Kindle書評 『Gene Mapper(ジーン・マッパー)』と『パーネ・アモーレ』

正月休みにKindleで本を読みすぎて、気持ち悪くなったとりさんです。
以前、ネカフェでゲームしすぎてエコノミー症候群で死亡…みたいなニュースがあったけど、ずっと同じ姿勢で寝食やトイレを忘れて本を読みふけってると、同じようなことになりますよ\(^o^)/
…そんなアホは私だけでしょうね!


正月休みの最終日には、思わずこんなことを書いたのですが、一夜明けて日曜出勤したら体調も治り、6連勤の合間にKindleの読書を楽しんでました。

というわけで、連休に入ったし、本の感想いってみよー。

Fujii Taiyo(藤井大洋)『Gene Mapper(ジーン・マッパー)』

ついに読みました!
けっこう前から出てて話題になってたのに、そして去年のうちにぽちってたのに、なんでまだ読んでいなかったのでしょう。
それは、「面白いと評判だから、後回しになってた」のです。

売れる本を後回しにしてしまう理由

たとえば紙の本を買う時って、私の場合、一般に広く売れてるような本はあまり買わないんですよ。
「今すぐ買わなくても大丈夫やな、来年もちゃんと店頭に並んでそうやな」
「私が応援しなくても大丈夫やな。これだけ普通の読者がファンについてるんやし」
って思っちゃうから。
(毎年そう思うので機会を逃し続ける)

逆に、マニアックな本や、一部の人にしか知られずに消えてしまいそうな本は買ってしまう。
すぐ絶版になりそうだから、今のうちに!って思うのね。
私がSFに手を出したのって、そのせいかもしれない…。
だって私が好きな大原まり子も、ニコラ・グリフィスの『スロー・リバー』も、絶版になっちゃったもの…高校大学時代は手に入ったのになー。でもよく考えたら、あれからもう10年もたってる…うっ…加齢…。

それと同じで、『Gene Mapper』も後回しになってました。
「この本はきっと面白いから、あせって読まなくても大丈夫」って。

本当にありそうな近未来のSF

でも正月休みが終わってから、ようやく読みましたよ!一気に読めた!

のっけから面白い予感がぷんぷんしてたんですが、やっぱり面白かったー。
Web系の人は「おお、こんなところにCSSが」って感じで、にやっとしながら読めるんじゃないかと思うの。

私が中高年になる頃には、人間の食べる穀物はみーんな遺伝子組み換えになっているのだろうか。
そして『Gene Mapper』や、チャールズ・ストロス『アッチェレランド』のように、リアルと拡張現実の交じり合う生活が当たり前になっているのだろうか。
いろんなSFが、そういう世界を描いているから、多分そうなるんだろう。人間は「こうなる」と思った方向に動いていく気がするから。

でも、宇宙旅行などのさまざまな近未来を想像した昔の絵画を見ていると、そこに登場する女性たちは当時の風習と変わらぬ堅苦しいコルセットとドレスを身に着けていたりする。
技術の進歩を予想することはできても、価値観や思想の変化を予想することは難しいんじゃないかな。誰しも自分が生まれ育った時代の影響を受けているものだし…。
たとえば10年前の私たちは、iPhoneやTwitterやFacebookの登場も、それによってどんな風に生活が変わり、考え方が変わっていくのかもわからなかった。

だから、こういう近未来SFの描く世界が現実になった時、私たちはどんな風に考えて生きているのかな、ということを、最近よく考える。
ここ10年での変化が激しい中国では、世代間のギャップもかなり大きなものになっているらしいのだが、「生まれた年が5年ちがうだけで価値観もかなり変わる」みたいな現象は、今後どんどん広まっていくのかな、って。

田丸公美子『パーネ・アモーレ』

米原万里のエッセイに紹介されてて、まんまとぽちった1冊。
イタリア語通訳の著者による初のエッセイ。

目次は第1部、第2部のような大きな区分けのところだけリンクがついていて、個々のエッセイに飛ぶリンクはついていないという中途半端な設定でした。

マザコンの国?

イタリア語通訳の仕事にまつわるさまざまな実話や、通訳に興味を持った生い立ち、イタリア人に関するエッセイなどがまとめられています。
特にイタリア男のマザコンぶりについては、ちょうどヤマザキマリのエッセイ漫画『イタリア家族 風林火山』をKindleでぽちったところだったので、「あぁ、やっぱりそうなの…」って感じだった。

そういえば、女性に家事を押しつけがちな日本とイタリアの両方で、婚姻数も出生率も減少傾向にあるというのは、ずっと前から指摘されてるねぇ。ドイツも合わせて第二次世界大戦で敗北した枢軸国の3国が同じ現象を見せている、という指摘も読んだことあるけど、どの本だったか忘れた。

高値で売れたと喜んではいけない

私が読んでいて1番笑ったのは、「私の値段」というエッセイ。
イタリアでは派手で化粧の濃い美人がモテるため、自然と田丸さんも八代亜紀風の濃い化粧にセクシーな衣装といういでたちになっていったそうなのだが…。

ある日、高級店で買い物をしていると、きちんとした身なりの紳士が近づいてきて、小声で金額をささやいてきた。
同じ日に物乞いから同じことをされていた田丸さんは、「こんな立派な格好をしているのに物乞いなの?」とかんちがいしたのだが、その紳士、相手が外国人なので伝わっていないと気づいたのか、最後には「私と寝てくれれば50万リラあげます」とはっきり言ったのである。

地味なスーツ姿をしていたのに、娼婦とまちがわれたのか!というショックでその場を逃げ去る田丸さんだったが、ほっとしたあと、当時のイタリアでは破格の金額を示されたことに思い至って、思わずローマ人の友達に自慢するのである。

「ねえねえ、私の価値ってすごくない? ほんの五分間目を閉じてるだけで五十万よ。見直した?」
 彼女は私をしばし冷たく見つめて言った。
「クミコ、あんた三つの大きなまちがいを犯してるよ。一つ、目を閉じるだけじゃなくて、脚は開くのよ。二つ、イタリア男は五分じゃ終わらないわ。三つ、絶対一回じゃすまないし、条件聞いてごらん。へたすると二、三日、ううん一週間契約だったかもよ」

脚は開くのよww

爆笑して、その場にいる母に聞かせたら、母も「なるほどな!」と言いながら笑ってました。

余談:現在のKindleライフ

仕事が始まって以降、Kindle本を1冊もぽちらず、エア積ん読の消化につとめておりました。
…が、Kindleストアでは、毎週金曜になるとセール商品が入れ替わる。
そう!仕事が終わって気がゆるんだところに、「今週のセールはこちらです」ってやるんですよ、あいつらは!

…というわけで昨日、一気に4冊ぽちりました。

現在、とりさんの所有するKindle本…76冊
(さらにKindle Fire HDは、デフォルトで辞書が4冊ついてる)

あれ?!もうそんなに増えてた?!