Kindle書評『電柱幻想』と『雑文集 I』

Kindle書評、立て続けにいってみよーう。
今回はKDPを2本立てです。「きんどるどうでしょう」「キンドる速報」で記事が出てるよ!

では私の感想をば。

なかせよしみ『電柱幻想』

電柱を巨大な女の子に擬人化した漫画。
電柱に関わる小ネタをいくつか集めた感じです。

巨大な女の子といえば、谷山浩子の「キャンディーヌ」だ!
と思ってツイートしたら、なんと著者からお返事が。

このツイートがきっかけで、ぽちりました\(^o^)/

電柱、このマニアックな趣味

この漫画、見る人によっては、
「巨大な女の子が何本もの電線に緊縛されている絵」
という萌えポイントを持っているようなのですが、私はそのへんの趣味が全然なかったので、普通に電柱の豆知識漫画として楽しむことができました。

電柱って、そのまま描くと、本当にただの棒が突っ立ってるだけになっちゃうので、豆知識をネタにしても絵面が地味になっちゃうと思う。擬人化のおかげで絵もにぎやかになるし、すんなり頭に入ってくるよね!

電柱といえば、私が思い出すのはポストカードです。
学生の頃、他大学の研究会に参加していた先輩のお誘いで、京大生が古民家か何かを借りてまったりとイベントをする「なぞやしきカフェ」というものに顔を出しました。
その時、カメラをやっている男性(恐らく学生)が、自分の写真を印刷したポストカードを1枚100円くらいで販売してはったんですよ。

その中に、夕焼けのポストカードがあった。
電柱や家々の屋根の影が並ぶ向こう側に、赤とオレンジの鮮やかな夕焼けがあって、これが1番好きだ!と思ったので、買って帰りました。

電柱って、そこにシルエットがあるだけで、街並みを表現してくれるんやね。

オドネル・ケビン『雑文集 I』

子どもの頃、とある日本のマイナーなバンドの音楽に熱中したことがきっかけとなって、日本に留学し、さらには日本語で作家になるという夢を抱いたアメリカ人のオドネル・ケビンさん。
この本は彼のエッセイ集で、他にも2冊出ている模様。

それは至極当たり前のように

インタビューによれば、最初は自分で全部書くことにこだわっていたそうですが、作品の完成度を高めるべく、日本語のネイティブの添削を受けるようになったそうです。
確かに誤字脱字とか変な表現とかはほとんどなかった。
「大きな」が「大きいな」になってたり、「ジェニー」の「ニ」が漢数字の「二」になってたりする箇所はあったけど、それくらいかなぁ。
(特に後者はフォントによっては見分けがつかないので、校正してても見つけづらいと思う。明朝体だと一発でわかるんだけど)

収録されているエッセイは、全部で12本。
日本のスーパーの不可思議な点を描写した「僕は日本が大好きだが…」と、親友のロジャー・スワンについて語った「英雄」が面白かったです。
前者は笑えるし、後者はしんみりする。

もちろん、日本語で本を書いて作家になる!と夢を抱くまでのいきさつも面白いです。他人の人生ってなんでこんなにおもろいんやろな。
高橋絵里香『青い光が見えたから』を思い出した。
ムーミンがきっかけでフィンランドの高校に留学した女の子の話ですよ。まるでフィンランドに行くことが運命づけられていたかのように、ごく自然に、すんなりとフィンランド留学を決めるんよね。

日本については、地震も残業もめっちゃ多くて住みづらい国、という印象が海外で広がりつつあるらしいのですが(特に3.11の影響は大きかったみたい)、それでも、こうして日本語やら、あるいは日本のアニメやら漫画やらを好きになって、日本に来てくれる人がいるのは、それだけでありがたいことですね。
きっと、どこの国の言語も、勉強すればするほど「なんでやねんww」とか「こんな考え方もアリかよ!」とか発見があって、面白いと思う。

日本人以外での芥川賞受賞者といえば揚逸さんを思い出しますね。
賞を決める選考委員側がいろいろと問題だらけという裏話については、『文学賞メッタ斬り!』で語られてしまっているだけに、素直な心で芥川賞を見ることができないのですが、さて、どうなりますことやら。