Kindle書評『日本資本主義の精神』『とりかえ・ばや』その他

Kindle本をぽちって読むのに比べて、ブログを書く意欲やペースが追いつかず、感想を書いてない本が溜まってきてました。
やっぱ、本の感想を書き続けるのって、飽きることはあるよね。
義務で書いてても仕方ないし。そういうブログじゃないし。

Kindle日本上陸後、あまたのKDP・Kindle紹介サイトや書評ブログが生まれて、その後どんどん更新が途絶えていってしまいましたが、気持ちはわかる。
かくれんぼ戦略は、Kindle以外のコンテンツが強いので、だらだら続けることができたのだと思います。飽きても逃げ道があるし…。

なんてことを昨夜のオフ会で思いましたが、そんなこんなで溜めこんでいたKindle書評、まとめていってみよー。

山本七平『日本資本主義の精神 なぜ、一生懸命働くのか』


『現代霊性論』をぽちるきっかけとなったことでおなじみの編集長(というあだ名の人)が、この本の面白さをツイートされていたので、そのままぽちっとな。


※プロ倫とは、かの有名な『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ですね。

仕事に励むことは仏教の修行に通ずる、という思想の源泉

編集長もツイートされているように、古い本です。最初は1979年に出てる。
だから、戦後の焼け野原から日本を立て直した人たちが、50代くらいのおっちゃんとして登場する。また、痴漢のことを「刑法上の犯罪ではない」と書いている。そんな時代に生まれなくてよかった。

それはさておき、古い本なのにまるで古びてないんですよ。内容が。
日本の競争力を生み出すと同時に、現代のブラック企業やらさまざまな機能不全を生み出している、日本の仕事観はいったいどこから来ているのか。
山本七平は、江戸時代の鈴木正三(僧侶)と、その系統にある石田梅岩(商人)という、ふたりの思想家を紹介し、特に石田梅岩の実践哲学が、のちの日本に大きな影響を与えたのだという。

日本には「契約がない」という言葉は、日本の社会構造の中に契約という要素がないという意味であって、個人の私的な信義がなく、また共同体内の「話し合いに基づく決定」への遵守がない、という意味ではない

日本人が働くのは経済的行為でなく、「仏行の外成作業有べからず。」と信じ、一切を禅的な修行でやっているにほかならない。

『科学するブッダ』にも出てきたけど、俗世を捨てて出家して…という仏教の修行は、誰もができるわけではない。ならば、市井の人々はどう生きるべきなのか。
武家から帰農して田畑を耕していた石田家。そこから商人のところへ奉公に出て、商人として地道に働き、真面目なので適当に遊ぶこともできず、自分がどう生きるべきかをひたすら考え続けた石田梅岩。彼の唱えた「自分の仕事というお役目をまっとうすることこそ、修行に通ずる」という考えは、その悩みに答える内容でもあったわけなのです。

仕事観だけじゃなくて、日本人の「自然体」「自然に考えて」とか、「本心」とか、そのへんの考え方も彼らの思想と切り離して考えることはできない。言われてみれば目からウロコが落ちまくりの1冊でした。

編集長によれば、同じ著者の『日本はなぜ敗れるのか』もおすすめらしい。

さいとう・ちほ『とりかえ・ばや』


古典文学『とりかへばや物語』のコミカライズ。
かつて『ざ・ちぇんじ!』という漫画も出ていましたが、こちらは『少女革命ウテナ』でおなじみの著者によるものです。

現代でも萌える、性別入れ替えネタ

『ざ・ちぇんじ!』は読んだことないけど、『とりかへばや物語』は現代語訳で読んだことがありました。
中学生向けと思われる現代語訳シリーズがあって、それを小学生の頃に図書館で読んでたのな。『竹取物語』、『伊勢物語』、『宇津保物語』、『堤中納言物語』、『東海道中膝栗毛』…。
中学に入ると『今昔物語集』、高校に入ると『平家物語』、『落窪物語』あたりも読んでました。
けっこうおもろいよね、古典文学。たまにものすごく変な話があったりする。移動中にムラムラしちゃった男が、そのへんの畑に生えてた大根に穴を開けてシコシコして捨てたら、数年後にその大根から子どもが生まれてた…とかさ。

