アルテイシア 『モタク モテるオタクになる恋愛ガイド』を読んだ

タイトル:モタク
副題:モテるオタクになる恋愛ガイド
著者:アルテイシア
レーベル:スコラマガジン

夫との出会いから結婚までをつづったmixi日記が書籍化された『59番目のプロポーズ』の著者・アルテイシアさんの新刊です。
女性向けだった今までの本とちがって、ターゲットはオタクの男性。
だから、この本で書かれている「オタク」という言葉には、女性のオタクは含まれていません。

正直、買う気なかったんですが(理由は後述)、書評を読んでたら興味が出てきて、他の本を買うついでにぽちってしまったよ…。

タイトルで損しまくっている(書店で手にとれないと思う)

なんで買う気にならなかったのかっていうと…タイトルがアレすぎたからです。

多分、このブログでタイトルを見た人の半分くらいは、「なんやねんモタクって」とけげんな顔をしたんちゃうやろか。
さらに、「モテとオタクをくっつけた造語かいな。またそういう安易なネーミングして恋愛関係の新語を増やそうとしやがって…!草食男子とかカフェオレ男子とか、もういい加減にしてくれよ」と反感を持った人もいるんちゃうやろか。

…私はまさにそういう反感を持ちましたよ。
ちなみに、弟にこの本を貸したところ、表紙や最初の方をちらっと見て、大変な不快感を示しておりました。

「それに彼氏彼女がほしかったとしても、別にモテたいってほどじゃないし!モテるオタクを目指したいわけじゃないし!モテるかどうかっていう価値観を押しつけてくる今の時代はどうなってんだー!この本もその仲間か!」
みたいに思われそうじゃないかな?書店で見かけた時に…。
(彼氏がいない時の私だったら確実にそう思った)

帯にも、「これを読めば彼女ができる!」的な、いかにもそれらしいキャッチコピーが踊っていて、とっくに読者が見飽きたようなそんな言葉書いちゃっててどうなの…と内心ツッコミを入れたです。編集さーん…。

じゃあなんで買ったのかというと、この本で実際に著者のアルさんが、知人のオタク男性である山田くんに恋愛指導をした話が出てくるらしいというのを、ネットの書評で知ったから。
(山田くんはアルさんがセコンドについたことで、女性とうまく会話できるようになり、距離を縮める→デート→告白と数々の難関を乗り越えて、ついには結婚する)

だから、タイトルとか帯のキャッチコピーとかにも、もう少しそういうのを反映すればよかったんじゃ?と思います。
私は「実際にあったストーリーを通して、女性に慣れていない男性が、女性と恋愛できるようになるには?を学ぶ」という本だと感じたし、そういう側面をもっと前面に出してもよかったんじゃなかろうかと。

山田くんの話は、とてもよかった!

というわけで、山田くんの話が大変よかったです。
『草食系男子に恋すれば』にも登場していた人です。確かあの本ではYくんって書かれてたかな?

アルさんと飲み屋で知り合ったことから、彼女にさまざまな助言を受け、時にはハッパをかけられたり怒られたりしつつ、トライ&エラーで進んでいく山田くん。
性格はいいのに、女性に不慣れなために勢いこんで自分の話ばかりしてしまったり、「僕みたいなダサい男は美容室に行く服がありません!」と嘆いたりしていた山田くんが、勇気を出して髪型と服装を変え、彼女がほしいと宣言して女の子を紹介してもらったりしていくうちに、だんだん自分に自信をつけていきます。

山田くんがうまく恋愛に進めなかった理由のひとつに、恋愛関係のドッキリを仕掛けられたり、一部の女子から自分の毛深さをキモイとからかわれたりして傷ついてきた過去がありました。
いざ告白する時も、「実はドッキリだったらどうしよう」とふるえていたそうですし、毛深い自分は駄目だと思いこんで、夏でも長袖を着ていたそうですよ…。
(よしながふみ『大奥』の江島を思い出して泣けた)

そのへんは女と変わらんな、と思いました。
一部の男子から馬鹿にされて傷ついた過去があるために、男性そのものが苦手になっちゃって恋愛できない…って話、よくあるよね。
でも、そういうことをしない男友達ができたりすると、「男にもいろいろいるんだな。ひどい奴もいれば、いい奴だっているんだな」と感じて、苦手意識を克服できたりするんよね。
逆もしかりで、アルさんの夫(通称:59番)も、アルさんの女友達と話をして、「世の中にいるのはクソ女ばかりだと思ってたけど、そうじゃない女もいるんだな」みたいなことを言ってます。

山田くんはなかなか自分に自信を持てず、「自分から『いけるかも?』と思って声をかけても、『自意識過剰でしょ』みたいなこと言われたらどうしよう」「好きになっても、向こうには全然その気がなかったらどうしよう」とおびえます。
そんな山田くんが自分に自信を持つことで、行動も変わっていく、その過程が面白かったです。女に傷つけられてきた過去のトラウマも乗り越えて、えぇ話やったがな…。

主義主張は人それぞれなので、使えるところだけ使えばいいかと

ちなみに、アルさんはオタクがもっと普通に恋愛して結婚できる世の中になることを願っているらしく、
「ヤンキーばかりが子どもを産んでたら、この国はヤンキーだらけになっちゃう。それは嫌だ」
的なことを書いてはりました。
他にも、「女性に対して、自分は結婚して子どもを持つ意思があることを表明しなさい。真面目な女性は、その方が安心するから」的な話も出てきます。

このへん、子どもがほしいと思ったことのない私はちょっと「微妙…」って感じでした。
また、「武士は食わねど高楊枝」な男が好きだというアルさんと、私の好みは全然ちがうので、そのへんも「噛み合わないなー」と感じることはあった。

なので、そのへんはさらーっと読み流して、使えそうな部分だけ参考にすればいいと思います。
女性器への愛撫の仕方とかも図入りで載ってたよ!びっくりしたよ!

なんつーか、
「男とうまくつきあおうと思ったら、男の心理を学んだ方がいいし、女とうまくつきあおうと思ったら、女の心理を学んだ方がいい。相手のことを知らねばならないのは、どっちも一緒やーん」
という結論でした。私の中で。