』と『俺のパンツが人質にとられています』


硬い本からアホな本まで、その時の気分や興味に応じていろいろ読みます。にんげんだもの。

というわけで今回は、頭のおかしい人が出てくるBLと、タイトルの時点でおかしいBLの感想です。
いってみよー。

丸木文華『言いなり』


頭のおかしい人、ヤンデレっぽい人が出てくるBLを読みたい時は、安定の丸木文華。
最近この人の本ばっか読んでますね…。

ちなみに著者はBLだけでなく、TL(主に10代の女の子を主人公にしたエロありの恋愛小説)も書いてます。ゲームのシナリオも書いてるっぽい。
イラストを自分で担当してる本も多いよ。

二重の意味で下克上

主人公は大学生。
昔、親の転勤で転校が多かった主人公は、いじめられた過去から逃れるためにチャラくなって、毎晩のようにサークルのメンバーと飲みに行き、セフレの女の子をとっかえひっかえしながら、一方では真面目に授業へ出るという学生生活を送っている。

自分が支配される側にはもうなりたくないから、女を支配する。そのことで、自分は強くなったと思うことができるから。

わああー。

そんな主人公を慕い、犬のようにつきまとってくる男がいる。
あまりにもダサいので主人公や他のメンバーにも嫌われてるんだけど、サークルのチャラい先輩に媚薬を盛られて公開処刑されても平然としているし、主人公が同じ目に遭わされそうになった時は助けてくれる。

もちろん、その犬のような男が、あとから主人公に襲いかかってくる下克上BLなんですが。

最初は主人公のほうが上の立場なのに、それが逆転するというだけでなく、嫌な過去から逃れて生まれ変わったはずなのに、また…という展開も含んでおり、二重の意味で下克上。
安定の面白さでした(頭のおかしい人が出てくるという意味で)

余談。
『言いなり』を読んでて疑問に思ったけど、今の大学も代返って存在するの?
私が学生だった10年前の時点でも、代返ってすでに存在しなかったんだけど、『もやしもん』では代返のシーンが出てくるし…大学によるのかな。

私の母校では、出欠をとるのはコメントカードでした。名前と学生証番号とコメントを書くの。
場合によっては、このカードに自分の学生証番号が入ったQRコードのシールを貼らないといけない。

ただ、たいていの授業では、出欠はあまり重視されてなかった気がします。コメントカードは自分が考えたことを表明するために存在してた。

もちろん、出欠を重視する授業もあった。語学とゼミ。
そっちのほうは少人数のクラスなので、逆に代返しようがなかった。だって全員の顔がバレてるし。
語学が1番厳しくて、1学期につき3回欠席or遅刻で落第でした(授業は1学期で全15回)

頭のおかしい人が出てくるBLとは

正直、BLに出てくる「頭のおかしい人」って、上には上がいるよね。
「この作品は耐えられたけど、あの作品は耐えられなかった」ってこともよくありまして。

たとえば、宮緒葵の『悪夢のように幸せな』では、自分好みに洗脳して育てた無垢な主人公を、わざと別の男に襲わせ、ボロボロになったところにつけこんで自分のものにするという、ひどい男が出てきましたからね…。
私は平気だったんですが、カスタマーレビューを見ると賛否両論で「私は無理です!」って声もありました。

逆に、吉田珠姫の『鬼畜』は本当に耐えられなくて、最初の20%くらいで読むのを断念して返品しました。無理だった。
まだエロシーン出てなかったけど、その時点で「あっこれ無理だわ」って。

弟✕兄なのは全然平気だったんだけど、開始20%の時点で、すでにこういう展開が積み重なってた。

  • 進学のために兄は祖父母と同居していたが、兄を自分のものにしたい弟は祖父母の家に放火し、祖父母を死なせる
  • 弟は兄と仲の良かった女の子を公衆の面前でこきおろし、恥をかかせる。さらに、彼女をレイプするかもしれないと兄を脅す。
    著者の描写自体も「彼女は都会ではダサく見える」など、しれっとひどい感じ
  • 弟は、兄の顔写真を貼りつけたゲイのポルノ雑誌を、部屋に隠し持っている
  • 弟の異常さに気づきながら、それをまったく止められない両親。特に母親は頭おかしい感じがするけど、父親は母親に服従していて抑止力にならない
  • 弟は母親に溺愛されており、その後押しもあって家庭内で自分の行動をエスカレートさせる

む、無理だった。
特に両親が駄目っていうの、ほんと無理だった。家族全体で兄を犠牲にしてる。
頭のおかしい母親を止められない父親っていうのも、ほんとつらい(生活費を稼いでるのは父親だけど、完全に奴隷だよなこれ)

この著者は私にとって地雷が多い…。
結局は好き嫌いだから、相性なのよね。
逆に、こういうゆがんだBLが読みたかった!っていう人は、ぽちればいいと思います。

春田『俺のパンツが人質にとられています』


こういうラノベっぽいタイトルのBL、直近5年くらいで増えましたねー。
これは小説ではなく、漫画です。

なぜにノーパン

うっかりノーパンで登校してしまい、誰にも見つからないようパンツを履こうとしていたら、後輩に見つかって「誰にもバラされたくなかったら俺の言うこと聞いて下さい」と脅される高校生のお話。

男の子がうっかりノーパンで登校って、そんなに気にすることだろうか…。
わかんないけど。
あ、でも、その子が学校でどういう立ち位置なのかによるよね。

しかし、いくら急いでても、パンツ履き忘れるかなぁ…?

ネカフェのシーン面白かったです。
ネカフェのブースで、主人公がゲイのAVを見せられながら、後輩にセクハラされるという。
ヘッドホンつけてるから、後輩がそっとささやいた言葉は、主人公には聞こえない。

カバー下のイラストや、カバーの折り返し、背表紙、裏表紙なども収録されてました。わーい!