Kindle書評『宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議』と『となりの怪物くん』

本を読むのが楽しい時は、「原稿とか全然書く気ないわー」という心境です。
逆に、書きたい欲求が高まってる時は本を読む気になれないし、「この楽しみは捨てられない!つくるのって楽しい!」って感じになる。
不思議ですね。

そんなわけで本を読むのが楽しいインプット期間に入っております。
感想いってみよー。

吉田たかよし『宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議』


前から自分が好きそうな本だと思っていた1冊。

人体の仕組みにはちゃんと理由がある

地球・生命の歴史と医学の双方を知ることで、人体のさまざまな仕組みがどういう経緯でそうなっているのかを解きほぐしてくれる本です。
一般の読者が興味を持てるよう、いろんなネタを少しずつ紹介している。

月が地球に多大な影響を及ぼしているというのは、よく聞く話ですが、個人的に1番面白かったのは地球の地軸の安定に役立っているという話。

木星は距離は遠いものの巨大な惑星なので、地球にかなりの引力をもたらしています。しかも、ともに太陽の周りを異なる周期で回っているため、木星と地球の距離は、かなり複雑に変化します。
(中略)
月は地球の近くを規則的に回っているため、木星よりはるかに大きな引力を地球に対して均等に及ぼし続けたおかげで、地球の自転軸が傾くのを防いでくれたのです。

ふむ。
火星の衛星であるフォボスとダイモスは、月に比べると圧倒的に小さいため、火星の地軸を安定させるほどの影響力を持っておらず、そのため火星の地軸は「過去1000万年の間に13度から40度と大幅に変化」したとか。
地軸が不安定だと、生命の進化にとっても大きな障害になるそうです。

あと、興味を持ってる人も多いであろう話題のひとつが、炭水化物抜きダイエットについて。
アミノ酸についてのくだりから、著者はこう注意しています。

注意していただきたいのは、ちまたで行われている炭水化物抜きダイエットは、こうした医師や研究者が推奨している食事のあり方からはかけ離れた実態になっているということです。穀物やパンなど主食をまったくとらず、おかずを好きなだけ食べるという過激なケースが多く見られます。

炭水化物を極端に減らし代わりにタンパク質を過剰に燃焼させると、窒素のゴミが体内にたまります。

多くの方がアミノ酸はすばらしいものだからとりすぎても構わないものだと素直に思い込んでいるからです。

あっ、あるあるー!私も耳が痛いー!

とりすぎても大丈夫なわけではない。全然ない。
むしろ、アミノ酸なしでは生命が成り立たないため、人体は無理やりにでもアミノ酸を利用せざるをえないのだ、だから食事法を誤るとかえって健康を損なうのだ、とは著者の談です。

あと、人間は他の動物に比べてガンになりやすいとか(ヒント:巨大な脳)、人体は感染症を防ぐためにわざと貧血になりやすい仕組みになっているとか、他にも面白い話があるよ!

新書だったのですぐ読み終わってしまったのが残念です。
こういうの、もっと読みたい。

ろびこ『となりの怪物くん』全13巻


彼氏がTSUTAYAを利用していた頃、途中までレンタルして読んだことのある少女漫画。
1〜3巻が無料、さらに他の巻もポイント20%還元中だし、完結していたので、大人買いしてしまった。

恋もそうだけど、友情もいっぱいの話

安心して読める漫画だなぁ…というのが、読み終えての感想です。
少女漫画としてよくできてるよー。

最近の若い子は、昔以上に友達や仲間意識を大事にしている(そのせいで関係を壊したくなくて恋愛しづらいケースも多々)と聞きますが、『となりの怪物くん』は友情のお話にもなってるんですよ。

友達なんぞ最初から求めてなくて、早く稼げる大人になろうと決意し、勉強に邁進している主人公の雫。
友達がほしいと思いつつ、周りとうまくかみあわなくてひとりぼっちだった野良犬のような男子・ハルと、男子からは告られまくり女子からは敵視されまくりで友達ができない夏目さん。

雫は他人に興味がないけど、そんな彼女を中心にしてハルや夏目さん、彼らの不器用さをほっとけないササヤン、さらにはクラス委員の大島さんや、お坊ちゃま学校に通うヤマケンとその仲間たちなどが集まって、すったもんだしながら友情と恋の青春ストーリーをくり広げる。

一応、途中で「実はハルと私は住む世界がちがった」的な話も入ってくるんですが、それほど深刻なことにもなりません。
(この手の修羅場ストーリーをBLで読み慣れてると、何も起こらなかったに等しいほど平和な展開)

さらに、恋愛表現もハグとキスどまりなので、望まぬ妊娠だの、昼ドラのようなドロドロした三角関係だのも起こりません。安心して読めます。

ちなみに、途中までは「雫ちゃん、理系っぽい発言が多いけど、稼げる職種って何を目指してるんだろうな」と思ってたんですが、その後「教科として興味があるのは理系だけど、稼ぎたいから法曹関係に行きます」という発言が出てきます。
あ、そうだったのね。

そういえば、少女漫画家で理系科目が得意だった人(あるいは理系っぽい人)って、いるのかな?
なんとなくね、あんまりいなさそうな印象があるのよ。

私も数学は苦手だったし、物理に至っては履修してないし、思いっきり文系の進路だったんですが、少女漫画を読んでいて、
「この漫画の作者は多分、理科や数学のネタが得意じゃないんだろうな」
と感じることが多々あります。なんでやろな。

…物理は、やっとけばよかったって後悔してる…。
大人になってから読んでる本、けっこう物理のネタ多い…。

余談:ポイント還元セールでさらに買い足した本


最初は懐かしきアルフレッド・セイヤー・マハンの海上権力論を買おうとしてたんですが、レビューを見て、
「昔の本だから、諸国の情勢についてのくだりは情報が古いのか。うーん、もうちょい新しい本がいいかも…」
と思ったので、こっちにしました。