Kindle書評『31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる』と『海民と日本社会』

積ん読している本、サンプルをダウンロードした本だけ、スマホのKindleアプリに落としました。

読み終えて、気が済んだ or ブログに書けた本は、端末から削除する。
だいぶ片づいてきたなぁ。うれしい。

…洋書はまだダウンロードしてないけど。全然手をつけてないけど。

というわけで読み終えた日本語の本の感想、いってみよー。

御手洗直子『31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる』


本日発売!(紙の本は明日発売予定)
『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』の続編で、今度は旦那さんの婚活の話を聞いて漫画化したものです。

ファッションは最初、人に聞くのが早いと思う

相変わらず面白い。
身近なネタ(悲しいネタ、切ないネタ、疲れたネタ)を笑いに昇華しつつ、なんか前向きな気持ちにさせてくれます。

30歳を超えてから、「これではいかん、女の子と話せるようにならねば」と婚活サイトに登録したゲームプログラマーのトリ肉さん。
(ハンドルネームがトリ肉って…!)

数撃ちゃ当たる方式で女性に送るメールをプログラミングして自動化したり、「俺の悪いところはどこ?!」と女性に聞いてみたり、そこからファッションの改善やダイエットに挑んだり。

特に「メールを送っても無視される」、「デートにこぎつけても音信不通になるという形でお断りされる」あたりのくだりは、心が折れて婚活をやめる人も大勢いるだろうなーと思いました。そりゃしんどいわ…。

ファッションの部分は、臆せずお店の人に聞けばよかったんじゃないかなーと思う。
よくわからない服を買ってしまったり、マネキンが着てる一式を買ったはいいけどそれ以外の組み合わせができなかったり、買ってもお手入れができなくて駄目にしてしまったり…っていうの、実はお店の人に相談できるからさ。

特に男性は恥ずかしくて店員さんに聞けない人が多いかもしれないけど、
「ファッションのことよくわからなくて、自信ないんです。女の子とデートするんで、コーディネート教えて下さい!」
って言えばよかったのでは…?と。

身近な例ですと、うちの彼氏の場合は店員さんに服をおすすめされたら、服のタグでお手入れ方法を確認したり、「これ、洗濯機で洗えますか?」と店員さんに聞いたりしてる。
店員さんも、服を大事にしてもらえる方がうれしいので、「いけますよー!僕は裏返して洗濯ネットに入れて洗ってます!」なんて教えてくれます。

服のコーディネートについても、「このシャツなら、このジャケットやこのニットと合わせたり、こういう風に着こなしたりできます。こういう色と合いますよ」とかね。
彼氏の場合、行きつけのブランドがあって、担当の店員さんが決まっているので、「確か、ああいう服をお持ちでしたよね?でしたら、この服と、こういうコーディネートが可能です」というアドバイスもしてもらってます。

あと、ダイエットの話は、婚活をしていて1番よかったことだろうねぇ…。
夕食を変えたり、運動したり、Wiiでエクササイズしたり。
結婚後すぐにリバウンドしてしまって、奥さん(直子さん)から「健康のためにやせろ」と言われたそうですが!

網野善彦『海民と日本社会』


日本史で避けては通れない、網野善彦。
しかし、学生の頃に読む機会がなかったため、今頃になってKindleで読んでいます。

多様な職業の人々が、多様な暮らしを営んでいた

百姓といえば農民だと思っていませんか?
たとえば江戸時代の日本では、人口の8〜9割が農民だったと言われているようですが、皆が皆、本当に農民だったと思っていませんか?

ちがうのです。
戸籍上は「農民」になってるけど、実際には漁業やら製塩やら林業やら、実に多彩な職業があって、田んぼが少ない海や山の村々が実は都会的で裕福な暮らしをしていた…。
という事実が次々に披露される1冊。

とはいうものの、各地での講演をまとめた本なので、内容がけっこう重複しています。
「百姓イコール農民、じゃないよ!」という話を各講演ごとに言っているらしく、ほぼ毎章それが出てくる。文体も「です・ます」と「だ・である」と2種類ある。
そのへんを気にしなければ、気軽に読めますよ。

