Kindle書評『ねぇ、その出版楽しいの?』と鳥居とりさんのKDP事情

丸木戸サキさんが、KDPやってみてこうだったよ!という内容をしたためたエッセイ、ぽちって一気読みしたでござる。
というわけで、その感想を書くついでに、ツッコミとか、あとづけ座談会みたいな感じで「私はこうでした!」てな自分の話も書いてみようと思います。

いってみよー。

丸木戸サキ『ねぇ、その出版楽しいの?』


現在、無料キャンペーン中です。

タロット本でおなじみ、丸木戸サキさん。
本業(プログラマー)の他に、イベント会場でタロット占い師としても活動しているそうです。

私の本も何冊かぽちって読んでいただいてます。ありがたいですね!

KWLについて

丸木戸サキさん、以前はKWL(楽天Kobo版のKDP)にも出しておられたそうなんですが、複数のストアで自分の本をいちいち実機チェックするのがめっちゃくちゃ面倒だったので、今はKDPのみで販売しているそうです。

すっげー…毎回、KDPだけでも3種類の端末で実機チェックしてるそうですよ!
私、Kindle Fire HDXしか使ってないよ!

私が楽天Koboを使っていないのは、前職のネットショップで楽天に出店していたため、楽天に対していろいろ微妙な思いがあるからです。
あまり好きになれないし、ちょっと不信感がある…。

また、BOOK☆WALKERさんから「うちの電子書籍ストアで配信しませんか?貴殿のこの本は、うちで売れると思いますよ」という旨の連絡を、メールフォームでいただいたこともあります。
こっちはただ単に面倒だったので、今のところ配信は考えておりません…。

そりゃもちろん、読む人の利便性を考えたら、複数のストアで展開したほうがいいと思う。リスクも分散できるし。
ただ、まぁ、専業でやってるわけじゃないってのもあって、面倒くさいと思っちゃうのは事実。

それと、複数のストアで手間かけて配信する時間があったら、私は次の新刊を書きたいです。
今、4〜5冊分の原稿が同時進行だし。
(基本的に、いつも複数の原稿をやってる。飽きっぽいから!)

KDPセレクトについて

複数のストアで展開するかどうかの問題絡みで、KDPセレクトについて。
丸木戸サキさんと同じく、私もKDPセレクトを利用しております。そりゃKDPでしか展開してないんだから、使わない手はないよな…。

特にエッセイの場合(売れ筋の本はほとんどがエッセイです)、100円の本なのに、わざわざレンタルで読んでくれる人が毎月おられるわけですよ。
んで、その分の印税も入ってくるわけですよ。
ありがたいわー。

出版することについて

ライブハウスに足を運ぶ機会が多く、そこでいろんな人たちと交流し、占い師としても活動している丸木戸サキさん。
そのため、かつて紙の書籍をそういうイベントで販売したり、バンドマンの人と名刺がわりに交換したりしていたそうです。

私も20代前半、同人誌を出して遊んでました。
えぇ、二次創作から始まってオリジナルの百合もJUNEも谷山浩子ファンブックもやってました…。
楽しいよね、自分の本が形になると。

私が人生で初めてつくった本は、幼稚園で描いたアイスクリームの絵本でした。
その後、ほどなく家でも、チラシの裏になんか文章を書こうとしてたような記憶がある。水色のチラシだったなー。

小学生の頃は誕生日のたびに、かわいく、あるいはおしゃれに装丁された、本の形をした日記帳をプレゼントとして買ってもらい、それに小説を書いて、自分の本をつくって遊んでました。
この遊びがものすごく好きだった。とにかく本をつくりたかった。

中学生になると大学ノートに書いて、1冊書き上げるたびに友達に読んでもらってた。
高校生になると、ノートPCでカタカタ書いて、プリントアウトしてやっぱり友達に読んでもらってた。
面白いことに、中学でも高校でも、私の本を毎回楽しんで読んでくれる友達がそれぞれ見つかったのね。

大学生の頃には、「作家になるのは無理だな」と考えて(想像以上に面倒くさそうだった)、サイトやブログで気が向いた時に連載する程度に落ち着いてました。
(出版社で働こうとは思ってなかった。生活のリズムが相当乱れそうだったから…)

それがまぁ、同人誌を出すようになり、彼氏ができて引退したと思ったら数年後にKDPが始まり、性懲りもなく本という形で自分の作品を出してみたくなっちゃって、今に至るわけですよ。

