Kindle書評『ストーリー・ガール』から『執着チョコレート』まで9冊

2015年のうちに、というか年末の数日のうちに読んだ本の感想、まとめてどーん!
Kindleストアのポイント20%還元セール対象になっている本が多かったです。

ポイント還元対象の本を買っても、すぐには自分のアカウントにポイントがつかないので、何度か商品ページを更新して、ヘッダ部分のポイント表記が増えたのを確認してから次の本を買う…みたいなことをやってました。
すぐにでもポイント使いたいの。

そんな感じでぽちった本の感想、いってみよー。

モンゴメリ『ストーリー・ガール』


『赤毛のアン』と並ぶモンゴメリの代表作、『ストーリー・ガール』シリーズの1冊目。
昔NHKで流れていたドラマ「アボンリーへの道」の原作でもあるそうです。
あのドラマ、ちょくちょく見たことあるけど、すごくよかったなぁ…。ノベライズが、文庫と新書の中間サイズのかわいい本でね…。

プリンス・エドワード島を舞台に、ストーリー・ガールというあだ名で呼ばれる女の子や、いろんな女の子や男の子たちの日々を描いたお話。
それぞれの個性がかぶってなくて、読んでいて楽しい。

ただ、今の日本でストーリー・ガールみたいな子がいたら、嫌われるんだろうなぁ…とは思った。
いつでもどこでも、自分がふと思い浮かんでしまったら、周りにおかまいなしで「私、こんな話を知ってるわ」と語り始めてしまう子だから。

彼女の語りがあまりにもうまくて、大人たちも魔法にかけられたようになってしまうので、皆はそれを許してる。
「あの子は大変な女優になるかもしれないね」って。
けど今の日本が舞台だったら、「すぐに自分の話ばかり」とか「空気読まない」とか言われるだろうなって。

そういう意味では『赤毛のアン』に比べると、余計なことを考えてしまいがちなお話でした。

面白い言い回しがたくさんあったので、ハイライトつけた部分をいくつか紹介してみる。

何もさせてくれないお母さんと何も楽しませてくれない良心なんてひどい組み合わせだって、

厳格なお母さんがいる上に、それに反抗したところで良心がとがめて実際には何ひとつ楽しめないというわけで、常に不幸な女の子。
彼女が自分自身を救える日は来るのか?

あまりきれいなので、ぼくなどは食べるのも忘れて、見とれてしまった。──これは、男の子が提供できる最大のお世辞だ。

せやな。

よもぎをこれからアプルリンギーと呼ぶことにします。スコットランド語ではそう呼ぶのだと、ベバリーが教えてくれました。よもぎなんかよりずうっと詩的に聞こえるでしょう。フェリシティーは、本当の名前は「少年の恋」だって言うんだけど、そんなのばかげてるわ。

最後の「少年の恋」に「ボーイズ・ラブ」というルビがついてて、なるほど本来はそういう意味かと。

松尾豊『人工知能は人間を超えるか』


今の人工知能がどのくらいの進捗状況であるのか。
そして、世間で思われがちな人工知能の「できること、できないこと」「簡単なこと、難しいこと」と実際のところについて、わかりやすく解説しています。

真面目なレビューは他のところでたくさん書いてあるから、個人的に面白かった部分だけ、さらっとおさらい。

高名な科学者ですら、そのような一見すると非合理的(というと失礼だが)な理論を持ち出して人間の特殊性を説明しようとするくらいだから、やはり人間(だけ)が特別な存在であるというのは、誰もがそう願いたいことなのだろう。

進化論が出てきた時も「そんなまさか」と言い、地動説が出てきた時も「そんなまさか」と言い、太陽が宇宙の中心ではないと判明した時も、太陽系が天の川銀河の端っこにあると判明した時も(延々と続く)

自らを維持し、複製できるような生命ができて初めて、自らを保存したいという欲求、自らの複製を増やしたいという欲求が出てくる。それが「征服したい」というような意思につながる。生命の話を抜きにして、人工知能が勝手に意思を持ち始めるかもと危惧するのは滑稽である。

人工知能が発達したら、人間を支配してしまうんじゃないか?という、ありがちな(SFのテーマとしてもよくある)問いかけについて、著者はこう答えている。
なるほど…なるほど…。
あれですね、創作意欲を刺激される指摘ですね。

