エストニアのミサゴのひな、生まれた順で差が広がりつつある?

ほとんどの鳥や動物は、人間よりも成長が早い(そして寿命も短い)ので、他の兄弟よりも1日か2日遅く生まれただけで、大きなハンデを背負います。
以前の記事でも、『鳥類学』を引用して、兄弟間の争いが起こりうることを書いたけど、果たして…。

ミサゴのひな
エストニアのミサゴ、先に生まれた2羽(すでに羽が黒くなってきてる)が親鳥の前で魚をねだる様子に阻まれて、なかなか魚にありつけない末っ子のひなちゃん。まだ羽が白っぽい。

思わず、ぶっとい『鳥類学』を出してきて調べる私。

えさをめぐる競争

ミサゴのひな
末っ子のひなちゃん、体のほとんどが巣に隠れてて見えないけど、それでも他の2羽に比べたら小さい気がする…。

ミサゴのひな
魚にありつく上の子。ちゅんちゅん!
末っ子ちゃん、ほとんど埋もれちゃって、どこにいるのかわからない。

ミサゴのひな
末っ子ちゃん、がんばって2羽の真ん中に顔を出してみたよ!でも魚をもらったのは上の子だったよ!
大きな声で鳴いて積極的に要求していくひなの方が、えさをもらえるそうです。
(『鳥類学』P.473)

ミサゴのひな
親鳥が自分の分を食べている間も、ひなちゃんたちはおねだりする努力を惜しみません。
ひなちゃんが大声で鳴いていると、敵に捕食されるのでは?という危険性もあるのですが、こういう風に木の上で巣をつくっている場合、捕食される危険性は少なくなるそうな。
(『鳥類学』P.472 図16-8)

残念ながら、ミサゴの話はあまり出てこない

あわわわ、と思いながら私がページをめくっている『鳥類学』は、ミサゴのケーススタディってあんまり載ってない。

鳥類学
だから、他の鳥の場合はこういうケースが多いらしいよ…てな感じで、ミサゴさん一家のその後を推測することになるのですが。

過酷な張り合いは一部の種ではよくあるようで、時間差をもって卵がふ化する場合にはとくによく見られる。ふ化時間のわずかな遅れにより、とくに食物供給の少ないときには年少の雛が巣内のほかの雛との競争で不利な状態におかれる(BOX16-2)。
大きいほうの雛は、ほかの雛を押しのけ、親鳥の運んできた食べ物をまっさきに手に入れる。
たとえば、オオトウゾクカモメの2羽の雛で、年少のほうは年長の雛と同じ大きさであるならば、生き残る機会は十分にある。しかし、年長の雛より体重がわずか8g(10%)軽いだけで、生き残る機会はきわめて乏しくなる(Procter 1975)。
(P.473 適宜改行しました)

さて…プロジェクトチームがライブカメラを設置して見守っているミサゴさん一家は、ひなちゃんたちを全員巣立たせることができるのでしょうか。あるいは、生き残るために誰かが犠牲になってしまうのでしょうか…。