本文中でも網野さんがおっしゃっているように、中国や韓国では「百姓」に農民という意味はありません。
中国語の場合、手持ちの辞書だと、

百姓(bǎixìng)
…(官吏に対していう)人民。平民。庶民。
【注意】原義は「さまざまの姓を名のる人々」で、そこから民衆を意味するようになった。日本語では「ひゃくせい」と読み、「ひゃくしょう=農民」の意味はない。
(from 小学館『プログレッシブ中国語辞典 初版』)

とあります。

いろんなネタが出てきて興味深かったんだけど、いくつか紹介してみよう。
(だいたいの時代がわかるように註を入れました)

商工業に携わる人々には、僧形、坊さんの姿をしている人が非常に多いのです。これは江戸時代とは大きな違いで、お寺で修行ばかりしているのではなく、僧侶であっても経営能力をもった人がたくさんおりました。
(註:14世紀初頭)

この為替を受け取った東寺は、これを為替屋=両替屋に持って行って現銭化します。こういう流通システムが、備中の山奥と京都との間で、すでに十四世紀の前半に完全に確立していたのです。

江戸時代、オーストラリアに紀伊の漁民が行ったという話があります。羽原又吉さんが『漂海民』という岩波新書の中で書いておられる

瀬戸内海西部の人々の動きは列島内部にとどまらず朝鮮半島とも緊密な関係があったと思われます。十五世紀ごろ、あるいは朝鮮半島の人かもしれないのですが、この辺りには朝鮮語を話せる人がいたと考えられます。

陸上の交通がメインとなる近代までは、海・河川を利用した多くの物流ルートがあり、焼き物や塩などが古代から遠隔地へ運ばれて活発に交易が行われていたようです。

身近な朝鮮半島、中国大陸との交易もあって、商売あるいは滅んだ国から逃れる目的で来日した人々が、日本人に技術を教えたり、日本人と結婚して子孫をもうけたり(そしてその子孫が要職についたり)することも珍しくなかった。
だから、調査で旧家にうかがった際、古文書だけでなく古銭もありませんか?と聞いてみると、日本の古銭に混じって中国の古銭もしばしば出てくるのだそうです。まじか。

「倭寇」と呼ばれる海賊も、日本語、朝鮮語、中国語を話せる人々が多くおり、海の領主として交易船を警護していたケースがあったりとか(ただし、彼らの領海を通る時の通行料みたいなものを払わなかったら襲われる)

この時期の遊女、傀儡は朝廷、幕府とも公的な関わりを持つ独自な芸能民の集団としての社会的地位を保っており、決して賤視された女性とはいえない。
(註:12世紀後半)

女性で金融業に携わっている人は古代、中世には多いので、ポルトガルの宣教師ルイス・フロイスが日本の十六世紀末の西日本の習俗について触れ、日本では夫と妻が別々に財産を持っている、つまり妻は独自な財産権を持っており、時によると、妻は夫に高利で金を貸すと記述しています。

女性についても面白い話が出てきます。
絹や綿などの織物が税としておさめられていたそうなのですが、田畑を耕すのは男であっても、養蚕や織物は女の仕事であると区分けされていたため、当然ながら税としておさめる織物も女性がつくっている。
さらに、そうして生産した織物を市場で売るのも女たちだったため、お金を持っていて、金融業を営む人も大勢いたようです。

なんか、「もののけ姫」を思い出すね。

「日本」は国の名前であり、地名ではありません。だれかが、いつか、何かの意図で決めた国の名前です。
(中略)
この国号は七世紀の末に決まり、八世紀初め、七〇二年、初めて対外的に用いられたというのが学者の大方の意見です。

東北の最北部、津軽、下北、岩手北部は十一世紀後半までは「日本国」の中には入っていない。

成立当初の「日本国」はせいぜい畿内にすぎなかった。
当時の畿内に住んでいる人々にとって、東北や九州は外国であり、言葉も通じなかった可能性がある、と。
(畿内から九州へ侵略戦争を仕掛けた際、畿内に住んでいる九州出身者に通訳のようなことをさせたらしい)

余談:スタンド

送別会でもらったタブレット用スタンド、活躍してます。


タブレットだけじゃなくて、スマホもいけるよ!
5インチのスマホの場合、支えてくれる下部のアームを正面まで持ってくると、ちょうどいいです。
(スマホの画面にギリギリかぶりそうなくらいまで持ってくる)

高さが5段階で調節できるから、読みやすーい。