Kindle書評『決弾』と『ジェフ・ベゾス、かく語りき』

部屋の掃除したり、Kindleで読書したりしてGWの初日をすごしています。
漫画以外のKindle本も、ぽちってるよー!

今日の書評は、さくっと読める短めのノンフィクションです。

小飼弾『決弾 最適解を見つける思考の技術』


あの超有名ブロガー・小飼弾だよ!
お求めやすい価格だったので、ぽちってみた。
そういえばこの人の著書を読むのは初めてかもしれない。

ネット歴が長い割に、ネットで有名な人を知ったのはここ数年という私め。
小飼弾という名前を知ったのも、チャールズ・ストロスのSF長編『アッチェレランド』が出たあたりでした。遅っ!(小飼弾が巻末に解説を書いているのです)

読みやすい文章でした。
当然のことながら、ブログで彼がくり返し主張してることが、この本でも語られてました。
もちろんすべてに賛同するわけじゃないんだけど、「自分から与えない人、相手が何を求めているのか考えずに自分ばかり求めている人に、愛が与えられることはない(大意)」って主張は、本当にその通りだと思います。

この本では、決断に関する考察と、悩み相談に答えるコーナー、勝間和代との対談、参考図書の簡単な紹介が載ってました。100円なのにお得だのう。
面白かったところを一部紹介すると、こんな感じ。

結婚したあとに配偶者を他人と比べてしまう人は、子どもに対しても同じことをしがちであるように僕には思えます。(中略)
だから、配偶者を他人と比べて不満を募らせる人は、離婚すべきというより、離婚「される」べきです。

比べたらあかんよね…うん…。
私だって子どもの頃、「誰それちゃんはこんなにできるのに」って親に言われたら、すごくつらかったし、比べるのはやめて!って思ってたもの。夫婦も同じね。

だいたい子どもに勉強しろと言う親は、本人が楽習(がくしゅう)していないものです。

近所の人から「とても本を読むお子さんでうらやましい。うちの子も本を読んでほしいのに全然読まなくて…」と言われた母が、
「正直、あそこの親御さんが本読まへん人やから、そりゃ子どもも読むわけないと思うけどな。親が面白がって本読んでたら、子どもかて放っといても読むわ」
とあとで言ってたのを思い出しました。

ゆとりがあって完全に何もしない人は、ある意味、尊敬に値します。それはいろいろな宗教が目指してきて実現できていないことですから。

これは勝間和代の発言。はっとした。覚えておいて、あとで確認したい。

テレビと比較した場合の、本の決定的な長所は、自分の気持ちに合わせて選べるということです。(中略)
あなたの気分は、テレビ局のものではなく、あなたのものです。本なら、あなたの気分に合わせられます。この点において、いまだに本以上のメディアはありません。

そうそうそうそう!(ひざを連打)
私が動画を苦手なのって、そのせいなのかな…テレビも映画も苦手なんよ…。

そう、「事実」ではなく、「認識」について私たちは100%の責任を持っている。

フィリップ・マグロー『史上最強の人生戦略マニュアル』の紹介にて。
人生に何が降りかかるか、選ぶことはできないし、責任はない。でも、それに対して自分がどんな反応をするか。そっちが問題だと。

Steven Levy『CEO OF THE INTERNET ジェフ・ベゾス、かく語りき(WIRED Single Stories 010)』


我らがAmazonをつくった、ジェフ・ベゾスへのインタビュー。
Kindle Fireが出た時の話です。この人、あんまりインタビューに出なかったりするので、こうして情報が出るのはいいですね。

世間ではあまり知られていないけど、ジェフ・ベゾスはAppleにとってのスティーブ・ジョブズと同じような存在である(いなくなったら会社はどうなるかわからない)という話を聞いて以来、興味がありますよ。

紙の本は高すぎる?

Amazonはもっと長いスパンで事業の方向を考えているんだ、とか、いろんな話が出てきます。
中でも私が最も気になるKindleの話題では、電子書籍の値下げに関して、ベゾスはこんなことを語ってました。

わたしたちは業界全体を道連れにすることが自分たちの仕事だと考えています。音楽業界の顛末が大きな教訓となるはずです。同じようなことが起こる前に、先手を打たないとだめなんです。

音楽業界の顛末…CDが売れなくなって、ネットのストリーミングや定額制や動画サイトで音楽を聞くのが主流になりつつあることやんな、これ。
パッケージが売れなくなって、データで皆が手軽にアクセスして手に入れるようになった時、何が起こるのか。

その直前に、一般向けの本は、9.99ドルが読者に許される最高価格だよ、みたいなことも言ってます。多分、小説のような娯楽作品のことだと思う。教科書や専門書以外だって言ってるから。
9.99ドル…今のレートでだいたい980円くらいですね。
でもアメリカの出版事情は、日本とまたちがうからなぁ。日本の文庫本や新書って、いい紙使ってるし、ちゃんと綴じてあるから長持ちするもんねぇ…。

あと、インタビューでは、著者に対して支払われる印税が安すぎる、Kindleで出せばもっと印税の割合は高くなるよ!ってことも言ってました。条件を満たせば、ロイヤリティが70%になりますしね。

余談:さっきぽちった本


大森望が監修し、大勢の作家が参加しているSF短編集シリーズ『NOVA』。1巻は紙の本で読んだことあるよー。

Kindleでは、まるまる1冊のバージョンと、収録されている短編を個別に買える分冊版の両方がリリースされてます。
飛浩隆の「自生の夢」を気に入ってたので、分冊版でぽちりました。
飛浩隆は『象られた力』という短編集が好きなんですが、こっちはまだKindle化されてないの…。