Kindle書評『天冥の標Ⅲ アウレーリア一統』と『百器徒然袋 雨』『百器徒然袋 風』

このブログ経由で、あまぞんの本やらなんやらをぽちって下さった皆様、ありがとうございます<(_ _)>
おかげさまで、今月もAmazonアソシエイトの紹介料が、Amazonギフト券の形で送られてきまして、右から左にKindle本の燃料へ。いつもの流れでございます。
いやー読みたい本がいっぱいあって楽しいなぁー。
シリーズものに手を出して、それが当たりだった時は楽しいでござる。

最近は寝る前に、布団の上でKindle読んでることが多いです。
かさばらないし、本棚まで移動しなくていいし、ストレスフリーである。これでさらに軽量化が進めば、もっとうれしい。
(Kindle Paperwhiteを買いたい欲求は、今のところおさまった)

ではでは書評いってみよー。

小川一水『天冥の標Ⅲ アウレーリア一統』


『天冥の標』、ようやく3巻を制覇です。

映像で見てみたくなる、宇宙を舞台にした闘い

今回は、「酸素いらず(アンチ・オックス)」の皆さんと、アウレーリア家に焦点を当ててますね。1巻目の『メニー・メニー・シープ』で見かけた地名や人名がぼろんぼろん出てきます。いわば1巻の人々のご先祖様。同時に、2巻目の『救世群』で登場した人々の子孫も出てきて、この3巻目で邂逅。

1〜2巻に比べて、私にとってはしんどい描写が少なかったので、読みやすかったです。
(しんどい描写…信頼していた医療関係者に殴られてレイプされる不治の病の女の子とか)

いかにもSF!って感じの、宇宙を舞台にした大捕り物や闘いのシーンが目白押し。
しかも、アンチ・オックスの皆さんは、男性も中性的な外見で、おまけに宇宙での戦闘シーンにはおよそ不似合いなひらひら・キラキラの衣装を着て白兵戦で電気をぶっ飛ばすので、映像化したらさぞかし映えそうです。
(なんでそんな衣装でも平気なのか、その理由もちゃんと書いてある)

ありとあらゆる娯楽要素をつめこんでやるぜ!という趣旨の大長編『天冥の標』ですが、3巻目ではBLと百合の要素も入ってます。何気に老女萌えも入ってたりする。アンチ・オックスの皆さん、なんでもあり。
ノンケの独身男性であるセアキの視点になって、女性カップルに目の前でいちゃつかれてげんなりと疲れ果てたり、男性カップルの片方から厳しめの態度をとられて「ありゃ嫉妬だな」とにんやり笑ったり。そんなに濃い描写は出てこないので、さらっと楽しめますよ。

一方、2巻目でその誕生の様子が明らかになった「ダダー」は、自分と敵対する何者かの存在をはっきりと意識し始めます。

この時点で、ああこいつ、やばいんじゃないかとダダーは嫌な予感がし始めた。

ダダーの語りの部分は、妙な脱力感があって面白いっす。

ダダーはドライな性格で滅びの美学など縁がなかった。何があっても生き延びるがモットーであり、それで宇宙を渡ってきた。

いいことです。
さて、これから先、どうなるのか…。
すでに4巻はぽちってあるよ!エロいらしいと聞いているので楽しみですね。この文体と世界観で、どんな風に盛りこんでくるのかなー。

京極夏彦『百器徒然袋 雨』『百器徒然袋 風』


京極夏彦の妖怪シリーズ(百鬼夜行シリーズ)から派生した、榎木津礼二郎をメインにした外伝的な2冊。
講談社のポイント30%還元セールでぽちりました。

勧榎木津懲悪だ!(意味がわからない)

久しぶりに読んだけど、いやー、やっぱ面白いね!

凡人の主人公が、ひょんなことから榎木津の探偵事務所へ仕事の依頼をしたがために、事態は火に薪と油を注いで大爆発。その後も京極堂や木場の「榎木津に関わると馬鹿になるからやめておけ」という忠告を無視して、ついつい榎木津のところへ顔を出しに行ってしまい、完全に下僕とされて巻き添えを食らう数々の事件。

妖怪シリーズ本編では、いつでもどっしりと構えている京極堂も、『百器徒然袋』では榎木津のせいで狼狽する様子を見せたりします。世界の中心が完全に榎木津礼二郎。

京極夏彦の作品の中では、伊佐間一成が1番好きなキャラなんですが、この2冊では今川雅澄がなかなか活躍してますね。のんびりとした雰囲気の語り口が、ちょっと伊佐間に似てる。ボケとボケみたいな感じ。

笑ってしまった会話や描写に、思わずハイライトつけたよ。

『百器徒然袋 雨』↓

「何度も云うがなこの馬鹿オロカ。僕を誰だと思っているのだ? おいそこのボロ松。僕は誰だ?」
「神であります」
 河原崎は真顔で答えた。どうかしている。

榎木津と、榎木津の信者である河原崎の会話。

『百器徒然袋 風』↓

紙芝居描きは芸術家のように脇目も振らず、職人のように割り切って、流行小説家のように量産しなければならぬのである。それなのに近藤は、文学者のように悩み、職人のように拘泥り、芸術家のようにスランプに陥ってしまった

紙芝居を描いて生計を立てている近藤について。

非凡な美形のおじさん

言わずと知れた榎木津について。
「美形」に「おじさん」がつくと、なんで突然こんなに面白くなるのだろう。

余談:おすすめの漫画

市川春子が、Kindle化されたよ!

この中では「日下兄妹」が1番好きです。