Kindle書評『「やりがいのある仕事」という幻想』と『マーチ!』

最近、同期する時以外はWi-Fiを切ってKindleを使っていたのですが、久々に読書端末ではなくタブレットとして使いたくなったので、ついったーやPinterestのアプリを入れてみました。
ついったーアプリも新しくなってて、Pinterestもタブレットだと画像が見やすくて(スマホだと画面小さすぎて見づらい)、なかなか楽しいです。これでPCが使えなくなる真夏も、快適にネットできるかしら…。

最近あまり読書が進んでいないのですが、ようやく読み終わった本が何冊かあるので、いってみよー。

森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想』


ここ数ヶ月、ネットのあちこちで評判だった森博嗣の新刊も、ちゃんとKindle化されましたよ。
タイトルを見た時点で読みたくなった1冊。

生きる目的は、働くことじゃないでしょ?

面白かったので、ハイライトをつけまくってしまった。

仕事を楽しむのが正しい!仕事こそ人生のやりがい!みたいな言説は世の中にあふれていて、私も素直に「そうなのか」と信じていた時期がありました。
学生が就活する時だって、リクナビの記事や特集が「仕事をする時間ってけっこう長い。だからこそ楽しめる仕事をするのが正解!」などと無責任なキラキラしたイメージをふりまいてくるんですよね。
そして1年後になるとリクナビNEXTが「今の仕事に不満ありませんか?だったら第2新卒での転職だってアリでしょ」とメルマガを送りつけてくる。
(別にリクナビが諸悪の根源だと言いたいわけではないですよ。リクナビのおかげで改善されたことだって山ほどあるしね)

それに対して森博嗣は、のっけから「人は働くために生きているのではない」とバッサリ。

人に羨ましがられたい人ほど、「仕事が楽しい」ことを自慢するだろう。

見せかけの「楽しさ」や「やりがい」を作ってしまうから、現場で実態に気づいた若い社員は、「こんなはずじゃなかった」と辞めていく。

森博嗣自身は、現場で研究をしていた若い頃は、やりたいことだったからずーっと集中して仕事をしていて、奥さんの手弁当もろくに味わわず機械的に食べて(食べ忘れることもあって)…という状態だったそうですがね。

仕事以外にやりたいことがあって当然じゃないか、むしろそのために仕事をしているんじゃないか。つまり趣味を楽しむために必要な準備として仕事をしているんだよ、というくだりも面白い。
趣味のため、カネのためだとわかっちゃいるけど、それでも仕事しんどいなぁ…なんて思うことは多いけど。でも、それもすべては趣味を楽しむための準備だから。

他にも面白かった文章を、いくつか抜粋してみる。

誰でも、自分が望むとおりの人生を送っている。愚痴を言ったり、不満があると思い込んでいるだけで、基本的に、いつも自分が「望ましい」と選択した道を進んでいるのである。これは動物でも同じで、危険を避け、自分が欲しいものを目指す。

「元気なんか無理に出さなくても良いから、ちょっと元気のある振りをして、ちょっと笑っている振りをして、嫌々でも良いから仕事をしてみたら? それで金を稼いで、あとでその金を好きなことに使えば良い。それが君の人生かも」と言ったら、身も蓋もないだろうか。

人間関係が酒の席で築けるなんて言うけれど、酒の席で壊れた人間関係の方がずっと多い。

個人的には、仕事絡みの飲み会は滅べばいいと思ってるし、仕事するのは趣味の費用をひねり出すためだし、この会社すばらしい!とキラキラ語りながら仕事してる人は勝手にやってくれと思ってる(でもなぜかキラキラお仕事系の人は「そう思いますよね?」と同じ価値観を押しつけてくるのが笑えるところですね!)

ハル(@sakuraSoftware)『マーチ!』


技術関係のKDP本を出しているハルさんが、2冊目の小説をリリース。
今度は婚活するアラサーSE女性のお話。

アラサー独身ですが何か

ちなみに、とりさんの現在のお仕事はWeb系です。
制作会社じゃないから、Web業界の末端って感じがするけど。
SEはIT系ですね。技術職でありながら文系の人にも広く採用の門戸を開いているので、学生時代の友人知人が大勢SEになりました。5年後には「しんどい辞めたい」って言ってる人が多かったけど。

Web系とIT系は、似て非なる業界ですんで、仕事の描写では、
「へー、そんな風に作業したりするんやー」
と感心しながら読んだ。こちとらコードレビューなんてしないよ\(^o^)/

いやーしかし、社会人になってから学生時代の彼氏と別れて、そのあと次の彼氏ができなくて仕事してるうちに三十路手前…って割とよく聞くパターンですね!涙が出そうです。
んでだいたい、学生時代の彼氏と別れなかった人たちは25〜29歳のあたりに結婚ラッシュが訪れて、それを聞きながら「おめでとう」「あー私もそのうち彼氏…つくらないといけないのかな…でも仕事で毎日疲れてるしもういいかなー…」とか言ってると、その次に来るのは「出産しました」報告です。
そろそろ妊娠出産できる限界年齢が近づいていることにようやく気づく三十路のあたりで、その報告ラッシュが始まります。そのうち「おめでとう」「ふーん、もうそんなトシなのかー」のあとで、「私もしかしたら子ども産めないまま終わるかもしれない…」って気づくからな。
(超長い)

さて、そうなる手前で、美人のお姉ちゃんに婚活しなよと言われて、しぶしぶ婚活を始める主人公。あうあうあう。ここ最近の人気婚活エッセイ漫画を思い出さずにはいられません。終わりの見えない婚活地獄。
御手洗さんとか↓

肉子さんとか↓

この話では、そこまでいかないんですが、仕事で疲れてたり、自分の限界を感じたり、自己嫌悪で泣きわめいたりしつつ、しぶしぶながら婚活パーティーに足を運んだり、男の人に誘われてお出かけしてみたり。でも「この人となら…!」というわかりやすいひらめきは、まだ訪れない。

これから話が盛り上がるのかなーってところで唐突に終わっちゃったので、続きが出るのを期待したいところです。

非常に笑ったのは、この部分。

…Windows XPですか! アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ
…右下に重要な更新とか出てるんですけど! アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ

私もこういうノリでKDP本を書いてみたいw