Kindle書評『わかりあえないことから』と『Tales from Moominvalley』

洋書を読んでいると、日本語の本よりもかなり時間がかかります。
おかげでAmazonギフト券の残高があまり減らない。

でも11月13日と11月20日は、立て続けにシリーズものの漫画がKindleでリリースされるよ!楽しみ!
(すでに予約した)

12月も何冊か漫画が出るけど、Kindle版と同発じゃないかもしれないので、あまり期待せずに待ちます。

というわけで読み終わった本の感想いってみよー。

平田オリザ『わかりあえないことから』


興味があったところ、ちょうどポイント還元の対象だったため、ぽちっとな。
コミュニケーション能力ってなんだよ?という人に是非どうぞ。

したたかに生きよ

著者はしばらく前から、演劇を通して子どもたちにコミュニケーション能力を身につけさせるべく、教育現場に携わっているらしい。

しかし、コミュニケーション能力というものについて、日本では天賦の才のように思われることが多く、「俺はコミュ障だから駄目だ」みたいに早い段階で絶望してしまう人たちもいる。
それについて、著者はこう言っています。

世間でコミュニケーション能力と呼ばれるものの大半は、スキルやマナーの問題と捉えて解決できる。だとすればそれは、教育可能な事柄となる。

コミュニケーション教育は、ペラペラと口のうまい子どもを作る教育ではない。口べたな子でも、現代社会で生きていくための最低限の能力を身につけさせるための教育だ。

見知らぬ他人とコミュニケーションをとる場面で、どんな風に話しかけるのか。あるいは、言葉以外にどんな表現をするのか。
AIやロボットなどの話も出てきて、なかなか興味深いです。

そういった「伝える技術」をどれだけ教え込もうとしたところで、「伝えたい」という気持ちが子どもの側にないのなら、その技術は定着していかない。では、その「伝えたい」という気持ちはどこから来るのだろう。私は、それは、「伝わらない」という経験からしか来ないのではないかと思う。

コミュニケーションに限らない話ですよね、これ。
何もかも満たされてたら、欲求って生まれない。
自分の意図を先回りして汲み取ってくれる両親と、似たような価値観でだらだらしゃべれる友達が周りにいたら、きっとわざわざ伝える努力なんてしない。阿吽の呼吸でなんとなーくいっちゃうから。

ただ、そういう状態のまま大人になってしまうと、もちろん就活の時に苦労します。
面接の場にいるのは両親でも友達でもない完全な他人だし、その人と意思疎通しないと内定はとれません。就職後も、周りの人全員がそういう他人です。

欧米のコミュニケーションが、とりたてて優れているわけでもない。だが多数派は向こうだ。多数派の理屈を学んでおいて損はない

そうなのよね。
しょせん習得可能な技術だからこそ、「いい・悪い」じゃなくて「有利・不利」「損・得」で考えて、もっとドライに構えた方がラクだろうなって思う。

いい子を演じることに疲れない子どもを作ることが、教育の目的ではなかったか。あるいは、できることなら、いい子を演じるのを楽しむほどのしたたかな子どもを作りたい。

私がこの本を読もうと思った理由のひとつは、この部分でした。
昔、少女漫画で死ぬほどこういうテーマのストーリーがあったですよね。いい子を演じて疲れちゃう的な。今も多いのかな?
でも「本当の自分」なんて幻想だし、存在しないし、子どもの頃は学校の存在がすごく大きかったけど、実際は学校なんてたいしたもんじゃないし、社会だってそんなもんです。

誰だって、TPOに合わせて自分が「ふさわしい」と思う姿を演じているだけなのです。
だから確かに、演劇の体験はコミュニケーション能力について考える大きなヒントになりそうだ。

Tove Jansson『Tales from Moominvalley』


『ムーミン谷の仲間たち』の英語版。
今探してみたら、なぜかKindle版が2種類ありました。
私がぽちったのは2003年に出たPuffin社のバージョンなんですが、安いのは2014年に出たFarrar, Straus and Girouxバージョンの方だったので、そっちへのリンクを貼っておきます。

これは子どもの頃から何度も読んだことがある本で、日本語のKindle版も持っているため、「この表現は、英語だとこういう風に訳してあるのか」と記憶を頼りに比較しながら読み進めました。
知ってる本なので、お話そのものではなく、洋書自体の感想について書きますね。

洋書はKindleがおすすめかも

Kindleで洋書を読むと、大変読みやすいことに気づきました。

特にスマホのアプリだと、画面が小さいから、どこまで読んだか見失わないんですよ。
文字サイズも変更できるし。

母国語ではない文章を読んでると、途中から再開する時に「どこまで読んだっけ?」ってなりやすいんですよね。
日本語の文章だと、無意識のうちにサーッと目を走らせて「あ、ここからだ」って気づいて何の支障もなく読み始めるんですけど、英語や中国語だとそうはいかない。

でも、画面が小さいので、きりのいいところまで読みやすいし、「1行が長すぎてどこまで読んだかわからなくなる」という心配もないのです。
いやマジで…紙の本で洋書を読んでると、1行をページの端まで読んで折り返した時、とっさに次はどの行を読めばいいか、わからなくなることがあって…。

わからない単語はタップして色をつけると、その場でWikipediaや辞書を参照して翻訳してくれます。

さらに、「Word Wise」という機能をONにしておけば、適宜、難しそうな単語には英訳をつけてくれるよ。
kindlelang
ただ、これが自分の知りたい単語とはズレてることが多くて、「いや、その単語の意味は知ってる…そんなことより別の単語の意味を教えてくれ…」と思いました。
この機能が反応する単語の難易度は、本によって異なるみたいです。
子ども向けの本でも、この機能が頻繁に出てくる本と、ほとんど出てこない本がある。

余談:現在読んでいる本

積んでいた洋書を消化中です。

これも子どもの頃に日本語版を読んだ。
あと、学生時代に紙の本で洋書を読んだことがあるはず。

なぜかKindleストアから消えている…ロアルド・ダールの他の本はあるのに…。