Kindle書評『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』と『ブログにためになることなんて書かなくていい』

ジュンク堂で紙の本を買って帰ったら、実はKindle版も出てました!
しかも月替わりセール対象になってたから、紙の本の約半額になってました!しまったぁあああ!
これからは、紙の本を買う前にチェックした方がよさそうです…。

でも紙の本、読んでて楽しかったですよ。
やっぱね、質量があると読んでる感覚もちょっとちがう。「今ここまで読んだなー、あとこれくらいだなー」っていうのが、なんとなく把握しやすい。Kindleでも「60%」とか表示されるけどさ。

ただ、面白かった部分にハイライトつけられないのは残念だった…。
私は紙の本にマーカーで書きこみなんてしたくないし、ページだって折りたくない。自宅にいたら、付箋が使えたんですけどねぇ…。
Kindleの「指でなぞるだけで文章にハイライトつけて、あとで一覧にまとめたページで見れる」っていう機能は、超便利だわ。

そんなこんなで紙の本も読みつつ、Kindle本も読んでました。
感想いってみよー。

堀江貴文『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』


ホリエモンのメルマガをまとめつつ、いろんな著名人やホリエモン自身の解説をつけた本。
セールになってたので、ぽちってみた。

正直なところ、ホリエモンという人にはあまり興味がなかったのです。
ちらほら報道される彼の発言や行動を見てると、全然別の世界の人という感じだったし、私が行きたい世界でもないしなーと思って。
そんなわけで期待せずに読んだところ、思ったよりも面白かったので、あちこちハイライトつけまくってしもた。

「やりたいことがわからない」って言われても

ホリエモンのメルマガには、悩み相談のコーナーがあるらしく、いろんな悩み(主に仕事関係)が寄せられます。それに対して、ホリエモンがバサバサと回答していく。ほとんどの場合、バッサリやられてる。
たまに「高校生の娘が手作り雑貨をネット販売して儲かってる」とか、「祖父のつくる栗が市場の3倍の値で取引されてて、その家業を継ごうとしている」とか、成功してる人の家族から悩み相談が来て、ホリエモンが絶賛してるのも面白い。

んで、いろんな悩みを受けてきたホリエモンが、最後の方でこう書いているのだ。

面倒なのは、「何がやりたいのか分からん」というものだ。

そりゃ確かに、回答に困るよね…。

いや、まぁ、ハマれるものがなくって退屈だーっていう本人は、すごくつらいと思うんだけど。
私も、趣味でやりたいことはとてもはっきりしてるんだけど、仕事でやりたいことは漠然としてるから、「やりたいことをやれって言われても…」という人の気持ちは、わからんではない。

よしながふみの対談集で、
「普通のOLって、本気で『何か楽しいことないかなー』って会話するらしいよ」
「マジで?!オタクだったら楽しいこと毎日ありすぎて、そんなこと言ってる暇ないですよね」
みたいな会話があったと思うのね。それを思い出した。

この対談集を読んだ後輩は、衝撃を受けたらしく、
「先輩、普通の人って本当にそういうこと言ってるんですか」
と言ってました。

うん、そういうこと言ってる人、本当にいるよ。
んで、そういう人たちって死ぬほどつまんない。「なんか楽しいことないかなー。でも新しいことに手を出すの疲れるー。暇だから彼氏ほしいなー」とか言ってるんですよ。
中身のない自分のつまんなさをごまかすために必要とされるなんて、そんな人とつきあう彼氏の方も気の毒だなって思うんだけど。すみません、毒舌でした。

幸せって、そんなたいそうなものじゃない

さて、そんな悩みに対して、ホリエモンはどう言っているのか。
「暇だから余計なこと考えちゃうんじゃね?」と、身もフタもない指摘をしたのち、こう語っている。

その気になれば食欲、性欲、睡眠欲はいくらでも満たされて、新鮮な喜びを味わえるのに。貧しい時代の倫理に縛られ過ぎだ。
ダラダラ遊んでりゃ、そのうち何かに出会える。出会えないまま死んでいくパターンもあるけど、それだって人生。どっちにしたって楽しんだ方が勝ちだ。

このくだりが、すごく自分の中で納得したというか、「そうだよな」と素直に腑に落ちた。
楽しくなかったら、面白くなかったら、本末転倒やんなって。

最近思うの。
捨てたい病で、あれも無駄、これも無駄…って捨てていったら、ほしいものも、やりたいこともなくなって、時間をもてあましちゃう人って、けっこういるらしいのね。私も何回か、そういう状態に陥ったことある。
でもさ、生きやすくするために無駄なものを捨てたのに、それで楽しくなくなっちゃったら、意味ないやん。
楽しく生きるために、捨てるんやで。

あと、めっちゃウケたのが、以下のくだり。

ブータンの本とかを無駄に読んで「幸せとは……?」とか考えるのも、精神衛生上よくない。

自分が見つけた幸せを、自分なりに楽しんでみる。それがリアルな幸福なんだ。遠く離れたブータンになんか、あなたの幸せはないよ、と言いたい。

引き合いに出されたブータンには気の毒ですが、その通りですよね。
「あたしなんでこんなに毎日楽しくないの?幸せになれないの?」とか言ってブータンに青い鳥を探しに行くみたいな。それと似たようなことしちゃってる人、いっぱいいるんじゃないかなぁ。
こうして引き合いに出されると「確かにおかしいね」ってわかるけど、多分ひとりでぐるぐる悩んでたら気づかんやろね。