有名な研究者が、学生時代に何を考えていたのかを聞くのは大変楽しかった。だいたいみんな学生時代はちゃらんぽらんだった。

他にも重要な部分はたくさんあっただろうに、よりによってこんなところにハイライトをつけているとりさん。

服部まゆみ『この闇と光』


幻想的な小説かと思いきや、途中でどんでん返しがある小説。

ネタバレすると駄目だから、といってAmazonのカスタマーレビューで皆さんが口をつぐんでいるため、私も口をつぐんだほうがいいかもしれません。

ただ、前半を読んでいて「あれ?」と引っかかる部分があったら、それがどんでん返しの糸口になるかと思います。
あぁなるほどって思ったもん。

ちなみに、タブレットでこの表紙を見た彼氏から「厨二?」と言われたのですが、そういう内容のお話ではありません。

樋口美沙緒、夏乃あゆみ『ヴァンパイアは我慢できない』1〜2巻



BL漫画。
原作は樋口美沙緒、作画は夏乃あゆみ。

『ヴァンパイアは食わず嫌い』の続きです。
こっちはKindleだと上下巻セットが出てます。セットでおまけもついてるのに、単体とほぼ変わらないお値段。

ヴァンパイアものによくある「ヴァンパイアと、彼らにとって極上の味を持っている人間との恋」という設定ですね。
エロシーンもほとんどない(あっても直接的じゃない)ので、さらっと読める。

主人公(人間)の周囲にいた人々が正体を現し、絶体絶命になったところで以下次号。
3巻で完結しそうだなぁ。

舟斎文子『すれ違いファクター』


ギャグ風味のBL漫画。

幼なじみの三角関係なんだけど、最終的には全員それぞれの相手が見つかってハッピーエンドです。

若干エロシーンが入ってたので、「あ、この漫画、エロありなんだ!」と少し驚きました。
(出てこなさそうな作風だと思ってた)

作中で、少年ジャンプを模したとおぼしき漫画雑誌が「少年シャンプー」という名前になってて笑った。

宮緒葵『悪夢のように幸せな』


BL小説。
執着攻め、腹黒攻めと呼ばれるジャンル…ジャンル?

同じ著者の『地獄の果てまで追いかける』に近い系統です。
それ病んでるよね?頭おかしいよね?というレベルの執着愛。

攻め(あるいはヒーロー)が受け(あるいはヒロイン)に執着しているという設定は、王道というか、テンプレなんですけど、その執着の度合いによって読者の好き嫌いが別れるね。

『悪夢のように幸せな』では、攻めが受けと同居して、なかば保護者のようにふるまいながら、受けの無垢さ(無知ともいう)につけこんで、「これが普通なんだよ、誰でもやってるんだよ」と洗脳していく。
さらに、わざと受けが他の男にレイプされて傷つくように仕組む。

あれです。「好きになった相手を壊してでも自分の支配下に入れたい」系です。
頭おかしいですねー。

BLでは、受けが他の男に狙われるという展開はしばしば見受けられるのですが、
「カップル以外の相手と関係を持ってしまうのは駄目」
「本当に他の相手からレイプされてしまうのは許せない」
という読者も多いため(一棒一穴主義)、本命以外の男にバックバージンを奪われるという展開は珍しい。

しかもそれが本命の男の策略というのは、けっこう読者を選ぶ病み展開です。
私は割と平気だった…。
(同じような展開でも、作者の文体によってはうんざりして最後まで読めないこともある)

宮緒葵『掌の檻』


同じ著者で、同じく執着攻めの腹黒攻め。あと監禁。

『悪夢のように幸せな』は、ちょっと児童虐待に近いんじゃないかと思える展開だったのですが、こっちは本来なら対等であったはずの大人同士なので、また別の展開を迎えます。

信じていたはずの友達に罪をかぶせられ、ヤクザの脅迫を受けて仕事もままならない状態になっていた主人公。
そこへ、高校時代の同級生が、立派な弁護士となって現れ…。

直接的な洗脳ではなく、弱っている相手をかくまって、そのへんで手に入る食べ物が舌に合わなくなるようなおいしい食事を与え、面倒なことや厄介なことをすべて引き受けて「きみは休めばいいんだよ」とやさしくすることで、相手を束縛していくやり方。

主人公は自主的に檻の中へ戻ってしまったけど、年をとったらどうすんだ。
(この手の話を読むたびに浮かぶ疑問)

夜光花『君と濡れる』


ホラー風味のBL小説。
カスタマーレビューで「ホラーだった。怖い」という感想を見て、ずっと買うのをためらっていた1冊。

心霊現象が思ったほど長続きしなくて、すんなり最後まで読み通せたのでほっとしました。
…あれ?思ったよりエロシーンもホラーなシーンもあっさり読めちゃったな?と。

ただ単に、私がこの作家に慣れてしまったのかもしれないね。

葵居ゆゆ『執着チョコレート』


執着攻めのBL小説。記憶喪失もの。途中で監禁あり。
タイトルが直球ストレート!

カスタマーレビューにもあるとおり、記憶喪失ネタで引っ張るのは前半まで。
その後は監禁されてのあれやこれやです。

他の執着攻めが軒並み腹黒(というか頭おかしい)だったのに対して、こっちはまだマイルドです。
ちょっと思いつめちゃってるし、周りが見えなくなってるけど、最後は我に返って、お互いに自分の仕事をしながら対等につきあっていく道を選びますしね…。
(他の腹黒攻めがマジで頭おかしい)

個人的には、こっちの話のほうが好きでした。

余談

読みかけの本、残り2冊。

Kindle沼にドボンして約3年、ようやく積ん読の消化が終わりそうです。