丸木戸サキさんみたいに「あこがれの人に近づきたい」「自分は自分の場所をこうしてつくりたい」という気持ちがあって出版したというよりも、単に「本が好きなので、自分でも本を出したくなった」って感じかな…。

あと、大人になってからも、私の作品を面白がって読んでくれる友達がちょくちょく増えていったんだけど、谷山浩子ファンのオフ会で知り合った人たちが多かったので、ほとんどが首都圏にお住まいだったんですよね。
紙の同人誌とちがって、KDPなら読みたい時に各自がぽちってダウンロードできるし、便利やん!っていう理由も大きかったです。

紙の同人誌みたいに、毎回2〜3万の赤字が発生することもないし、在庫に悩むこともないし…!

題材について

売れるものをつくりたいなら、何が売れるのか分析して書けばいいと思うんですよ。

でも、なんかとにかく本を出してみたいなら、自分が書きたいものを書いて出せばいいと思います。丸木戸さんと同意見です。

だって同人誌だってそうでしょ。自分が出したいから出すんだし。
私が初期の頃に出してた二次創作の同人誌は、マイナーCPだったので他にお仲間がいなくて淋しかったんですけど、私が出さないと誰も出してくれないから、出してましたよ。

個人作家の信頼について

KDPについてのエッセイを出そうと思いついてから1年くらい、丸木戸さんは「この本を出していいんだろうか」と悩んでいたそうですよ。
小説を書いてる人間が、こんな内容のエッセイに手を出していいのか?信頼を失うんじゃないか?って。

ま、真面目ですね!
私そんなの一瞬も悩んだことないよ!\(^o^)/

私が悩んだのは、「このタイミングでBL小説は出さないほうがいいかな」とか、そっち方面です。
職場の人にブログ見られてましたからね…。

資料について

実はほとんど資料を集めません。

資料を集めずにどうやって書くんだよと思われるかもしれませんが、基本的に、「自分が知ってる範囲のことしか書かない」のです。
ただ、過去に読んだ本の数々の内容を覚えていて、結果的に資料となっていることは非常に多い。宗教も神話も民話も動物学も天文学も。

たとえば『ストロベリー・ハニー・ジンジャー』は、天女の設定を考える際、翼があって空を飛ぶから鳥に似ているはずだよなと思って、『鳥類学』などの内容の記憶を参考にしました。

ネットでわかる内容だったら、ネットで調べます。
歴史物だったらそんな手抜きは絶対に無理だけど、エッセイだと自分の思い出話を書いていることが多いから、その程度の調査で済んだりするわけです。

取材はしたことないなぁ。
ただ、身の回りにいる人たちの話を参考にしたことは多い。あれこれ面白がってると、いろんな人に知り合うし、いろんな話を聞けるから。

表紙について

言うまでもないですね。自分でつくってます。
デザイナーではないけど、そっち方面に近い仕事をしていたので、まったくの素人というわけでもなく…。

丸木戸さん、気が向いたら、是非お申しつけ下さい(・ω・)
Amazonギフト券2000〜5000円までの範囲で承ります\(^o^)/

値段について

私は1番高いものでも150円なので(実験的につけてみた値段だった)、印税はすべて35%です。
1冊あたり30円くらいしか入ってこない。

なんでその値段なのかというと、もともと長い話があまり書けないから。
シリーズで出していたものを合冊版として出し直せば、そっちのほうは250円とか300円とか値段をつけて印税70%で売れるかもしれませんが、そもそも合冊版で出せる本が存在しないよ!
(唯一、3巻以上になっている百合小説は、完結していないのでどうしようもない)

もともと紙の同人誌も赤字の値段設定だったのに加えて、
「同人誌で一緒に収録していたイラストや、他の作家さんからの寄稿分は、KDPに入ってないから」
という事情もあり、100円ちょいの値段をつけることに悩みはありませんでした。

短い本を100円ちょいでぽちって、スマホですきま時間にさくっと読む、というライフスタイルを狙ってる。

売れ方、読まれ方について

正直な話、私はKDPの売上もあまりチェックしてません。月に何回か見るくらい。毎日は見ない。

しかし丸木戸さんは、レンタルで読まれたページ数の推移をちゃんとチェックしておられるようです。な、なんと真面目な…(2回目)

丸木戸さんは今も積極的に無料キャンペーンを使っておられますが、私は原則的にやらないと決めております。
過去に2回、きんどうさんの企画に便乗してやってみたけど、あれで気が済んだ。