話がそれた。
男女がこっそり入れ替わって社会に出ていくという、なかなか楽しい題材を、さいとう・ちほがスピード感のあるストーリーに仕上げています。

似たようなネタって、少女漫画でしょっちゅう出てくるもんねぇ。『花ざかりの君たちへ』とか『ミントな僕ら』とか、あとは『Wジュリエット』もそうだっけ?他にもいっぱいある。
しかし、舞台が平安時代の貴族社会になることで、新たな面白さが生まれますね。さすがに普通の少女漫画だと、主人公はたいてい中学生か高校生だからね。結婚したけどセックスせずに済ましてたら妻が浮気して子どもができて…とか、そういう展開は出てこないもんね。

4巻、なかなかいいところで終わってる。早く続きが出ないかなー。

その他、最近読んだ本

昔読んだBLがKindle化されてて、思わずぽちって読み返したりしたよ。
BLは基本的に軽い読み物なので、するするーっと読めます。ハーレクインよりも薄くて短いからね…。
(でもハーレクインよりもお高い。なぜなら世界中の女性向けに展開しているハーレクインと、日本国内の腐女子・腐男子向けに展開しているBLとでは規模が全然ちがうから。BLは価格も薄い本に近い)


BLというよりも「女性向けラノベ・サスペンス風味」という色合いが濃い、榎田尤利の「眠る探偵」シリーズ。全4巻。
周りが驚く美貌で、発言がすっとんきょうで、他人には見えない何かが見える能力を持っていて、浮気調査などの地道な作業を厭う探偵という設定が、なんだか京極夏彦の妖怪シリーズに出てくる榎木津礼二郎っぽい。
恐ろしい殺人鬼に愛されてつきまとわれているという設定で、そこがBL展開。


いわゆる「病みBL」とも呼ばれているらしい、痛い展開のBL小説が多い作家、水原とほる。愛人の息子が正妻の息子に襲われるというストーリー。この話はまだマシな方…(同じ著者の『青水無月』は典型的なDV男とくっついてしまう話だった)


ずっと5巻までで止まっていたKindle版『SEX PISTOLS』が、一気に最新巻(8巻)までKindle化されてました。6巻から絵柄が変わってます。
人魚の話に絡めて、斑類の「階級」の話が前面に出てくる。あと、番外編としてジンジャーとマクシミリアン、青桐大将と渡嘉敷シマの話を収録。


腰乃、久々のKindle化。
後輩に胃袋をつかまれてなし崩し的に陥落していく主人公。林檎さんちで読んだら面白かったので、Kindle化を待ってました。


これはBLじゃないみたいだけど限りなくBLっぽい味わいの漫画。まぁ、あすかコミックスだから…。
死にたがりの吸血鬼と、吸血鬼を殺せる能力を持っているらしいのにそれを封じられている謎の高校生のお話。紙の方で2巻がもうすぐ出る。

最近ぽちったけど未読の本(積ん読の新着)


前から気になっていた、ウィリアム・バトラー・イエイツ。
セールで値下げしてたから、ぽちっとな。


きんどうがプッシュしている、電子書籍・KDP界隈の人なら読んでおくべき(らしい)本。
お高いなーと思ったけど、30%還元だったので実質安くなるし、ポイントが余ってたのでぽちっとな。


SF界隈で今アツイ(多分)小川一水の短編集、セールだったのでぽちっとな。


同じく小川一水『天冥の標』の最新巻もさっそくKindle化されてましたが、値引きするだろうと思って様子見してました…。そして今もっぺん調べたら、やはり値引きされてたので(700円くらいだったのが400円台に下がってる)、ぽちった。

漫画は巻数も多いし、手を出すとどんどんぽちっちゃうので、あまり買いすぎないようにしてるんですが…。
でも、漫画もいっぱい読みたいなー。
漫画が多いと積ん読も減るんだけどね。読むのに時間かからないから。

ただ、実家を出たので、ブログ書いたり本読んだりする時間が少々減りました。
家事をしたり、彼氏と一緒に過ごしたりしているので…。
あぁそうだ、勉強も滞ってるな…。1日って短いなー。