ついに読み終わった!フランク・B.ギル 『鳥類学』

あの『鳥類学』、ついに読み終わりました!

あまりにも大きくて重いので、なかなか読み進められずにいたのですが…。
年始の休暇中、そして成人の日前後の連休、掃除の合間に読みふけって、読み終わりましたよー。

読み進むにつれ、鳥を眺めたい、さわりたい欲求が高まって、思わず鳥を飼おうかなって思ったほどですが、やめておきます。
鳥は犬猫ほど家畜化が進んでへんから、勤め人には不向きなペットだと思うの…。
それに、毎日必ず家に帰らなきゃいけないと思うと、やっぱまだ飼えないなぁと…。

(ちなみに、この『鳥類学』にも、ペパーバーグ博士の研究が引用されてます。高度な学習実験において、多くの哺乳類よりも、鳥類は高い能力を示すそうですよ)

そんな『鳥類学』の中で、個人的に面白かったものをいくつか紹介してみまっす。

鳥の大きな特徴である、羽毛について

羽毛は死んでいる構造物である。(P.108)

死んでいる!

ちょうど同じページに、新しい羽毛が生えてきて古い羽毛と入れ替わる様子の挿絵が載ってます。
…発毛促進のCMに出てくる、「毛根の断面図、毛が生えてこなくなる仕組み」に、ちょっと似てる。

損傷を受けて片脚になった鳥はうまく頭をかけないために、頭に大量の、退治できないほどたくさんのハジラミをためこんでしまう。(P.122)

いやああああああー!
(ハジラミ…シラミの一種)

鳥がよく脚で頭やら体の一部を引っかいてるのは、シラミやダニを退治するためなんですね…。

鳥の心臓は、酸素を全身に運ばせるための強力な武器となったが、一方で…

鳥類の心臓が獲得した高い能力は代償もともなう。鳥類がもつ心筋の高い伸長性と心室の強い収縮力が高血圧をもたらすのである。
家禽として飼育されるシチメンチョウでは、血圧値の上限が300mmHgから400mmHgに達することが知られており、これは脊椎動物でもっとも高い値といえる。
人間の血圧の上限は150mmHgである。
当然ながら、このシチメンチョウの主な死因は大動脈の破裂で、これは体重を増やすために与えられた高脂質の餌が原因となっている。
(P.163 適宜改行しました)

すごいっすね…鳥は高血圧なのか…。
私の血圧は、上が100に到達しない低さですよ。

つがいでなわばりを守り、デュエットをさえずる鳥、スズゴエヤブモズ

スズゴエヤブモズのデュエットの機能には、つがいの絆の維持と、侵入してくる近隣の個体に対するなわばり空間の協同防衛の、両方がある。
つがいには、争いに敗れてすごすごと退く侵入者に申し渡す、特別に大きく長い勝利のデュエットさえある。
(P.245 適宜改行しました)

特別に大きく長い」というのがツボにハマった。笑える。
求愛や、普段のデュエットよりも、逃げ出す侵入者に対する勝利のデュエットの方が特別なのね!

小さな体で何千キロも飛んでいく、渡り鳥すごすぎ

ヒトであれば、毎分0.4kmのペースで80時間走るのに匹敵する代謝量である。
……仮にズグロアメリカムシクイがエネルギー源として体脂肪の貯えのかわりにガソリンを燃焼させたとしたら、何と1ガロン(約3.8リットル)で115万2000km飛んだと自慢できるほどである。
(P.286)

鳥が渡りを行う直前には、消化器系の内臓を拡張し、体重が2倍になるほど皮下脂肪を溜めて、さらに翼の筋肉も組み替えてるらしいですよ。
目的地に到着する頃には、皮下脂肪をすべて使い切り、脳と肺以外の内臓も小さくなっちゃうとか。
海を無着陸で渡り切ったりするもんね…(遠い目)

割と浮気してます

たとえば、ハゴロモガラスでは雛の23~48%が雌のつがい相手ではなく、近くになわばりをもつ雄の子である。(P.337)

けっこう多い!
しかし、オスはオスで、つがい以外のメスとも交尾をしていたりするので、お互い様である。
最近はDNAとか調べるから、わかっちゃうんですねぇ。
たいていの鳥の交尾は1~2秒で済むから、浮気も一瞬です。
(総排泄腔と呼ばれる、お互いのお尻の穴をくっつけるだけ。その間に精子が移動する)

敵を避けるため、吹きさらしの崖の狭い岩棚に巣をつくるミツユビカモメ

雄どうしの攻撃行動は、その場を動くことなしに嘴を突きだして表現され、他種のような激しい突進にまで発展しない。(中略)
求愛する雄は、食べ物を雌の前の地面に吐き戻すことなく(そうする場所がない)、雌に直接与える。
(P.435 適宜改行しました)

そうする場所がない…。
オス同士の攻撃が、くちばしの突き出し合いだけで終わるのも、突進する場所がないからですね。
写真で見る限り、びっくりするほど狭い岩棚に巣をつくってた。

アンチエイジングは鳥に学べ?!

体の大きさと高代謝量の両方を考慮しても、鳥類は哺乳類よりも長寿である。(P.504)

鳥類の長寿は、高い代謝とエネルギーの高消費にもかかわらず、酸化防御によるROS(活性酸素種)損傷の減少という、鳥類にそなわる寿命を延ばす興味深い方法を示唆している。(P.505)

出た、活性酸素。
どういうメカニズムなのかは、まだわかってないそうです。

北アメリカでは毎年、数百羽、数千羽の鳥が、飼い猫や野良猫に殺されている

ネコを家の外に徘徊させると、期待寿命を12.5年から2.5年に短縮させるうえ、狂犬病や猫ジステンパー、トキソプラズマ症、寄生虫などの危険を増加させる。
ネコは、鳥インフルエンザのような病気を広めているという証拠が増えつづけている。
つまり、解決法は明らかである。
健康で幸福な生活を送るためと、裏庭に来る鳥の将来のためにネコは屋内で飼いなさいということである。
(P.629 適宜改行しました)

まさか、飼い猫に対する意見が『鳥類学』に載ってるとは思わなかった。
まぁ、都会では室内飼いが主流だと思うけどね。ご近所さんにあれこれ言われるし、車も多いし。

ぽっぺん先生シリーズを思い出しながら読んだ

他にもたくさん面白い話が載ってたんですが、紹介しきれないので、興味がある人はぜひ、図書館にリクエストして借りるか、書店やあまぞんで買って下さいな。
でも、まじで重いよーこれ。でかいし。
(重さのせいで、家から出せず、人にも貸し出せない)
文庫化してくれたら、もっと人にすすめやすいのになー。
もちろん文庫になったら1冊ではおさまらんけど、それでも文庫数冊とこれ1冊とでは、重さも置き場所も全然ちがうしね!

読みながら、何度となく、舟崎克彦の童話「ぽっぺん先生」シリーズを思い出した。
このシリーズのおかげで、とりさんは動物に詳しくなったと言っても過言ではない。


↑昔、確かNHKあたりでアニメ化されてて、それを見た。
(動き回るアニメではなく、絵本にナレーションをつけたようなアニメのコーナーがあった。他にも『チポリーノの冒険』、『ルドルフとイッパイアッテナ』などがアニメ化されてたと思う)

調べてみたら、ぽっぺんシリーズ最初の1~2巻だけ岩波少年文庫で文庫化されてたよ。
他の巻もハードカバー版がまだあるけど、鳥島で絶滅しかかってそこから復活したアホウドリの話が載ってた『ぽっぺん先生の動物事典』は、絶版なのね…。