本なんて、それが合う人、必要としている人に読んでもらえたら、それでいいと思ってるんだけど、無料の場合は合う・合わないをあまり考えず適当にダウンロードされることが多いので(そして読まれなかったりする)、あまり無料にしたくないです。
しょせん同人誌だから、合う人にだけ届けばいいんだよ。

あと、ブログ経由での売上がけっこう大きいんですよね。
かくれんぼ戦略は、はてぶやSNSであまり拡散しないため、爆発的にアクセスを稼ぐことはありません。
ただ、リピーターは一定数ついてる。

新刊を出すと、たいてい初日の売上はブログ経由が多いです。
そういうこともあって、あまり売れ方とかレビューの少なさとか気にしてなくて、ブログのファンの人が面白がってくれたらいいやーって感じ。

もちろん、ブログのファンなんて不定期に入れ替わっていくものだから、あてにしちゃいけないと思ってる。
捨てたい病やシンプルライフやミニマリスト関連の話が売れることはわかってるけど、もう書かないと宣言したのでラクになりました。
自分が書く気のうせたものを書いても意味ないし、書く気になれないし、そのせいで離れていく人がいても、それは仕方ない。その人の中で、私のコンテンツに対する需要が終わっただけ。

レビューについて

丸木戸さんみたいに、レビューがつくという夢は見たことないですw
レビューに限らず、KDP関連の夢は1度も見たことない。

もともと最初は友達に読んでもらえればいいと思ってKDPをやってたから、友達はSNSで直接私に感想をくれるわけですよ。
だから、レビューがついてるかどうか見てなかったし、今もめったに見ない。そんなに増えないもん。

肩書きについて

作家です、と名乗るのがおこがましくて、なかなか名乗りづらいという丸木戸さん。
わかるわかるわかる、むしろ私はブロガーですと名乗ることすらできない…!

名刺も持ってないし、オフ会もあんま行かないし、行ったとしても「かくれんぼ戦略の、とりです」と名乗っておしまい。

転職活動中の面接では「趣味で、Amazonにて電子書籍を出して遊んでます」と言うことが多かったです。
めっちゃ食いつかれて、いろいろ詳しく聞かれたこともある。
(うちのブログを事前にめっちゃくちゃ読みふけって、面接であれこれ質問して下さった会社が、いくつかありました。そのうちのひとつが、今の職場です)

ご褒美について

そういえば、レビューがついた!とか、売上がこんだけ増えた!とか、そういう時にご褒美と称して何か買ったり飲み食いしたこと、あったかな。
なかった気がする。

「褒められました!うれしいです!」とか、「見て見て!こんなに売れた!」とか言いながら彼氏にモニタを見せて、「よかったねー」と言われて、そんだけでした。
…なんでそんなに淡白なのだ。

ちなみに、丸木戸さんの本を読んで「えっ、そんなグラフもチェックできたのか!」と驚きまして、KDPの売上レポートを見にいきました。
気づくの遅すぎんだろ!
(…グラフ見たら、過去90日間、毎日何かしら1冊は売れてた。怖い)

お金の話

丸木戸さんは、一連のタロット本を、ちゃんと「売る」つもりで狙って書いて、販売して、実際に大当たりしたそうです。
そりゃ売れるわと思ったもん。こういうのって、なかなか他に見当たらないけど、ニッチだから刺さるでしょ。

えらいわー…。
売れるのを狙って書いた本、私1冊もないわー…。

正直に言うと、捨てたい病エッセイの第2弾は「第1弾が売れたから、今回も売れそうだな」くらいには思ってたけど。
ぶっちゃけ、もしかして売れるかも?と思った本と、実際に売れる本はなかなか一致しーひんかったわー。
最近ようやく「エッセイのほうが私は売れるな」と気づいた程度です。

なんていうかね、本の内容の巧拙(うまい・へた)と、売れる・売れないって、比例しないんだなぁと思った。
面白い本だけど、すごい本だけど、手にとりづらいという理由で売れてない。そういうのはKDPでも腐るほどある感じ。実用書やエッセイは、小説よりも手にとってもらいやすい。

最後に

丸木戸さん、タロット本の次は、何を仕掛けてくるのかなー?
楽しみですね。

私はひとまず、2015年末(あと1ヶ月しかない)〜2016年いっぱいのあいだに、エッセイを4冊ほど投げこむ予定です。
売れるかどうかは知らん!

私はいまだにKDPなんて同人誌感覚だし、電子版のコミティアがでっかくなったみたいなノリで楽しんじゃえばいいと思ってますよ。