Kindle書評『天冥の標 Ⅵ 宿怨』と『ナイン・ストーリーズ -球児九人夏物語- side A』

今年1番の暑さになると予報が出ていて、実際に40度を超えた地点が4ヶ所もあった本日、皆様いかがおすごしでしょうか。
夏コミだったので大変ですね。
京都の最高気温は38度だったそうですが、観測地点はたいてい日陰で風通しのいい場所に設置されているらしいので、きっと日の当たる場所は40度ありましたよ!
日が暮れたあとも、家の中がサウナ状態です。

昼食後は家族4人でリビングに集結してエアコンをつけ、黙々と読書や居眠りに勤しみました。
一気に読書が進んだでー。

サウナ状態の自室でPCつけて、ブログ書いてます。感想いってみよー。

小川一水『天冥の標 Ⅵ 宿怨』


天冥の標、ついに6巻を制覇。
6巻といいつつ3冊に分かれているという長編っぷり。1巻の時点で2冊に分かれてたしね!

ついに1巻への道筋が見えた

『天冥の標』は、29世紀のとある星を舞台にした1巻『メニー・メニー・シープ』からスタートして、いきなり2巻で21世紀の地球に戻ります。
その後、巻を追うごとに、ちょっとずつ時代は進み、舞台も変わり、「こういう系譜の人たちが、こういう流れで未来へと続いていくのか…」と少しずつ明らかになっていくのですよ。

6巻まできて、ついに、1巻への道筋が見えました。
前からチラチラ見えてはいたのよね。伏線はあった。セアキの子孫、チカヤの子孫、酸素いらず(アンチ・オックス)の人々、ノルルスカインとミスチフ、そして人類が克服できなかった感染症・冥王斑。
んで、6巻でついに、「こ・れ・か!」と。

PART3の切迫した、実にドラマチックなところで「続く」の文字を見て吠えたね。
毎回、実にいいところで「続きは次巻」になりますよ…。

「宿怨」という不穏なタイトルの通り、いろんなものがついに火を噴いてクラッシュする6巻です。殺し合いの6巻です。
とりさん、日頃から本を読む時は感情移入しすぎるふしがあるので、こういう展開は本来なら苦手なのですが、なんかもう延々と続くので疲れたのか、「あーもう全員死んじゃえばいいや」と投げやりな気分になってました。そしたらたいていの人は本当に死んじゃいました。容赦ねえな!
でも気に入らない登場人物ほど死なない法則。

集中して一気に読んだためか、ハイライトつけるの忘れてて、3冊通して2ヶ所しかつけてない。

晋太郎『ナイン・ストーリーズ -球児九人夏物語- side A』


KDP本です。
こないだのKDP風立ちぬ杯の時に、有料だったけど興味が出たのでぽちってた。

負けて始まる物語

高校野球をやっていた球児たちの「高3の夏が(甲子園出場できずに)終わった」あとの様子を描いた、短編集。
ひとりひとりに焦点を当てて、1本ずつ短編がある。side Bへと続きます。

表紙がさわやかですね!ちゃんと依頼してイラストを描いてもらってはるみたいです。
表紙だけでなく、各短編(というか各章)にも、それぞれの球児たちのイラストを描いた扉絵がついてます。とてもいいです。

思わずおお振りを思い出しながら読んだねー。
高校最後の夏に負けて、野球関連のものから目をそらしたくなる心理とか。
予選敗退したあとも、自分たちに勝った高校の勝敗を気にしたりとか。
あれほど毎日続けていた練習がなくなって、ぽっかりと心に穴が開いたような心境とか。

私はスポーツを一切やってなかったし、地区大会に出るような部活もやってなかったし、私の高校の野球部も弱かったし、徹頭徹尾、縁のない世界ではある。
(むしろ体育会系が苦手なので、関わらないようにしてきた)

でも、毎日ずっと続けてきたことが、突然終わったあとって、呆然としちゃうだろうなと思うの。
んで、勝ち進んでいく様子ではなく、負けて夏が終わったあとの様子を小説にするという発想が、面白いなと思った。負けてから話が始まってるわけだから。

ちなみに著者はゲイのため、著作にもBLやそれっぽい描写が多いみたいです。
この本にも、同性から思いを寄せられて困惑する話や、同性に片思いをして悩んでいる話が出てきます。でも、基本的にはBLテイスト低めで、彼女がいたり、エロいこと大好きで女と遊んでたりする人たちも出てくるけど。
(それでも慣れない人が「BLやん」と言いそうな程度の濃度ではある)

余談:父に借りた本

最近マーラーにハマっている父が、「これ、読むか?」と紙の本を貸してくれたよ。
『マーラーの交響曲』

そんな父は最近、珍しくKindle本を買って、Nexus 7のKindleアプリで読んではりましたよ。
『未完のファシズム』

ただ、紙の本と比べると、一部の図版がKindle版ではカットされてるみたいです。
なんでそういうことするかなー…。