Kindle書評『狂気とバブル』『記憶の森の魔女』『ア・ピース・オブ・ケイク』

積ん読を順調に片づけていった結果、残っている本が、

  • 専門用語のオンパレードで読み進めづらい
  • 洋書

になってきました。てごわい。

でも、なんとなく気が向いてぽちった本は、そのまま一気に読めちゃうのよねー。
積まない本は全然積まない。

本日は、KDP本を含む3冊の感想です。
いってみよー。

チャールズ・マッケイ『狂気とバブル』


以前、セールで400円くらいになっていて、ぽちった1冊。
なんと19世紀の本です。1852年。

クレイジーな実話がいっぱい(ただし褒め言葉ではない)

これは…なかなか…えぇ、長いので暇つぶしにはもってこいなんですが、なかなか…うんざりする話が多いです。

帯に「集団妄想と群衆の狂気」と書かれているだけあって、ひたすらその事例(主にヨーロッパの歴史的に有名な事例)が延々と登場する。
チューリップバブルとか、大言壮語だけで実態もないのにガンガン値上がりしていった株券とか、大金と時間を無駄に費やした錬金術、でっちあげられた幽霊屋敷、遠征が始まる前から放蕩に明け暮れていた十字軍、お芝居で見た大泥棒の冒険に触発されて盗みを働く少年たち、科学の顔をした怪しげな治療法などなど…。

1番しんどかったのは、第14章の魔女狩りの話。
ちょっと愛想がなくて顔がブサイクだというだけで、「あの女と目が合ったあとにケガをした。あいつは魔女にちがいない。あいつが俺に呪いをかけたんだ」などと訴えを起こされて、訴えられたらほぼ確実に助かる見込みはない。拷問のあとで、生きたまま火あぶりにされる。
恐ろしい時代だよ…。

魔女が火あぶりになればなるほど、火刑を宣告される者は増えていき、やがて年を取るまで生を全うしたいというのが、貧民層の女や卑しい職業に就く女たちの共通の祈りとなっていた。絞首台か火刑台に送るには、高齢、貧困、精神障害というだけで十分だったのだ。

魔女罪で無罪判決が言い渡されたケースは、わずか数例が記録に残っているだけである。

美人だという理由で人の注目を集めてしまって魔女扱いされるケースもあったらしいんですけど、基本的に「外見が醜いということは、悪魔とかかわりがあるのだ」的な発想で告発されやすかったみたい。
どんだけ残酷な世界なんだ。

現代のエセ科学にも通じるものがあったりして、うわぁ…と思いながら読みました。
UFOとか、ホメオパシーとか、ありがとうと言えば氷の結晶が美しくなるとか、酵素を飲めば健康になれるとか、サブプライムローンとか、永久機関とか、そういうものと根っこは同じなんだろうな。

くみた柑『記憶の森の魔女』


KDPをやっている、くみたさんの本。
ブログは読んだことがあるんだけど、そういえば本を読んだことがなかった…と思って、著作一覧からジャケ買いしました。
表紙は!大事だよ!!

ここはどこ?魔女は誰?

これ、タイトルがいいよなーと思って読み始めた。
日常っぽいファンタジーでも、本格的なファンタジーでも、両方に対応できますね。

ミステリを読む時も謎解きせずに読むタイプのわたくしめ、からくりに全然気づかなくて、最後の方の種明かしでようやくわかりました。そういうことね!

でも詳しい感想を言うと激しくネタバレになる…ので、やめておきます。
「魔女は自分自身のことだったんだなぁ」って思った。

あとがきを読んで、「あぁ、本人も周囲も大変ですよねぇ…我が家も大変だったもんな…」と思い出しました。
くみたさんの経験からは『記憶の森の魔女』が生まれたわけですが、もうちょっと距離のある立場で見ていた私から出てきたものは『Knoe(クノエ)』の最後に収録した「Dreamer’s Real Life」でした。ひどい。
(「この主人公は嫌いだ」という感想をたくさんいただきました。好かれる話にしようと思ってなかったので当然だけど)

ネタバレしないように書くと、ほのめかすような感想になっちゃうね。
どういう意味?って思った人は、『記憶の森の魔女』を読みましょう!

誤記は2ヶ所。

あと、縦書きで数字が漢数字じゃなくてアラビア数字(全角)になってるのは珍しいなと思いました。漢数字を遣っている部分もあったので、これはどういう基準で使い分けてるんだろう。
1桁はアラビア数字で、2桁は漢数字なのかな?って思ったけど、「二人」と「2人」が混在していたので、そうでもなさそう。

晋太郎『ア・ピース・オブ・ケイク』


私の中では『天使たちのシーン』が殿堂入りを果たした晋太郎(シンタロール)さんの短編集。

さらりと流れていく日常のひとこま(ちょっとおしゃれ)

短編集は手にとりやすいから、いいね。気軽に読めるよ。

お散歩に出かけて、木陰のベンチに腰かけてスマホでぽちって読み始めたら、最後まで読んじゃいました。

#梅小路公園

ToLiさん(@tolitorey)が投稿した写真 –

一応、BL短編集ということになってるけど、エロシーンはないので、苦手な人も大丈夫です。
ただ、主人公がゲイで、恋人がいたり、いなかったり、恋をしたり、失恋したりしてる。そういう日常の話。
なんだか好き。散歩中とか、通勤中とか、そういう時に読みたい感じの短編集でした。

特にこの短編が好き!みたいなのはなかったんですが、全体的にどことなく都会的でハイソサエティ(死語)な空気が漂ってて、こういうお話も書くんだ!と驚きましたよ。晋太郎さんは野球部の話のイメージが強かったんで…。
(あ、でも野球部員の短編も入ってたよ)

音楽、小説、地名、専門用語、そしてちょっとおしゃれな生活用品の名前などがたっぷりと散りばめられていたので、読みながら刺激されていろんなものを連想しました。

たとえば、

アチェレランドに駆け足を

という表現を読んで、
「音楽で速度を表す用語だったっけ。『だんだん速く』とかそういう意味の…そういえば同じタイトルのSF小説があったなぁ…めまぐるしいお話だったなぁ…」
と思い出したり。

エヴァーグリーンな、日常

という表現を読んで、すぐさま谷山浩子の「息を深く吸う森」という歌が脳内を流れ始めたり。

個人的に1番ウケたのは、下記のくだり。

「俺が脱いだのは服じゃなくて、軋轢だよ!」
僕のポロシャツはそんな名前じゃない。

こういう、うまいこと言ってやった的な台詞と、それに対する内心のツッコミというやりとり。
思わずニヤッとするよね。

誤記は2ヶ所。
→2015年10月26日夜に修正して下さったそうです。

余談:読書のおとも

ブレンディの粉末スティック「ほうじ茶オレ」が、生産終了してしまったようです。大好きだったのに、悲しい…。

…自分でつくればいいじゃない!
ということで、試してみました。

  1. マグカップに、ほうじ茶のティーバッグで、お茶をいれる
  2. お好みで砂糖を混ぜる(例:角砂糖1個)
  3. お好みでミルクを混ぜる(例:ほうじ茶1に対してミルク3)
  4. マグカップをレンジでチンする(例:500Wで1分)

もっと甘いのがよかったら、砂糖を増やしたり、はちみつで代用してもよさそう。
甘いお菓子を食べる時は、砂糖をやめれば、ちょうどいいと思います。