Kindle書評『ドナルド・キーン自伝』と『The Tale of Peter Rabbit』

今までにぽちったKindle本が100冊を超えて(うち無料だったのは5冊前後)、順調に電子書籍ライフを送っているとりさんです。
おいでよ!Kindle沼!

そうそう、Kindle本のアップデートが簡単になりましたね!
今まではいちいちお問い合せフォームを使う必要があったんですが、本日、My Kindleにログインしてみたら、アップデート対象の本には「アップデート対象を利用可能」って表示が出てる。ワンクリックでアップデート版をKindleに送信できるようになってます。
これで、誤字脱字や加筆修正などのアップデートが、いっそう使いやすくなるよ!

今回の書評は研究者の自伝と、すでに著作権が切れている名作絵本です。
アマチュアの人が出してるKDP本も面白いんやけど、しっかりとまとまった長い本を読みたい時や、自分が知っている人の本を読みたい時は、どうしても出版社から出てるプロの本ばかりに手を出しちゃうね。
いってみよー。

ドナルド・キーン『ドナルド・キーン自伝』

日本文学研究の第一人者の自伝。
ドナルド・キーンがどんな人であるのかは、おぼろげに知っていながら、著書を読んだことはほとんどなかったのです。小学生か中学生の頃に父から借りた、司馬遼太郎との対談くらいしか読んだことない。
ちょうどよかった!と思ってぽちりました。

東日本大震災のあと、多くの外国人が日本を離れる中、ドナルド・キーンは日本への永住を表明し、2012年には日本国籍を取得しています。新聞でも記事になってましたねー。
ぶっちゃけ、すでに90歳というご高齢だからこそ、「地震だの原発だのリスクはあるけど、この国ですごしたいから、僕は好きにするよ」って言える部分もあるだろうなと思う。30代や40代だったら、自分の家族や今後のキャリアが気になるでしょうし。

数多くの幸運に恵まれて、今ここにいる

運動音痴で、野球が重要だった同年代の男の子たちからは下に見られていた少年時代のドナルド・キーン。
スポーツが苦手なとりさんも思わず共感したのですが、キーンさんは飛び級をして州1番の成績をおさめて奨学金ゲットして16歳で大学に合格するくらいには成績優秀ですからね!自分と一緒にしちゃ駄目だからね!

迫り来る戦争に恐怖していた時、たまたま手に入れた『源氏物語』の美しく悲しい世界に(現実逃避の意味もあって)のめりこむ。これがドナルド・キーンと日本文学との出会いでした。
なんだかわかるな、と思った。
現実が苦しい時って、まったく別の世界の美しくきらきらした話を求めたりするんよね。せめて夢だけでも素敵なものを見たいって感じで。

キーンさんのこれまでの経緯とともに、さまざまな学生や教授、研究者、作家たちとの交流が、懐古の情とともにつづられ、あーこの人、古き良き日本を体感してきた人なんだなーって思いながら読んだ。

キーンさん、戦時中は日本語通訳として海軍に配属され、戦後、中国に飛ばされたものの、日本に行きたい一心で帰国を申請し、その帰路に日本を訪れます。

あと一カ月戦犯調査の職務を続ければ、北京に一週間行かせてやると言われたが、私は断った。当時の北京を見なかったことを、今になって後悔している。それは、無残にも近代化される前の北京だったのだ。

あらら、それは確かに残念だったね…。
近代化云々以前に、毛沢東のせいで破壊されちゃったものがたくさんあるしね…。

とある中国人の先生(考古学専攻)が、
「北京には清朝をしのばせる美しい街並みがあったはずなのに、教養のない田舎者の毛沢東が農民に破壊させたんだ!あいつ田舎者だから何も価値がわかってない」
みたいなこと言ってはった気がする。

その先生は都市部出身のインテリで、天安門事件の時に「なんか皆集まってるから行こうぜ!」と誘われて現場に行った学生のひとりだった。今は日本人と結婚して日本に住んでいるから、心おきなく中国や毛沢東の悪口を言えるというわけだ。うーん…インテリの本音が…。
(もちろん毛沢東による破壊は、中国でおおっぴらに言えることではない)

キーンさんは、さまざまな幸運のおかげで自分はこういう経緯をたどって、今ここにいるのだ、という趣旨のことを書いてます。
確かに幸運だったのでしょう。
一方、彼と交流のあった日本人の作家たちの多くが、彼よりも若くして先に亡くなっており、懐かしさとともに、はかない気持ちが行間からにじみ出てくる自伝でした。源氏物語が美男美女の華やかな世界を描きながらも、悲哀で満ちているように。
(私は源氏物語、好きじゃないけど…)

Beatrix Potter『The Tale of Peter Rabbit – Complete with Illustrations (Annotated) 』

ピーターラビット!
とっくに著作権が切れているため、0円の本もあったのですが、フルカラーのイラストがついていて、表紙もちゃんとピーターラビットになっているものがほしかったので、これをぽちっとな。

記憶に頼って読んだ

英語なので、半分くらいは遠い記憶をたどって思い出しながら読みました。
そうそう、フロプシーにモプシーにカトンテールにピーター…名前がリズミカルやんな…。

子どもの頃、ピーターラビットの絵本は、絵本なのに文庫本くらいのサイズで、3冊ずつ箱に入った状態で販売されてて、なんだかちょっとおしゃれでお高い感じがしたものでした。
最初の3冊が入ったセットだけ買ってもらった。

私は絵よりも、たくさん文字が読みたかったので、その後、ピーターラビットの絵本をおねだりすることはなかったのですが、Kindleストアで見かけたら懐かしくなって、ついぽちっちゃったよ。

ちなみに、英語学習の教材としてのピーターラビットもありましたよ。Kindleだと手軽でいいね。

著者のベアトリクス・ポターが女性だったという理由で、生物学者になる道を絶たれた(論文を拒否された)というエピソードも思い出しながら読むと感慨深いよ。
確か高校時代の英語の教科書に、その話が載ってたなぁ…。