Kindle書評『ふったらどしゃぶり』と『南極点のピアピア動画』

「きんどう」さん主催のKindle1周年杯、無事参加することができました\(^o^)/

私も何冊かDLしたり、ついでに同じ作家さんの有料本をぽちったりしましたよー。
ちなみに私の参加作品はコチラです↓

他の人から表紙を褒められたので喜んでいます。
肝心の内容は…まだ感想ツイートしてる人がいないから、わからん!

私も、お祭りでDLしたKDP本はまだ読んでません。
今回はすでに読み終えた本の感想です。

一穂ミチ『ふったらどしゃぶり When it rains, it pours』


すごくすごく好きな作家さんです。
残念ながら、著作を出しているレーベルはKindle化していないところが多いらしく、今のところ発見できたKindle本はこちらだけでした。

この人の書く小説って、一応BLなんですけど、すごく重いのに、すごくやさしい。
恋愛って何だろうとか、人間関係って何だろうとか思わせる小説を書く人なのです。BLだという理由で読まない人がいるならもったいないなーと思う。
(他にも寿たらこの漫画『SEX PISTOLS』とか、松岡なつきの『FLESH&BLOOD』とか、BL読まない人にもおすすめしたい作品はあるんだけど)

性欲ってそんなにいけないもの?

『ふったらどしゃぶり』は、セックスレスの悩み・苦しみが大きなテーマです。
ひとりは、長いつきあいの彼女と同棲してるんだけど、彼女にやんわりと拒まれ続けてセックスレスになっている一顕。
ひとりは、自分をまるで恋人のように束縛するくせに、キスやセックスは一切しようとしない「親友」の男性と同居している整。

このふたり(BLなのでもちろん男同士)がメールをきっかけに知り合って、互いの悩みを打ち明けながら少しずつ接近していく。
好きな人と愛し合いたいという気持ちを、一緒に暮らしている当の相手から拒まれて苦しむふたりは、お互いのメールや会話によって救われたり、ゆらいだりしていく。

途中で、「結婚したら、夫が生身の女とヤレない男だった」という女性が登場して、その絶望と孤独を語るシーンもあるんですよ。セックスレスに悩む男性じゃなくて、女性も登場させるあたりがね、うまいなと思った。

家も金もすべて与えて、子どもまで作って、何が不満だって言われた。セックスがしたいなんて、君がそんな淫乱な女だと思わなかった、ですって。もう笑うしかないでしょ?

彼女が、同じくセックスレスに苦しむ一顕に、えぐるような言葉を投げかける。腹の底が冷えるシーン。

個人的な体験を話すと、私は真面目な子だったので、「セックスってよくないものだ」と思ってた。特に10代の頃は、先に経験した子たちから「すごく痛いよ」と言われていたので、なおさら怖くて、経験しといた方がいいんだろうけど嫌だなーくらいに思ってた。
セックスを拒んでしまう一顕の彼女の言い分も、わからないではなかった。私もそう思ってた時期はあったから。ハグされてるだけで安心するよねーみたいな。今思えば、相手を汚いものみたいに扱ってごめんなさいという感じです…。

なんかさ、そういう風に性的なことを特別視しすぎるのは、あまりよくないんじゃないかな…。
(セックスは最高だ!という言い方も、セックスなんて汚いものだ!という言い方も、同じコインの裏表だと思う。3大欲求の中で、性的なことにクローズアップしすぎてるよなって)

一顕は、土下座すればさすがに彼女もさせてくれるんじゃない?という意見に対して、自分がみじめになってしまうだろうと答える。

同情で抱かれてくれて、その場でどんなに気持ちよくても、終わったら俺たぶん、泣きそうになる。

「身体じゃなくて、心っていうか、俺が彼女を抱きたいっていう欲望を肯定してほしい。認めてほしい。ただ傍にいたいとか手をつないで街を歩きたいっていう気持ちと同じ流れの中にそれは確かにあって、俺の一部なんだって知ってほしい。何かね、今って、メインの川が流れてて、そっから遠いところに濁った沼がぽつんてあって、『性欲』って看板が立ってる、そんな気がするんです。沼の水をコップ一杯でも川に混ぜたら全部がうっすら汚れるからやめてほしい、って思われてるみたいな」

どこだったか忘れたけど、セックスレスで悩んでる旦那さんの悩み相談をネットで読んだの思い出して、ますます悲しくなった。
(子どもができたら用済みとばかり妻に拒まれる。でも妻一筋の夫は風俗も浮気もしたくないから、やむなく妻の前で自慰して我慢してるんだけど、嫌がる妻は生まれた娘に「お父さんが無理やりしたがるのよ」みたいなことを吹きこんで、夫を家の中で孤立させるっていう…)

一穂ミチの本、もっと読みたいなって思った。
デビュー作の『雪よ林檎の香(か)のごとく』も大好きで、一穂ミチがコミケで出してた続編の同人誌も買ったくらいなんですが、Kindle化してくれへんかなぁ…。
(そういえばこれもBLなのに、カップルの片方はもともとストレートだった)

あと余談ですが、スマホとGmailの普及がさらに進めば、キャリアメールを使う人も減って、この小説みたいにキャリアちがいのメールの誤送信とかも起きなくなるかもねって思った。
私もキャリアメールは母と彼氏相手にしか使ってない。他の人にはSNSのDMか、電話番号のショートメッセージ使ってる。キャリアちがってても送受信可能になったしね。

野尻抱介『南極点のピアピア動画』


ニコニコ動画や初音ミクをモチーフにしていることで有名なSF小説。
以前、300円セールをしていた時にぽちりました。

ボーカロイドの持つ可能性

ニコニコ動画ならぬ「ピアピア動画」と、初音ミクならぬ「小隅レイ」、そして少し未来の日本の人々の、ゆるやかにつながっている短編4本を収録。

こ、こんなにうまくいっちゃうのかなぁ?ってご都合主義に思える部分もあったりはするのですが、そこはそれ。
案外、世界は変わるのかもしれない。「星間文明とピアピア動画」ほどじゃなくても。

個人的に1番好きなのは、潜水艦に載せたボカロを使って、深海のクジラとコミュニケーションをはかる「歌う潜水艦とピアピア動画」でした。
なるほどなぁ、これならできるかも、と思ったの。あと、クジラと意思疎通とか、ときめくよね!
ちょっとカール・セーガンの『COSMOS』を思い出したね!(古い)

残念ながら、Kindle化されてなかった。

ただ、コンビニ関連の話では、「いかにコンビニが(店長にとってもバイトにとっても)給料安い割に業務が多くて大変な仕事であるか」というのをネットで見聞きするようになってしまったためか、そんなに平和かなぁ…とか、バイトが店長目指そうと思えたりするのかなぁ…とか思ってしまった。
自分の中で、コンビニに対して「あそこは厳しい職場」っていう目線ができちゃってるなぁと思う。客の立場としては、出勤前に毎朝行くコンビニ、好きなんですけどね。男の店員さんが多いお店で、老いも若きも元気な声であいさつしてくれるから。いつも明るい。

ちなみに、最近よく読むコンビニ関係のブログは以下です。

『南極点のピアピア動画』、あまぞんのカスタマーレビューに「ガチのSFです!」って書いてる人がいたので、ちょっと身構えながら読んだんですけど、さらーっと読める1冊でしたよ。