他の人の解説も面白い

各章の最後に、ホリエモン以外の人の解説(というかコラム的なもの)が載ってます。
これもけっこう面白い。

たとえば、ドワンゴ取締役の夏野剛氏は、こんなことを書いてる。

劇作家の寺山修司はかつて〝若者よ、書を捨てよ町に出よう〟と言いました。
いまは違います。〝若者よ、引きこもってググれ〟です。

また、この言葉も大切にしてください。〝先輩の言うことは聞くな〟。

金融日記や恋愛工学でおなじみの藤沢数希氏は、こんなことを書いてる。

僕は、人間というのは基本的に動物なので、お金という人類の数百万年の長い歴史の中で、つい最近発明されたようなものに対する欲望は、性欲よりずっと弱いと思っていたのですが、これがどうも金銭欲が性欲よりも強い人がたくさんいる、と恋愛のことを毎週書いていて逆に気がついたわけです。

その視点は思いつかなかったぜ。
ちなみに藤沢さんについては、AM(アム)の特集に載っていた、年収高いけどモテない男の恨みつらみがにじみ出るようなインタビューが大変面白かったです。じわじわくる。

はせおやさい『ブログにためになることなんて書かなくていい』


はてなで「インターネットの備忘録」というブログを書いてる人の本です。
これ、私が好きなブログのひとつなの。

前から、「ブログの電子書籍かー、書き下ろしかー、どうしよっかなー」と買うのを迷っていたのですが、以前のホワイトとグリーンの味気ない表紙から、ベージュとブラウンのちょっと紙っぽい表紙に変わって、じわじわ興味がわいてきたので、ぽちってみた。

自分を知るために、記録を残す

自分のことを知るため、自分の操縦法を知るために、書いて記録に残すこと、ブログを書くことを始めたという、はせおやさいさん。
「自分のことが信じられなかったから他人のことも信じられていなかったのです」という一文が刺さる。

「人生はよくできたクソゲーだ」という言葉が好きです。

へー、そんな言葉があるのか。
私が学生の頃に思いついた、「人生はエアガンのないサバゲー」という言葉とニュアンス似てる。エアガンで敵を狙うゲームなのに、エアガン持たずにゲームに放りこまれちゃいましたっていう。案外似たようなこと考えてるんですね皆。

違う言い方をすると、「未来の自分のため」です。自分だけの攻略本を作ること。そして、最近思うのは、「ブログは遺書みたいなものだな」ということです。

ささやかな「いいこと」を見つけて貯める

その後、嫌なことがあっても何かしら「いいこと」を見つけるようにしよう、と意識し始めた、はせおやさいさん。もちろん、見つけた「いいこと」は記録しておく。

記録する「いいこと」は、全然たいしたことじゃなくていい。

道端にきれいな花が咲いてたとか、その程度でいいんです。

少しずつ記録して、いいことをたくさん集めたものを後から読み返してみると、「なんだかこの人は生きているのが楽しそうだなあ」と自分でも思えるようになりました。

ふむ。記録しておいて、それを読み返すのも重要なのかもしれない。
自分の直近の過去を楽しい感じに上書きして、「今までも大変だったけど毎日楽しいことはあったし、これからもきっとそうだね」っていう暗示を自分にかける効果があるんじゃないかな。

逆もしかりで、すんげーちっこい嫌な出来事をちまちまと日記に書きとめていると、なんかどんどん楽しくなくなっていくので、おすすめしません。ネガティブなスパイラルに落ちていく感じです。
忘れた方がいいことは、人生に山ほどあるのです。

普通の人の日常に、共感したり、励まされたりする。そんなブログでいい

その後、はせおやさいさんのブログは、さまざまな人の目に触れるようになる。

もちろん、ネガティブな反応をもらってへこんだりもしたけど、一方ですごく励まされたと言ってくれる人もいた。
そういう人のために、自分と同じように悩んでたりする人のために、自分のブログが役に立てることもある。
だから、こういう凡人の日記のようなブログがあってもいいよね、そういうブログを必要としてる人だっているよね、と。

まさに「ブログにためになることなんて書かなくていい」よね、と。

偉い人や立派な人が書いたものはたくさん残っているけど、なんでもない、ふつうのひとりの人間が、くだらないことでクヨクヨしたり喜んだりしているっていう記録があってもいいよね、と思います。いまの自分が考えていることを書きとめることで1年後、2年後の自分が救われることもあったりするのがブログの面白いところだと思います。

これ、とてもよくわかるなぁと思ったの。
私自身、芸能人やら作家やら社長やらのブログって、ほとんど読まないから。

うちのブログは、あまりはてブされないんですが、たまーにね、はてブしてくれた人がコメントつけてるのを読んだりするの。
残業で体を壊した時の記事に、全然知らない人が「胸に刺さった。俺も同じだ」なんてコメントつけてくれてるのを見つけたこともある。
あぁ、この人も仕事で毎日疲れてるんやろなぁ。
そう思って、よくわからない仲間意識のようなもので胸が痛くなる。この人が、少しでもほっとできたらいいなぁ、としんみり思ったりする。

ブログを読んで、読まれて、いろんな気持ちを重ねていって、毎日を生きのびるの。
知らない誰かと、一瞬だけ、ゆるくつながったような錯覚を起こしながら。

インターネットの備忘録で面白かった記事

というわけで、はせおやさいさんのブログの中から、私が面白かった記事をいくつかおすすめしとくよ!

他にも面白い記事いろいろあるので、よかったら読んでみそ。