Kindle書評『ネコを撮る』と『オリオン座はすでに消えている?』

Kindleの欠点は、非常に積ん読しやすいことです!
あぁ、もっと本が読みたい(さらに積ん読が増えるフラグ)

今回の書評は、新書のKindle版です。
新書の長さって、Kindleで読むのにちょうどいいと思うの。お値段も紙の本だと700円くらいのところを、Kindle本だと500円くらいになります。500円までの価格だと買いやすいよねー。
800円のKindle本もホイホイぽちってる私には今さらですが!

いってみよー。

岩合光昭『ネコを撮る』

写真に詳しくない私は存じ上げなかったのですが、動物写真家の人によるエッセイです。
道端の猫を撮る秘訣が、たくさんの猫の写真とともに語られてます。

自然体が猫を撮る秘訣

猫の写真なんて卑怯やで…思わずぽちってもうたがな…!
最初にフルカラーの写真が何ページが続き、本文中でも1エッセイにつき1枚はモノクロの写真が入ってきます。ねこねこねこ。

猫に警戒されないためにはどうすべきか、撮影に適した時間帯や場所は?などが読みやすい文体でつづられていて、気軽に読めます。
メスよりオスの方が撮影に適していること、圧倒的に朝が有利であること、子猫を撮る時は母猫に嫌われないようにすること、他の国で猫を撮影した話…。

それほど本を読まない人にもおすすめしやすいですね。
軽い感じで読みやすいし、ひとつひとつのエッセイが短いし、こまめに猫の写真が入ってるし、動物ネタは広く受けやすいから。猫を飼ってる人にも鉄板でおすすめできるんじゃないかなー。

縣秀彦『オリオン座はすでに消えている?』

すでに知ってる内容が多そうだなーと思っていったんスルーしたものの、何日もたってから「やっぱ読もう」とぽちった1冊。
確かに知ってる内容が多かったんですが、新しい本なので最新の情報もけっこう入ってて、新旧の情報を練り合わせてあるから読んでて面白かった。

子どもの頃と変わらない、わくわくする感じ

正確に言うと、すでに消えているかもしれないのは、オリオン座ではなくてベテルギウスです。
ベテルギウスが、いつ超新星爆発を起こしてもおかしくない状態であるという話から始まり、超新星爆発の仕組みと古文書に記された歴代の超新星爆発、星の一生とは、そして宇宙や太陽系や地球の成り立ちとは…をおさらいしながら、カミオカンデや天体望遠鏡の発展とアマチュア天文家の功績までも語ります。

あーやっぱり楽しいなー。天文の話。

以前も書いたように、私が本格的に天文の話を読むようになったきっかけは、10歳の頃に父が譲ってくれたカール・セーガンの『COSMOS』でした。
だから今でも、天文学の本を読むと、私はどこかであの頃のことを思い出してる。
紀元前から20世紀までに至る研究者たちのドラマにわくわくしたこととか、アレクサンドリア図書館にあこがれたこととか、すごく面白くて何度も何度も何度も読み返した『COSMOS』の少し古びた紙のページとか、父が赤鉛筆で本文の横に引いていたラインとか。

母が小型の天体望遠鏡を買って、月面のクレーターを見せてくれたこととか。
月が見たかったので、窓辺にベッドを置いてカーテン開けて、満月の光を浴びながら眠ったこととか。
毎晩寝る前にカーテンを開けて星をチェックしていたら、ある晩とても大気が澄んでいたのに驚いて、寒さにふるえながらベランダに出て、シリウスやオリオン星雲を眺めたこととか。
大勢の子どもたちと滋賀の山奥の天文台に泊まって、真夏の屋上に皆で寝転がって天の川や流れ星を眺めたり、天体望遠鏡でスピカや太陽を見せてもらったこととか。
小学生の頃に木星へ衝突したシューメーカー・レヴィ第9彗星の写真を、新聞から何枚も切り抜いたこととか。
ヘール・ボップ彗星を見るために、父と午前3時の京都市内を車で走ったこととか。

大人になった今でも、子どもの頃の感覚を思い出すの。
わくわくして爪先がちょっとこそばくなる、あの感じ。
(こそばい:関西弁で「くすぐったい」の意)

宇宙は男のロマンだよね、みたいな言い方は嫌いだし(それに私は女だっつうの)、そんな言葉で自分の気持ちを表現したくない。ただ、ぞわっとして、わくわくする。

でも、学校には天文部など存在しなかった。
さすがに大学には天文部があったのですが、大学に入った頃のとりさんはすっかり朝型生活になっていて、「眠くて夜更かしできない」という理由で入部しなかったのでした。

望遠鏡のあれこれ

ちなみに、『オリオン座はすでに消えている?』には、ハッブル宇宙望遠鏡、すばる天体望遠鏡の話も出てくるので、そのへんの本をもっぺん買いたくなっちゃったよ!
でも岩波新書やからKindle化されてへんねん…しょんぼり。

『カラー版 ハッブル望遠鏡が見た宇宙』
(続編も2冊出てる)

『カラー版 すばる望遠鏡の宇宙』

上記のすばる望遠鏡の本には、もちろんすばる望遠鏡の写真も載っているんですが、その説明に、
「横に写っているのは、アメリカの富豪のケックさんのケック望遠鏡」
みたいなことが書いてあった気がする。

「ケックさんってww ケック氏じゃなくて、ケックさんかよ!」
と笑いまくった記憶があるのですが、ケックさんの望遠鏡の話も『オリオン座はすでに消えている?』に出てきましたよ!

ケック望遠鏡は、ケック財団が寄付してつくられた望遠鏡だそうです。実際に使っているのは、カリフォルニア大学の研究チーム。
(望遠鏡は非常に高額なので、ロックフェラー財団などの財団が寄付することが多いらしい。ヨーロッパやアメリカなどでは、社会貢献の一環で、富豪になった人が天文関係にも寄付するんだってさ)

なんで岩波新書では、ケック財団じゃなくて「ケックさん」だったんだろう…。