Kindle書評『王女コクランと願いの悪魔』『虜囚』その他

9月も順調に読書していたのですが、なんとなく気が向かなくて、ブログに全然書いてませんでした。
いちいち書く暇があったら他の本読んじゃおうーとか、ライブ行くぞーとか、自分でも何かつくるぞーとか、仕事が追い込みだーぎゃぼーとか、そんなこと思ってるあいだに9月は過ぎ去ってしまった。
最後に書いたKindle書評の記事が、8月だったと知って驚愕しています。

10月になって、再び気が向いたので、娯楽の小説をもぐもぐ読みあさって、ブログに感想書いちゃうよー。

本日はラノベ特集です。

入江君人『王女コクランと願いの悪魔』


レーベルは富士見L文庫。
このレーベルも、この著者も初めてです。もともとラノベって、あんまり読まないから…。

思わぬ当たりでした

以前、きんどうさんで紹介されていて、面白そうだなーと思ってたんですよ。
Amazonカスタマーレビューはついてなかったけど、試しに読書メーターで感想を調べてみたら、かなり評判よかった。
買うかどうか迷って、ウィッシュリストに入れました。

んで、昨日ふと「そういえば今いろいろセールやってるけど、安くなってる本はあるかな」と思ってウィッシュリストを眺めたら、この本が大幅に値下がりしていたではありませんか。
(ウィッシュリストに登録した時点から、何%安くなったかが表示されるので、すぐわかる)
即ぽちりました。
そして読み始めたら、なんと面白かったのですよ。

文章に変な癖があって読みづらいなーということもなく。
校正の手が回ってなくて誤字脱字残ってるなーということもなく。
(このへんはラノベにありがちな罠)

男女両方が楽しめる感じのあらすじです。
アラジンに出てくる魔神よろしく、ランプに閉じこめられた悪魔が「お前の願いを叶えよう!」と登場するんだけど、ランプをうっかりこすってしまった王女は「願いなんて何もないわ」とすげなく断る。
悪魔は彼女にまとわりつき、彼女から願いを引き出そうとするが…。

最初は割とコミカルで、ふたりが凸凹コンビになっていくのかなぁと思わせる。
しかし、いつでもそっけなくて無表情の王女と、とにかく他人の願いを叶えようとする悪魔の背景に何があるのか、それぞれ明らかになってくるにつれて、ストーリーに暗雲がたちこめてきます。

このあと、ふたりはどうなったんだろうなーという余韻を残して、話は終わっている。

女性向け以外のレーベルから出てるラノベって、どうしても男性向けに振り切ってる感じの話(ハーレム系)とか、自分の不得意なジャンルの話(アクション系)が目立つので、なかなか手を出す機会がないんですよねー。
そういう点でも、このお話は私が楽しめるジャンルだったので、よかったです(・ω・)

同じ作家さんの本、他にも読んでみようかなぁ。

仁賀奈『虜囚』


はい、出ました、女性向けのレーベルから出てるラノベ。というかTL(ティーンズラブ)小説。
今回は、執着愛やら歪んだ愛やら背徳やら禁断やら、そういう偏ったジャンル(ダーク系)を取り扱っているソーニャ文庫からの1冊です。

またしても仁賀奈という人の本をぽちってしまった…。

あらすじを見て選んでるのに、気がついたらこの人の本が候補に残ってて、ちょっとびっくりしたね。またかよ!って思ったけど、結局ぽちっちゃったね。

ブログに書いてないけど、他にも同じ著者の本を読んだことがあります。
こっちは平安時代が舞台設定。

男性視点の方が楽しい

この人の文章は、ちょっと癖があって(受動態が多い気がする)、読みながら「ん?」って引っかかることもあるんですよ。
あと、「人を疑うことを知らない無垢で天然で鈍感な女の子と、彼女を落とすために人をだましたり腹黒いことも平気でやってのける男」という組み合わせを好む作家さんなので、たまにヒロインがアホすぎてイラッとする。

