谷山浩子「わたし帽子」は見た目よりも普通じゃない歌

日差しの強さに耐えかねて、先日、帽子を買いました。
というわけで今日は、谷山浩子の「わたし帽子」という歌について書くよ!
歌詞検索サービスはコチラ

『夢みる力』というアルバムに入ってます。

最初に聞いた時は、
「あぁ、うん、浩子さんらしい歌やんねー。まぁだいたいこういう展開になっちゃうよねー。むしろ普通の歌やんね」
と思ってそれっきりだったんですが、実際に帽子を買ったあとで、
「あの歌、思ったよりいろいろあるぞ」
と思い始めたのです。

蛇足ながら帽子を買ったいきさつ

今までは一応、母にすすめられて日傘を持ってはいたのですが、ろくに使わないまま、2回くらい捨ててました。
というのも、日傘って重たいし、何より邪魔だから。
道を歩いていて、日傘の人とすれちがう時なんて、日傘の先っちょが目に入りそうで怖いんですよ。自分が日傘を使う時は、周りに同じ迷惑をかけちゃうわけだし…。

考えた結果、「日傘よりはるかにマシ」と思って、帽子を買ったのです。
帽子屋さんでは試着するたびにぶっかぶかで、まるでコントのような様相を呈していました。途中であきらめて帰りそうになったべ…。

ちなみに、在庫の帽子ではサイズが合わなかった関係で、おしゃれなかわいい帽子ではなく、いかにも日除け目的って感じの帽子です。

わたし帽子は、どんな帽子?

で、歌について。
最初は普通の歌だと思ってたんですよ。
「こういう展開、浩子さんの歌だと、よくあるよね。てか浩子さんの歌じゃなくても、割とよくある」って。

大島弓子の絵で情景が浮かんだのですが、よく考えたら大島弓子の『綿の国星』でも最初の方に似た展開が出てきたやんな。チビ猫の飼い主の男子学生が、女の子にひとめぼれしちゃってさ。

けど、これ、帽子やんね?

多分この歌って、素直に解釈したら、
「あなた(男の人)と、わたし(帽子)と、あなたが見つめ合ったあの子(女の人)」
の歌なんやけど、この帽子って、果たしてどんな帽子だったのかしら?

男性用の帽子と、女性用の帽子って、デザインが全然ちがいますよね。テイストというか。
最初に歌を聞いた時は、この帽子は「あなたといつも一緒に寄り添って生きてきた女の人」みたいな感覚で聞いていたのですが、男の人がかぶってる帽子って、男性向けのデザインのものやんな…。
ぼんやりと聞いてた歌のイメージと、実際の帽子のイメージが、なんかちがうぞ。

多分こんな帽子

何パターンか、考えてみました。

1. 地味系もしくはボーイッシュ系

この帽子は、ゆるふわとかキュートとかそっち方面を苦手とする地味系の女の人か、あるいはボーイッシュな女の人なのです。
見た目は男の人がかぶってても違和感のない帽子。

で、「あなた」が「あの子」に一目惚れしちゃうあたり、きっと帽子のライバルである「あの子」は、地味系でもボーイッシュでもないのでしょう。
派手ではないけど清楚系で、それとなくキレイに装っているのかもしれません。直球ストレートで、ゆるふわ系のキュートで流行りの女子力も高そうな人かもしれません。

自分とは全然ちがう(一般的にモテそうな)系統のライバルに、ずっと寄り添ってきた相手が一目惚れ…これはもう悲しいですね。悲しいのを通り越して腹立たしいですね。
わたし帽子さんは、「あなた」のことなんか忘れて、むしろ自分の方から捨ててやったんだくらいに思った方が生きやすいと思います。
どうしてもくやしいなら、自分の見た目にちょっとだけ清楚系・ゆるふわ系を取り入れればいいと思うよ。あ、でも帽子だから、男の人が身につけられる範囲で。
(無理じゃね?)

2. わたしが男だと誰が言った?

この帽子は、「わたし」って言ってるけど、実は男の人なのです。性別なんて歌には出てきてへんやん!
だから見た目も男テイストだし、男の人がかぶってても違和感ない。

腐女子に話せば、「つまり、あなた×わたし帽子ですね?!」などと掛け算が始まりそうですが、別に恋愛感情が芽生えてなくてもストーリーの大筋は変わらない。

「今まで俺とずっと一緒につるんでた友達が、彼女できてから人が変わったようになってしまった。つーか、つきあいも悪くなった、バカヤロー!リア充爆ぜろ!…俺、週末になったら淋しいじゃん…」
みたいな話は、割とよくあることです。

この場合、恋愛初期の浮かれモードを抜けて落ち着いた頃に、「あなた」の元へ戻るのもいいですが、私の予想では「あの子」が新しい帽子をプレゼントしちゃってそうです。戻っても居場所がない!
なので、わたし帽子さんは、すでに家庭を築いている人のところへ行き、第2の人生を歩んでもいいのではないでしょうか。
たいていの場合、「一目惚れをして、帽子が風に飛ばされても気づいてくれない」というケースは避けられるはずです。はず、です…多分…。

3. あなたが男だと誰が言った?

帽子も、帽子をかぶっている「あなた」も女の人です。だから帽子も、かわいくておしゃれで女の子っぽくても全然問題ない。
そうなると、「あの子」は男の人なのかもしれませんが、男をあの子呼ばわりしてはいけないという決まりなんて、どこにもありません。年下のかわいい系かもしれないし。

もしくは、「あの子」も女の人で、女同士の三角関係になるかもしれませんが、別に百合であるとは限りません。

たいていの場合、女の人は友達グループ同士で固まりやすいし、誰かひとりだけが人とちがうことをしていると不満も出やすいので、
「あの子、別のグループの子とばかり仲良くしてて、むかつく」
とか、よくある話です。
「女同士だといろいろ面倒なので、私の場合は男の友達が多いんです…」という女の人は、このへんが嫌なのでしょうね。

百合よろしく、いつも一緒にお昼を食べて、いつも一緒にトイレ行って、いつも一緒に学校から帰って…みたいに、べったりしていた「あなた」が、自分の心をゆさぶる強烈なキャラの人に出会って、「あの人、面白い!」と言い出して、その人とばかり遊ぶようになり、わたし帽子さんは淋しい思いをする…。
(私はまさに、「あの子」の立場になったことがあり、そのグループの子たちが陰で泣いていたというのを、あとから聞きました)

わたし帽子さんは、「私も紹介してよ」てな感じで戻っていって、「あの子」とも同じグループとして仲良くやっていくか、もしくは「あなた」や「あの子」をよく思っていないグループに引き寄せられていって一緒に悪口を言うか、まったく別のグループを見つけるか、一匹狼で上等!とばかりにひとりで生きていくか、どれかを選べばいいと思います。
でも、帽子なので、かぶってくれる人がいないと悲しいから、一匹狼は無理かもね…。

まとめ

いやー、性別を疑ってみるだけで、いろんな可能性が出てくるものですね!
さわやかでおっとりしたメロディーに載せて、生々しい人間関係の痛みが歌われていたなんて…。

「もう、普通にさわやかーな歌やと思ってたのに、これからは素直な気持ちで聞けへんやん!」
という方もおられるかもしれませんが、書いた当の私はしれっと忘れて普通に歌を聞けるので無問題です。