Kindle書評『本当は日本が大好きな中国人』と『持たない幸福論』

毎日、通勤中に読んでいる本をツイートするだけのKindle帰宅部、思った以上に面白いです。
記録をつけることで、「この本は思ったより早く読み終わったな、短かったのかも」なんて気づいたり、他の人が読んでいる本を思わず調べて「面白そうや!」とウィッシュリストに放りこんだりしてる。

先日の50%還元セールで16冊ぽちったのですが、すでに12冊読み終わって、残り4冊。
(その後も追加で4冊ぽちって読んでる)
今月また本買っちゃいそう…その前に積ん読してる『天冥の標』の新世界ハーブCを読まねば…でも先にまちがって次の巻を読んじゃったから、テンション上がらないんだよなー…。

ぼやきながらも読み終わった本の感想いってみよー。

福島香織『本当は日本が大好きな中国人』


中国関連のニュースについては、福島香織の記事を普段よく読んでいます。

その福島香織の新刊がコチラ。
タイトルだけ見ると、いかにも最近よくある日本礼賛本みたいなんですが(その方が売れるからだと思われる)、実際に読んでみると「他国に関心を持たない最近の日本人に対する憂慮」が感じられる本です。

見た目がかわいいほど、その強さは際立つ

福原愛や羽生結弦など、中国で絶大な人気を誇る日本人アスリートについて、今までは「中国のアスリートとちがって、かわいいから人気が出るのだ」という意見をよく見かけました。
しかし、福島香織によると、「かわいい」だけではなく「強い」から受けるのだという。

中国人の人の好みというのは、基本的に強い人なのである。日本人の優しさ、誠実さ、礼儀正しさ、清潔感というものに憧憬を持ち、好む一方で、不屈の闘志、忍耐、努力といった精神の強さに惹かれるのだ。

強さが大前提。
中国で生き残ることの大変さを想像すれば、そりゃ強さを重視するよなぁ、と思ったりする。

羽生人気の背景にはカワイイ容姿に不屈の精神、そして真の実力者・金メダリストであるという事実がある。いわば「ギャップ萌え」ではないか、と考える。

中国人が大好きな日本人アスリートといえば、卓球選手の福原愛が知られているが、(中略)真面目で努力家で向上心の強い精神に惚れているからだという。

少女漫画のような外見でありながら、世界王者である羽生結弦。
ひとりで母国を離れ、競争の激しい中国卓球界に身を投じて、勝ちを目指す福原愛。
こういう「見た目は強くなさそうなんだけど、そのハンデをメンタルの強さと努力して磨いた技術で乗り越えて勝っていく」という日本の少年漫画的なストーリーは、中国人も好きなんだそうです。

確かに羽生結弦をテレビで見た時は、私も「漫画の主人公かよ!」と叫んだわ…。
(名前まで漫画の主人公っぽい)

逆に、中国のアスリートは国に育成されるシステムの弊害もあってか、お金が稼げればいいやーとか、これ以上やっても無駄だしやめちゃおうとか、打算的であることが多いので、なおさら日本のアスリートたちの「最後まであきらめない」という姿勢が受けるようです。
(日本のアスリートのスポ根に対する批判も、福島香織はチラッと触れているのだが)

強い人が受けるお国柄なので、靖国参拝をくり返して中国側の猛烈な反発を招いた小泉純一郎についても、実はただ嫌われているわけではない。

一部の中国人は確かに小泉をカッコイイ(有型)と言っていましたね。あえて中国にノーと言える首相、これがカッコイイ、と

敵ながらあっぱれ、という風に見ている中国人もいるのだとか。
…当時は「小泉首相が靖国参拝するたびに中国側からサイバー攻撃仕掛けられて残業になる。余計な火種を…!」とIT系の友達が嘆いてましたけどね…。
(そりゃもちろん攻撃する側が悪いんだけど)

血統を気にするがゆえに

中国はものすごく血統・血族を重視する国だなと思っているのですが、その割に中国では自分の先祖がわからないという人も多いのだという。
というのも、中国は昔から王朝がたくさん変わってきたし、特にここ100年くらいで文化大革命のような粛清が行われたこともあって、さまざまなものが失われて(あるいは隠されて)しまったから。