今回の『虜囚』は、男性視点のお話です。
もうひとつ、同じカップルを女性視点で書いた『監禁』という本も出ていて、著者としてはこっちを先に読んでほしいらしい。『監禁』での謎が『虜囚』で明らかに…!的な。

ただ、カスタマーレビューを見てると、女性視点の『監禁』はあまり評判がよろしくない。今回も鈍感すぎてアホなヒロインに、もやもやさせられる展開の模様…。
というわけで、『虜囚』のみをぽちりました。

そしたら、今までに読んだTL小説の中で1番面白かった。
そういえば私、ハーレクインでもBLでも少女漫画でも、男性視点(もしくは攻め視点)の描写の方が、読んでいて楽しかったなぁ…。
多分、そっちの方が能動的だからだろうね。

ちなみに、奥付の最後のページには、「歪んだ愛は美しい。」というキャッチコピーとともに「ソーニャ文庫 執着系乙女官能レーベル」と書いてあったんで、純愛やラブコメよりもヤンデレ系が好きな人には合うんじゃないかな。
『虜囚』もヤンデレ系でしたよ。弟が血のつながらない姉に睡眠薬入りのミルクを毎晩飲ませて、眠っている姉に性的なあれこれをする話ですよ。は・ん・ざ・い。

BLやTLのカスタマーレビューは、かなり詳細に「こういう方向性が好きな人には向いてる、そうじゃない人にはおすすめしないとか、「こういう設定の短編が入ってる」とか書いてあったりするので、けっこう助かります。
自分に合う萌えを楽しむための本だ、と割り切ってるから、多少ネタバレしても、自分の好みかどうかを事前に判断できる方がいい。

その他、9月に読んだラノベ

紅玉いづき『ミミズクと夜の王』、『毒吐姫と星の石』



懐かしくて、以前からKindle化を待っていた本です。
Kindleは紙の本とちがって、背表紙や裏表紙が存在しないのですが、この本は2冊とも、表紙に使われている絵の全体像を最後にカラーで収録してくれてました。うれしい。

私が初めてラノベを読んだのは、上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』でした。私が高校生の頃、爆発的に売れていたシリーズです。略称ブギポ。
友達んちに行った時、たまたまブギポのアニメを、友達がビデオにダビングしてた(まだDVDよりもVHSが主流だった)
ストーリーは全然わからないけど、暗い画面の中に、ぼんやり浮かび上がるようにひとつひとつのシーンが描かれてる。独特の雰囲気があって、すごく不思議なアニメだと思った。
それで興味を持って、原作にも手を出したのでした。

その次に読んだラノベが、紅玉いづきだったと思います。
すでに私は高校どころか大学を卒業して働いてました。その頃、弟や友達の布教でBLをぽつぽつと読み始めるようになって、ブログ「となりの801ちゃん」で、この本の存在を知ったのです。
(801ちゃんとチベくんが、そろって『ミミズクと夜の王』を絶賛してた。その後、801ちゃんと紅玉いづきがリアル友達になろうとは…)

なんというか、確かに、いい話なんだけど。
微妙にね、5pxくらい、私の萌えポイントからズレてるんです。
あともうちょっと!もうちょっとなのに!くらい。

そのせいか、『ミミズクと夜の王』と『毒吐姫と星の石』を読むと、創作意欲が湧くのです。
好きな話を読んだはずなのに、絶妙な力加減で消化しきれなかったという思いが、「じゃあ、かわりに自分で自分の好きな話を書くしかないんや!」っていう方向に動く感じ。
そういう本も必要だね。

余談:読みかけの本

いっぱいあるよー。
ヤンデレ系ラノベとの落差たるや。


2冊目の山本七平。バシー海峡のくだりを読んでる。


『科学するブッダ』と同じ著者の本が、本日の日替わりセールに登場。


斎藤環と女性作家・女性学者たちとの対談集。今月の月替わりセール。


片桐はいりのフィンランドを舞台にしたエッセイ。今月の月替わりセール。

真面目じゃない本(BLとかTLとかそのへん)もあるので、楽しみです。