Kindle書評『History』『ネガティヴ・ケイパビリティ』(イアン・ワージング シリーズ)

やせているので、自分のウエストに合うスカートがなかなか見つかりません。
先日、ちょうど合うスカートを見つけて、しかも2000円だったので即買いしたんですけど、履いてみたら思ったより短かった。

あれ…?試着室では問題ないと思ったんだけどな…。
なんかこう、しゃがんだ時にちょっとお尻のほうが気になる。
他に持ってる膝上の丈のスカートに比べて、ほんの2cmほど短いだけなんですけど、その2cmがけっこうでかい。

お前は女子高生気取りか、と自分自身にツッコミを入れながら履いている鳥居とりさん32歳。
ちなみに、手持ちのスカートの中で1番ウエストが細いものは、17歳の時に買ってもらったシロモノです。まだ履いてるよ。

今回は同じ著者によるKDP本の感想です。というか、シリーズものだった!
1冊1冊のタイトルが長かったので、記事タイトルでは副題を省略してしまいました、ごめんなさい。
いってみよー。

牛乃あゆみ『History: 低体温男子イアン・ワージングのハロウィーン』


普段は同人誌のほうで創作JUNE・創作BL(で合ってるよね?)を出しておられる牛乃あゆみさんが、久々にKDPでもリリース!
多分、牛乃さんのKDP本は、英語版以外だと全部読んでるんじゃないかな、私…。

破局した恋の話

イアン・ワージングという男性が主人公のシリーズです。
適当にこっちから読み始めたけど、多分そんなに(今のところは)順番とか気にせず読んでも大丈夫そう。

一応、ジャンルとしてはBL小説になるんですけど、BLというよりもM/Mロマンスに近いです。
(牛乃さんは「マイルドBL」と書いておられました)

※M/Mロマンスについては以前ちらっと書きました。
ゲイを主人公にした(主に北米の)ロマンス小説で、実際にゲイの作家が書いてたりする。

さて、この『History』は、M/Mロマンスといっても、すでに終わった恋の話です。
主人公のイアンが長年つきあった恋人との出会いと、別れて生々しく傷ついた日々。
2006年と2015年、それぞれの年のハロウィーンの様子を交互に描きながら、その様子がつづられます。

そんなわけなので、ハッピーエンドが好きな人にとっては、しょんぼりするお話だと思う。
ゲイであるゆえに「自分は普通ではないのだ」と思い、自己嫌悪するというリアルな展開もあるし。
(そのせいで事態が悪化する)

私も淋しい気持ちになりましたが、最近はこういう静かでマイルドな(つまり本当に身近でありそうな)お話も好きになってきました。
もちろん、ファンタジー100%な設定のBLも面白いから好きなんだけど。

ところで、牛乃さんはどうやってePUBファイルをつくっておられるのでしょう?
目次の見出しに「字下げ目次」と書いてあって、「字下げ」の部分が白文字になってました。
私はKindleの背景色をセピアにして読んでいるので、白文字の部分が消えず、見えてしまいました…。

「でんでんコンバーター」だと、普通に全角スペースを3個入れるだけで、3文字分を字下げできるはずだけど。
手作業でePUB化する場合は、CSS直書きでtext-indentもしくはmargin-right(横書きの場合)の3emにすれば、うまくいくんじゃないかなぁ。

牛乃あゆみ『ネガティヴ・ケイパビリティ: 絶食系男子イアン・ワージングのレイライン紀行』分冊版 上中下巻




そして、こちらが同じイアン・ワージングを主人公にした、もうちょい長めのお話。

無料キャンペーンをしていたのが分冊版の上巻だったので、私は分冊版を読みましたが、1冊にまとめたバージョンもあります。

海外ドラマで見てみたい

長年の恋人と別れ、傷心のイアン・ワージング。
余計なことを考えたくなくて、あまり乗り気ではなかった仕事を引き受け(ライターです)、とある田舎の村へ、ストーン・サークルの取材にやってきます。

乗り気になれない仕事、ノリのちがう村人たち、そして今まで自分の周りにいなかったタイプの男性マーク・ストーン。
のっけから失敗の連続で、これは駄目かと思ったものの、なんとかイアンはマークの助けを借りて、記事を書くための取材を始めるのですが…。

いい話だったわ。
出会って、別れて、仕事して、好意を持って、傷ついて、傷つけられて、それでもひとりひとりの人生は進んでいく。
ちゃんとストーリーに起伏があって、M/Mロマンスになってて、本当にどこかに彼らが生きてそうな感じ。海外ドラマになってそう。
このシリーズの続きが読みたいなぁ。

ただ、1ヶ所、「これは横書きのほうがよかっただろうな…」という部分がありました。
「さらなる秘密」で、けっこう長い場面(回想シーン)が斜体になってて、1行すべて全角ダッシュになってる部分も斜体だったもので…。
縦書きの斜体って、読みにくいんだね…。

しかし、牛乃さん、さすがの安定感です。
牛乃さんの書くBLなら(ホラーでなければ)面白いだろう、BL要素抜きでも楽しめるお話にちがいない、って確信しながら買ってるもの。
(個人的にホラーが苦手で…)

それと海外の小説っぽいなと思ったのは、ちょくちょくユーモアを挟んでくるところですね。
ちょうど牛乃さんが、本文中の会話の一部をツイートで紹介しておられたので、引用してみましょう。


会話の部分はハイライトがつけにくいので(複数行に渡るため)、自分ではハイライトしなかったんですけど、ここ読んだ時、ニヤッて笑ったからね!

あとがきも興味深かったです。

その後、リアルの若いゲイの方には「添い寝やハグで充分」という方たちも出てきていると知り、

…草食系男子という言葉が世に知られて久しいですが、恐らくノンケの世界に限ったことではないのでしょう。
以前からそういう男性たちは存在したはずだけど、最近になって可視化されてきたんだと思う。

私が実際にゲイの方々の声を見聞きした範囲でも、
「真剣につきあえる彼氏がほしい。一夜限りとか求めてない」
「性指向はゲイだけど、恋愛したいと思わないし、ハッテン場にも興味ない。BLを読めば気が済む」
「彼氏ができても挿入とかはしない。くっついて寝るだけ」
など、いろんな人がいましたし。

余談:今読んでいる本

青空文庫で、柳田国男の『野鳥雑記』を読んでる。

2015年12月13日13:10追記

牛乃あゆみさんがお返事?の記事を書いて下さいましたよー。