Kindle書評『インカ帝国探検記』と『朔為 – Kiss Under The Invisible Moon』

本を読みたいのに、Kindle Fire HDが重くて充電もすぐに切れるため、家の中でしか読んでいないとりさんです。
最近、Kindle Paperwhite買おうかなーって気持ちがふつふつと…。

すでにPaperwhiteを買った人からは、
「いいよー。軽いし、充電も長持ちするし。通勤中にちょうどいい」
との声が。ううう、ほしくなる。

持ち物を増やしたくないからKindleにしたのに、端末を2台も買うのは本末転倒ではなかろうか…。
でも軽いPaperwhiteとカラーのFire HD、どっちも捨てがたい…という感じで、気持ちがゆらぐ日々です。

一方、PaperwhiteでKindleの使い勝手の良さに味を占め、カラーの端末もほしくなってきて、すでにFire HDに手を出す人も何人か現れました。あまぞんさんの思うつぼですね!
私も人のこと言えませんが!

そんなこんなでKindle本の感想いってみよー。

増田義郎『インカ帝国探検記 ある文化の滅亡の歴史』


以前買った『ヴァンダル興亡史』と同じレーベルで、同じく紙の本は絶版です。Kindle化にありがとう。しかもこの分量と内容で399円とリーズナブル!(人気が出たら値上がりするかもしれんが)

他の絶版本もどんどんKindleで復活してほしいねー。SFとか、ファンタジーとか。ねぇ、ハヤカワ文庫さん。
(自分の好きな本ほど次々に絶版となる悲しみ)

征服によって国が始まり、征服によって国が滅ぶ

この本は、のちにインカ帝国の征服者となるピサロが、一攫千金を夢見て1524年のパナマ市に現れるところから始まります。
そして一筋縄ではいかなかったインカ帝国への征服の道筋をたどり、途中でインカ帝国の来歴をさしはさみ、史実に基づくと思われる建国の伝説や、国の体制が整っていくさまを語ります。
やがて、ピサロたちによって征服され、何度かの反乱ののちに帝国は完全に滅亡。
最後に、約400年の時をへて発見されたマチュピチュの話や、著者が現地におもむいた時の話が載ってました。

予想してはいたけど、インカ帝国が征服される時の描写は、つらかったっす…。
破壊と殺戮と陵辱、こればっかり。

戦争におもむいた兵士が敵の女をレイプする、という話を聞くたびに、私はリュック・ベッソン監督の映画『ジャンヌ・ダルク』を思い出しますよ…。
冒頭のシーンでジャンヌの家が敵に襲われて、彼女を戸棚の中にかくまったお姉さんはその場で殺されてレイプされてた。敵の兵士はお姉さんを戸棚の扉に押しつけてお腹の上あたりに剣をぶっ刺して、立ったまま犯す。それを一緒にいた他の兵士は無感動に眺めながら、家にあった食料を勝手に出してきてむしゃむしゃ食べてる。ジャンヌは必死で声を殺しながら、お姉さんの体を貫通して戸棚の中にまで入ってきた剣の切っ先を見てる。

トラウマです。
この本を読みながら、ちょくちょくそのシーンが脳裏にちらついてな…。

『銃・病原菌・鉄』では、インカ帝国がかくも簡単に征服されてしまった理由として、文字の不在による情報伝達の不確実さなどを挙げていましたねー。

この本では、皇帝が神の御子として絶対視され、人々は皇帝の意志に沿って動くことが当然であるという社会になってしまったがために、皇帝を捕らえられてしまったインカの人々はなすすべがなかったのだと語っていました。

処女とは何だったのか

個人的に盛大なツッコミを入れたのは、インカ帝国の信仰の対象であった太陽神の神殿で働く「太陽の処女(アクリャコナ)」。
皇帝の身の回りのしたくをすると同時に、神聖な神殿の儀式を行うのが彼女たちだったわけですよ。国中から選ばれた美しい処女。もし彼女たちに手を出そうとする男がいると、残虐な方法で殺されたという聖なる処女。
帝国が大きくなるにつれて、10歳の段階ですべての女の子たちがふるいにかけられて選抜され、そこからさらに選ばれた子が首都の神殿に送られたそうですが…。

ただし、処女たちは、おのずと皇帝の後宮を形成していたから、インカの子をはらむものがすくなくなかったが、そういう場合には、神の子をみごもったものとみなされた。一種の処女懐胎の信仰が政治的に強要されていたのだ。

…処女…とは…。

もちろん、首都クスコが征服された時は、彼女たちもレイプされた。

犬子蓮木『朔為 – Kiss Under The Invisible Moon』


犬子さんが詩集を出したよ!現在、無料キャンペーン中です。
今回の表紙は凝ってますねー。シンプルすぎる『ミライカナイ』や『白く汚れて冷たく綺麗な』と比べると一目瞭然なんだぜ。本文とまったく関係ない猫が表紙を飾っている『2月は死神』とちがって、ポエムに合いそうな感じなんだぜ。

普段のツイートのイメージを裏切らない

60本くらいのポエムが並んでます。
なんつーか、犬子さんって感じです。
彼が普段ついったーで書いてる言葉とか、彼が興味を持ってツイートで紹介してくる記事とか、そのへんの印象そのまんまです。そうそう、犬子さん、社畜もタバコも飲み会も嫌いだったよねー、がんばれって言葉は遣わないようにしてるって言ってたよねー、って感じのポエムです。

そのためか、露骨に森博嗣っぽい!みたいな影響は感じません。
自分の詩集を売りこむべき商品ページの紹介文で、森博嗣の詩集をおすすめしたりしていて、そのへんは相変わらずなんですけどね。
これか↓

犬子さんの本は、誤字脱字をチェックしてブクマつけながら読んでるんですが(もはや校正担当)、今回はポエムなので、どこまでがわざとで、どこまでが本気でミスってるのか、どっちかなーって思いながら読んでました。
(わざとかなーと思ったものも一応、誤字脱字としてチェックつけた)

あと、月が何回も出てきた。月はただきれいなのに、みたいな言い回しがあったりして。
タイトルも朔月の朔が入ってますねー。

中学生の頃のとりさんは月が大好きで、やたらと月にまつわるポエムを書いたり、カーテンを開けて満月の光を浴びながら寝たりしていたので、ちょっと親近感を覚えました。
(中学生の頃に書いたポエムは、データ化してなかったので、もう残ってないけど!)

自分が好きなポエム、どれだったかなー。「猫目月」とか。
あと他にもいいなって思ったはずなんだけど探し出せない…。