Kindle書評『アルゴリズムが世界を支配する』と『患者さまは外国人』

最近、My Kindleが大幅リニューアルしてしまって、Kindle本の蔵書数がわからなくなってしまいました。
すっきりして見やすくなったけど、総数が確認できないなんて、残念…。

『デビルズライン』を読み返しながら、合間に他の本を読み進めてます。
座りっぱなしだと足腰に悪いので、立ってストレッチしながら読んだりしてる。

ただ、床が寒くてねぇ…。
ストレッチしながら読むと寒いんよなぁ。フローリングだもんで。
モノが増えるのは嫌だから、カーペットとか敷きたくないんだけど、耐えられるだろうか。

では、今日の感想いってみよー。

クリストファー・スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』


角川のセールで買った気がする。

アルゴリズムにできないことはない…かもしれない

最初はウォール・ストリートの金融市場の話から始まるのですが、そこから派生して医療や犯罪予測、コールセンターの割り振り、宇宙飛行士のチーム編成、婚活サイトのマッチング、さらには作曲や執筆といったクリエイティブなジャンルにまで、今やアルゴリズムの波が容赦なく押し寄せていることを語っています。

人間を模倣し、徐々に人間に取って代わっていくようなアルゴリズムを作り出せる能力が、これからの百年を支配するためのスキルだ。

佐々木俊尚さんの本やツイートで、それらしき話はちらちら知っていたのですが、これだけたくさん出てくると、すごいなー。
ドキュメンタリーとして面白く読んでしまいましたが、自分の仕事はどうなるんだろうかと思うと不安になるのも事実ですね。私はプログラミングできひんから…。

音楽家でありながら、必要に迫られてプログラミングを勉強した人が、バッハなどの偉大な音楽家の作品をアルゴリズムに読みこませて、次々にすばらしい作品をつくらせた話とか、面白かったです。
聴衆は、何も知らない状態だと曲を聞いて絶賛するんだけど、それがボットによる作曲だと知ったとたんに手のひらを返すのだという。

作曲ボットは、永遠に偉大な作品を生み出せる。
だからこそ逆説的なんだけど、その作品のすばらしさを証明するために、ボットの製作者はわざとボットを壊したりしたのだとか。
というのも、演奏する人たちは、いつでも置き換え可能な作品ではなくて、その作曲ボットの最高傑作を演奏したいわけだから。ボットは壊されない限り、アルゴリズムによっていくらでもすばらしい作品をつくってしまう。

ちなみに、ボットがクラシックの巨匠のパターンを学習して作曲した音楽は、『Classical Music Composed by Computer』というアルバムに収録されているそうです。
残念ながら、すでにCDは廃盤の模様。

「以前ならハーバードかイェールの学生はみな、金融界で活躍することを望んだものだ」とケルマンは言う。「それが今は、誰もがザッカーバーグになりたがっている」。

ウォール・ストリートに流れこんでいた理数系のエリートたちは、リーマン・ショック以降、ただひたすら競争して大金を稼ぐよりも、自分で何かをつくること、自分の手で社会を変えることにシフトしつつあるそうです。

あと、人類学者ヘレン・フィッシャーが、アルゴリズムを開発したという話もちらりと出てきて仰天した。まじっすか!

(彼女の最新作がこれかな?Kindle版は今のところ原著のみ)

謝辞に笑ってしまった

海外のドキュメンタリーやサイエンス系の本を読むと、最後に長く詳細な謝辞が載っている。
執筆でお世話になったひとりひとりの名前を挙げて、こんな風に自分を助けてくれた、ありがとう、と短く具体的なエピソードを語ってるコーナーです。

…この本の謝辞、にやりと笑ってしまう場所があった。
たとえば、自分の原稿を読んであれこれ注意してくれた人のことを、こう紹介している。

彼は下手な表現や間違った単語の使い方には「ウッ」という単語を挿入した。彼の「ウッ」のおかげで文章は改良され、

こんなエピソード、謝辞で見たことないよ!

もうひとつ、笑ってしまったのがこちら。
執筆に必要な資料を、近くの図書館でたくさん調達できたという感謝の言葉。

しかも図書館のスタッフは、高額な延滞料の一部を大目に見てくれさえした。本当にありがとう。

バラしちゃっていいの?!
でも、日本だったらネットでさらされて叩かれまくりそうだけど、アメリカだと「いい話じゃないか」って笑ってもらえそうな印象あるわ。

山本ルミ、世鳥アスカ『患者さまは外国人 無国籍ドクターと空飛ぶナースのドタバタ診療日誌』


これは、日替わりセールだったかな?

異国で体を壊した時に頼れる人がいると、こんなにも心強い

『日本人の知らない日本語』と似たような感覚で、楽しく読めます。

波瀾万丈の人生を送り、無国籍でありながら日本の永住権と再入国許可証を持っていて、六本木のクリニックでありとあらゆる国籍の人たちの診療を行うロシア系のドクター。
そして、彼のもとで働く看護士の山本ルミさん。

ドクターのもとにやってくる、さまざまな患者さんとのエピソードを、ルミさんの視点からつづったエッセイコミックです。
(プライバシー保護のため、名前や病名はちょこちょこ変えているらしい)

そっか、イスラームの人たちは、断食中は点滴もできひんのね…。
もちろん病人は断食しなくていいんだけど、元気になってから同じ日数だけ断食するとか、施しをするとか、別の形で穴埋めをせねばならない。
(そのへんはこの漫画ではふれていない。「これができないなら、かわりにこれをすればいいよ」っていう風に、別の選択肢が用意されているあたりは、仏教やキリスト教とちがって、けっこう現実的な宗教だなぁと思う)

また、ドクターのクリニックの他にも、「空飛ぶナース」として働いているルミさん。
それがどういう仕事なのか、どんな体験をしたのか、という話も描かれています。
いやー、世の中にはいろんな仕事があるもんだなぁ。

疲れた時に、のんびり読んで楽しめる漫画です。

余談:最近読んでいる本

上司が「勉強のためにいろいろ読んでね」と蔵書の一部を職場に持ってきてくれはってな。

デザイン関係の本が多かったんですけど、その中にキャラクターデザインの本があったので、思わず借りて帰った。
カクカク・シカジカのCM、けっこう好きなのよ…。

さすがにKindle版はなさそう。そもそも紙の本も絶版なのかな…?