王朝が変わるごとに支配民族が変わり、王朝が変わるごとにそれまでの歴史と文化を上書きしてきた国で、血統が断絶され、伝統が破壊されることも多かった。

多くの名家の子孫たちは文革時期に、族譜・家系図を破棄し、自らの血筋を隠し、迫害の時代を乗り越えたのだった。80年代生まれの人たちと話をすると、自分の祖父や曽祖父ですらどんな人物であったか語れない人も多い。

そんな事情もあって、多くの中国人は、代々続く世界のロイヤルファミリーが好きであり、身近な日本の皇室に対しても強い関心を持っている。
(首相とちがって、皇室の顔ぶれはずっと変わらないしね…)

そのため、「中国で明治維新のような近代化が成功しなかったのは、中国に明治天皇のような優秀なトップがいなかったからだ」と論じる人もいるのだとか。
明治天皇が優秀だったという話は聞かないけどな…ずっと幕府が天下を握っていてお飾りの存在だったので、維新後も傀儡にうってつけだったと聞いてるけど…どうなんでしょう。

うちの系譜ですか?
母方は9代前までさかのぼれるよ。京都に移住してきたのが7代前だよ!呉服商人だったよ!
父方の先祖は砦のような小さい城に住んでたらしいけど(山の中に城跡の碑が立ってた)、曽祖父が親戚の借金の連帯保証人になったせいで城を取り上げられてしまって、そのせいで家訓は「連帯保証人になるな」ですよ!

話がそれた。

他国に関心をもつことの大切さ

他にも、なぜ蒼井そらがあれほど受けているのか、抗日映画における日本鬼子のイメージの変遷、日本のサブカルに影響を受けた中国のラノベ、震災と「おくりびと」の映画が中国人に与えた影響など、いろんな話が出てきて面白いです。
そうそう、中国で今めっちゃ売れてる日本人作家は、村上春樹、渡辺淳一、東野圭吾の3人だそうですよ。渡辺淳一とは意外…!

福島香織がこの本のために取材をしていた時、中国人から言われた皮肉も最後の方に収録されている。

「日本が、いかにすごいかという自画自賛本を書くのか。今の日本の中国に関する本は中国批判本か、そうしたマスターベーション本しかない」

それについて、福島香織は「日本文化の受容性」こそ、日本が中国人から愛される理由であり、日本の先人たちが好奇心と敬意をもって海外の文化を取り入れてきたことを忘れてはいけない、と戒めている。

おまけ。Kindle帰宅部。

pha『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』


日本一のニートを名乗るphaさん、2冊目が出ました。
シンプルライフやミニマリストに興味のある人たちが「おっ?」と思うであろうタイトル。
実際、そういう感じの内容も書いてありました。

体力がないので、人よりも早い隠居生活を送っている

本書のミニマリスト的な部分については、すでに他のブログでも言及されているので割愛。

なんかね、読んでみたら、あまりにも真面目な本だったので、ちょっと驚いたですよ。
思った以上に「万人向け」に書かれてるの。
淡々と、とつとつと、ちょっと疲れてて元気がない人に語りかけるみたいに書いてあるの。
自分が買ったKindle本はコレクションという名のフォルダに分けてるんですけど、読み終わってからは「ヘルスケアのフォルダに入れてもいいな、これ」と思ったわ。

私がこの本を読んでて脳裏に浮かんだ言葉は「中庸」。

働くことや稼ぐことにとらわれすぎても良くないけど、逆に働かないことに固執しすぎるのも良くないだろう。

phaさんが言うと妙な説得力が…。
(実際、彼のような生活は誰でもできるわけじゃない。多くの人はたまに疲れて休んだりしながら働き続けるのだろう)

「自己責任は五十パーセント」くらいに考えておくのがちょうどいいように思っているんだけど。

全部お前のせいだろ!ってのも、全部社会のせいだろ!っていうのも極端すぎるよね、という。

phaさんは、自分が若くしてこんな生活をするようになったのは、「人より体力がなかったから」だという。
私も体力がないから、必然的に「残業あんまりしない」「疲れたら遠慮なく倒れる」「余計なものを持たない」「疲れそうなものはわざわざ視界に入れない」って性格(生活)になったしな…。

確かに子どもを作るってすごいことだ。大体「人間が二人くっつくと人間が増える」というのがSFっぽくてすごいしロマンがある。

個人的に笑ったのがこの表現。その発想はなかった。

おまけ。Kindle帰宅部。