Kindle書評『2035年 火星地球化計画』と『ラーマーヤナ(上)』

とうとう読む本がなくなって、今日は移動中にスマホで『オトコのカラダはキモチいい』を読み返してました。

職場の男性から、
「僕、とりさんのブログけっこう見てるんすけど、なんか気になった本があるんすよね…。下ネタっぽい内容で、とりさんがいろいろツッコミ入れてて面白かったんすけど。あ、この本です。『オトコのカラダはキモチいい』…もしよかったら貸していただけると…」
って声かけられたんですけど、残念ながらKindle版なので貸せへんのよな。

というわけで(どういうわけだ)面白い本は再読しつつ、読み終わった本の感想をブログにしたためてまいりましょう。
いってみよー。

竹内薫『2035年 火星地球化計画』


サイエンス系の本が好きな人であればご存じ、竹内薫。
火星のテラフォーミングに関する本がKindle化していたので、ぽちっとな。

火星の最新情報とテラフォーミングの歴史

10歳か11歳の頃に、父の部屋の押入れから出てきたカール・セーガンの『COSMOS』を読み、中学生になったら同じくカール・セーガンの『惑星へ』を読み、大人になってからはリチャード・コーフィールドの『太陽系はここまでわかった』、青木満の『月の科学:「かぐや」が拓く月探査』 などを読んで自分の中の太陽系像をアップデートしてきたとりさんですが、火星に特化した本を読むのはこれが初めてです。

火星といえば萩尾望都のSFでもくり返し登場する「第2の地球」的な惑星ですが、その火星についての最新情報を、火星探査の歴史とともに紹介しつつ、後半ではテラフォーミングという概念の歴史と、実際に火星をテラフォーミングするにはどうすればいいか…などの話が語られています。

前半では、冷戦時代にアメリカと競争していたソ連の探査機についてもふれられているのですが、通信系のトラブルで失敗する探査機がめっちゃ多い…。「また通信系か」って感じ。
しかも失敗したものについては公表されなかったとか。いかにもソ連っぽいエピソードですね。

今まで読んできた本とちがって、火星に特化している分、探査機についても詳しく述べられています。
(月探査の本は、もちろん月に特化してたから、探査機の話も詳しく載ってたんだけど)

未知の惑星である火星を調べる探査機なのだから、最新鋭のコンピュータが使われている……という大方の予想を裏切って、実際に搭載されているのは、一般家庭にあるパソコンよりも処理速度の遅いコンピュータだったりする。

いったん打ち上げたら戻ってこれないため、ちょっと古いけど動作が安定していて、何かあった時の対処もちゃんとわかっているマシンを使うのだそうです。

マーズローバーに搭載されたOSは、ウインドリバー社の「VxWorks」という、組み込み用プロセッサ向けのリアルタイムOSだ。リアルタイムOSとは、決められた時間内に処理を実行することを重視したOSを指し、「マックOS」や「ウィンドウズ」などのマルチタスクOSとは違い、非常にシビアな環境で用いられるものだ。

なんと、PCやOSの具体的な種類まで載ってた。

あとね、カール・セーガンについての話もけっこう出てきて、うれしかったです。

マーズ・パスファインダーの着陸点は、カール・セーガンを追悼して、「カール・セーガン・メモリアル・ステーション」と命名された。

前半での記述はこれだけなんだけど、後半のテラフォーミングについての話ではキーパーソンのひとりとして登場する。
懐かしいよう…。
小中学生の頃のとりさんは、「尊敬する人物は?」って聞かれるたびに「カール・セーガンです」って答えて、「誰それ?」「NASAの天文学者です」「は?NASA??」って会話をくり広げてましたからね…。

おまけ。Kindle帰宅部。

河田清史『ラーマーヤナ(上)』


古代インドを代表する叙事詩であり、今でも東南アジア一帯で演劇や舞踏などのモチーフとして親しまれている古典ラーマーヤナ。
私も子どもの頃、絵本で部分的に読んだことがあります。
(なんせ長いから、全部を1冊の絵本にまとめることは難しい)

この日本語訳は、子どもが読む体裁で翻訳されているので、非常に読みやすいよ!とカスタマーレビューでも絶賛されており、以前から興味があったのです。

波瀾万丈なのにサクサク進む

確かに読みやすかった!
めっちゃひらがなが多いのに、部分部分でなぜか漢字が多用されていて、「あぁ、こういう文体って戦前の小説でちょくちょく見かけるよなぁ…独特の味わいがある…」と懐かしみながら読んだ。
(ルビがふってあるので、これまた読みやすい)

ストーリーは思ってた以上に波瀾万丈です。
次々にいろんなことが起こって、そもそもの始まりがすでに思い出せないほどですよ。

ラーマーヤナって、「ラーマ王の物語」とか「ラーマ王の行状記」という意味合いらしいんですが、上巻が終わった段階では、まだラーマが王位についてないし!
魔王にさらわれた妻のシータを助けようとして追いかけてるところだし!
(しかも一般的なおとぎ話や古典文学に比べて、追いかける旅路もけっこう長い)

「どうせ次々にいろんなことが起こって話が長くなってるんでしょー」
なんて斜に構えて読み始めたんですが、あまりにもサクサクといろんなことが起こるので、全然読み飽きなかった。

だってさ、もしこれを原作にして漫画化したりすると、めっちゃ長くなると思うんですよ。
場面場面で心理描写したりして、いっぱい見せ場をつくって、いくらでも引き伸ばせると思うのね。なんせ波瀾万丈だから。
そして、あまりにもそういうことが続くから、途中で読み飽きてしまいそうな気もするのね。

しかし、原作はそんなことおかまいなしに、詠嘆する暇も与えず、容赦なく先へ進んでいく。
「ダラダラと詳しく語ってる暇ねぇよ」って勢いで…。

そういえば、源氏物語や平家物語も、いろんなことが起こる割に、現代の小説や漫画に比べたらサクサク進む印象があるな…。
(その分、たった1行の描写にいろんな意味合いがこめてあったり、行間でにおわせるものがあったりするのですが、へたをすると気づかずに読んでしまう)

下巻もそのうち買うわ。

おまけ。Kindle帰宅部。

余談:シリーズの最新巻が出たよ

漫画の最新巻もせっせと買って読んでるのよ。

花田陵『デビルズライン』5巻


5巻は萌えるシーンがあると聞いてたけど、ホンマに身もだえた…もだもだもだ。
男も女も初々しい…そして安斎の性感帯についての描写が新しいというか、男性の作家さんが描く作品ではあまり見られないものだったと思う。

新しいキャラがまた出てきました。味方なのか敵なのか疑わしい。続きが気になるYO!
今までは「電子書籍版に次巻予告は収録されません」って方針だったけど、5巻では収録されてます。うれしい。6巻は11月発売だって!

今月あたりから、『デビルズライン』を猛プッシュする記事が、かくれんぼ戦略のアクセス記事ランキング上位に躍り出ています。書いた当初はあんまり反響なかったんだけど、ここへ来てかなり読まれてる。

左京亜也『不機嫌彼氏のなだめ方』


クロネコ彼氏シリーズのスピンオフ?かな。

『クロネコ彼氏の愛し方』とリンクした話で、見覚えのあるシーンが多々。
賀神の兄が主人公となって、仲が悪い兄弟の過去や、高見沢との主従関係が描かれる(恋愛面では下克上)

賀神の兄ちゃん、めんどくさい人だな!